印刷会社の新規開拓|資料DLで待ちの導線を作る
作成日: 2026/07/22 09:00 ・ 更新日: 2026/09/23 19:00
執筆: DocLead 運営
この記事の結論
印刷会社の新規開拓は、加工事例や販促物ガイドを資料公開し、ダウンロード記録から再アプローチする待ちの導線が有効です。
既存顧客の印刷需要が減り、新規顧客の開拓が急務になっている印刷会社は少なくありません。とはいえ飛び込み営業やテレアポには限界があります。この記事では、加工事例や販促物の作り方ガイドを資料として公開し、問い合わせを待つ「待ちの導線」の作り方を手順で解説します。新規開拓の営業手法全般はBtoBのリード獲得方法12選でも解説しているので、あわせて参照してください。業種を問わないリード獲得手法の全体像はBtoBリード獲得 完全ガイド|手法・業種別施策でも整理しています。
印刷会社の新規開拓が難しくなっている理由
印刷会社の新規開拓は、既存顧客との関係を深める既存営業とは求められるスキルが異なります。多くの印刷会社では、この違いが新規開拓を難しくしている一因です。
まず、印刷需要そのものが縮小傾向にあり、既存顧客からの受注だけでは売上を維持しにくくなっています。ペーパーレス化やデジタル広告への予算シフトにより、従来型の印刷物の発注量が減っている企業も多く、営業担当者は新規顧客の開拓を求められる場面が増えています。
一方で、飛び込み営業やテレアポといった従来型の新規開拓は、担当者の行動量に成果が比例するため、少人数体制の印刷会社ほど負担が大きくなります。断られた相手に再度アプローチするタイミングも、個人の記憶やメモに頼りがちで、機会を逃しやすい構造があります。
さらに、印刷会社が持つ強み(特殊加工・小ロット対応・短納期など)は、実際の仕上がりを見なければ伝わりにくいという特性もあります。電話や訪問での説明だけでは、加工の質感やクオリティが伝わりきらず、比較検討の土台に乗れないまま終わってしまうケースもあります。
加えて、印刷の発注先を探す企業側の行動も変わってきています。以前であれば取引先の紹介や地域の営業活動から発注先を選ぶことが多かった一方、現在ではまず検索エンジンで加工技術や事例を調べ、複数社を比較してから問い合わせる企業が増えています。営業側からの接触を待たずに検討が進んでしまうと、比較の土俵にすら乗れないまま候補から外れてしまうこともあり得ます。
こうした課題を補うのが、問い合わせを待つ「待ちの導線」です。加工事例や販促物の作り方といった情報を資料として公開し、検討段階にある企業からの問い合わせを生む設計は、飛び込み・テレアポと組み合わせることで、担当者の行動量に依存しない集客経路を持てます。待ちの導線は営業担当が動けない時間帯にも稼働し続けるため、少人数体制の印刷会社ほど恩恵を受けやすい施策です。同じく資料導線で法人契約を生む例は清掃業の集客方法|法人契約を増やす資料導線でも解説しています。
新規開拓を解説する記事の多くは、飛び込みやテレアポのトークスクリプト、訪問先の見極め方に紙幅を割いています。本記事ではこうした行動量に依存する施策を否定するのではなく、並行して持てる「待ちの導線」の設計に焦点を当てます。飛び込み・テレアポで動きながら、Web上に公開した資料が24時間問い合わせの窓口になっている状態を目指します。
受注先を同業から直接取引へ移すマーケティング全体の設計は印刷会社のマーケティングで解説しています。商社など近い業種の開拓は商社の新規開拓やBtoBサービス集客 完全ガイドから探せます。
事前準備:待ちの導線に使う資料を用意する
待ちの導線を作る前に、どんな資料を用意するかを決めておく必要があります。印刷会社が用意しやすい資料は、大きく3種類に整理できます。
加工技術・事例集は、自社が対応できる特殊加工や仕上げのバリエーションを、実例の写真とともにまとめた資料です。箔押し・型抜き・ニス加工といった加工の種類を、実際の仕上がりイメージとともに示すことで、電話や訪問だけでは伝わりにくい強みを補えます。業種別・用途別に事例を整理しておくと、自社と近い状況の企業が探しやすくなります。
販促物の作り方ガイドは、チラシ・パンフレット・ノベルティといった販促物を企画する際の考え方をまとめた資料です。印刷の発注担当者は、必ずしも販促物の企画に慣れているとは限りません。構成の考え方や部数・納期の目安を示すガイドは、発注前の検討段階にある担当者にとって価値の高い情報になります。
価格・納期の目安資料は、印刷物の種類ごとの価格帯や標準的な納期をまとめた資料です。印刷の発注先選定では価格と納期が判断軸になりやすいため、目安を示す資料は比較検討中の企業にとって参考になります。仕様(用紙・部数・加工)による変動要因もあわせて説明する構成にすると、問い合わせ前の疑問を解消できます。
これら3種類は、検討段階に応じて使い分けます。特殊な仕上がりを求める企業には加工技術・事例集、販促物の企画自体に迷っている企業には作り方ガイド、複数社を比較検討している企業には価格・納期の目安資料、というように役割を分けて用意すると効果的です。1つの資料に3種類の要素を無理に詰め込むより、目的を分けたほうが読み手にとって分かりやすくなります。
3種類すべてを同時に作る必要はありません。まずは自社が最も強みを発揮できる型、あるいは営業担当が商談でよく見せている資料から着手するのが現実的です。既存の会社案内や見本帳の中に、そのまま転用できる写真・情報が眠っていることも少なくありません。
| 資料の型 | 主な役割 | 向いている検討段階 |
|---|---|---|
| 加工技術・事例集 | 特殊加工の仕上がりを実例で示す | 加工の質を比較している段階 |
| 販促物の作り方ガイド | 企画・構成の考え方を提供する | 何を作るか迷っている段階 |
| 価格・納期の目安資料 | 判断軸になる相場感を示す | 複数社を比較検討している段階 |
どの型から着手するか迷った場合は、営業担当への聞き取りが参考になります。商談中に最もよく聞かれる質問や、見本帳を見せた際の反応が良かった加工を洗い出すことで、見込み客のニーズに合った資料テーマを見つけやすくなります。
手順:資料公開から再アプローチまでの導線設計
資料の型が決まったら、具体的な導線を組み立てます。飛び込み・テレアポと組み合わせることで、待ちの導線の効果を最大化できます。ここでは、公開から再アプローチまでの流れを4つのステップに分けて解説します。1つずつ順番に整えていけば、無理なく導線を構築できます。
Step1:加工事例や販促物ガイドを公開する
まずは1つの資料を選び、Web サイト上でダウンロードできる状態にします。DocLead のように、PDF をアップロードするだけでリード獲得フォーム付きの共有ページを発行できるツールを使えば、既存の会社案内や見本帳を転用して公開できます。専用の Web ページを一から構築する必要がないため、Web 制作の知識がない担当者でも着手しやすい方法です。
検索エンジン経由で「箔押し 印刷」「販促物 作り方」といったキーワードで検討中の企業が流入してくれば、営業担当が接触する前から自社の技術に触れてもらえます。
公開する資料は、既存の会社案内や見本帳の写真をそのまま使っても構いません。商談でよく見せている加工サンプルや、電話でよく聞かれる質問への回答を1つの資料にまとめるところから始めると、無理なく着手できます。
公開ページには、資料の内容を簡潔に紹介する説明文をつけておくと、検索結果でクリックされやすくなります。「特殊加工の事例が分かる資料」のように、資料を読むメリットが一目で分かるタイトルにすることも、ダウンロード率を左右する要素です。専門用語を並べたタイトルより、発注担当者が思わずクリックしたくなる、平易な言葉選びを意識するとよいでしょう。
はじめから完成度の高い資料を目指す必要はありません。まずは公開してみて、問い合わせやダウンロード数の反応を見ながら、写真の入れ替えや説明文の見直しを重ねていくほうが、結果的に早く効果の出る資料に育ちます。
営業担当者が個別に見本帳を持ち歩いて説明していた内容を、Webで誰でも見られる形に変えておくことにも意味があります。担当者が不在の時間帯や休業日でも、検討中の企業が資料にアクセスできる状態を作れるためです。
Step2:飛び込み・テレアポで断られた相手に資料DLでつながりを残す
飛び込みやテレアポで即決を得られなかった相手にも、資料の案内を送ることでつながりを残せます。「今すぐでなくてもよいので、事例集だけでも」という形で資料のダウンロードリンクを案内すれば、その場では断られても情報提供の接点は保てます。
この一言があるかないかで、その後の関係が大きく変わります。断られた相手にすぐ次の訪問先に移ってしまうと接点は完全に途切れますが、資料の案内という形であれば、相手にとって負担の少ない形で関係を継続できます。
すべての訪問先に同じ資料を送る必要はありません。相手の業種や、商談中に語られた課題に応じて、加工事例集・作り方ガイド・価格目安資料のいずれを送るかを使い分けると、資料の関連性が高まり、実際にダウンロードされる可能性も上がります。こうしたフォローの文面設計は営業資料送付後のフォローメール文面設計でも解説しています。
Step3:資料ダウンロードの記録から再アプローチする
フォーム経由のダウンロードを記録できれば、どの企業が資料を受け取ったかを把握できます。断られた企業が後日資料をダウンロードしていれば、状況が変わった可能性を示すシグナルとして再アプローチの材料になります。
再アプローチする際は、いきなり営業の電話をかけるのではなく、「資料をご覧いただいたようですが、ご不明点はありませんか」といった軽い問いかけから始めると、警戒されにくくなります。ダウンロードという行動自体が一定の関心を示しているため、ゼロからの関係構築よりもハードルは低いはずです。
再アプローチのタイミングも重要です。ダウンロード直後はまだ検討が始まったばかりかもしれませんが、数日おいてから連絡すると、資料を読んだ上での疑問や関心が具体化していることがあります。ダウンロードから1週間程度を目安に連絡するのも一つの目安です。
過去に飛び込みで名刺交換だけした相手や、テレアポで一度断られた相手のリストと、資料ダウンロードの記録を突き合わせておくと、どの相手が再び動き出しているかを見つけやすくなります。リストの管理が属人化していると、この突き合わせ自体ができなくなってしまうため、営業リストの整備もあわせて見直しておきたいところです。
再アプローチの窓口は、必ずしも最初に接触した営業担当でなくても構いません。担当者が異動・退職している場合でも、企業単位で接点の履歴を残しておけば、後任の担当者が引き継いでフォローできます。
Step4:印刷物の発注が集中しやすい時期に合わせて資料を届ける
印刷物の発注は、決算期のパンフレット刷新やイベント前の販促物準備など、時期によって需要が集中しやすい傾向があります。こうした時期の直前に合わせて資料を届けると、検討のタイミングと重なりやすくなります。
時期の直前には、既存の見込み客リストに向けてメールで資料の案内を送るのも有効です。営業リストの整備の仕方は営業リストの作り方でも解説しています。過去に商談で接点を持った企業や、資料をダウンロードしたことのある企業に対して、時期を意識したタイミングで再度情報を届けることで、思い出してもらうきっかけを作れます。
時期は同業他社も一斉に営業をかけてくるタイミングでもあります。直前になって動き出すのではなく、繁忙期の1〜2か月前から情報提供を始めておくことで、検討の早い段階で自社を選択肢に入れてもらいやすくなります。展示会やイベントで名刺交換した相手のフォローについては、展示会フォローアップの資料共有も参考になります。
つまずきポイント:仕上がりが伝わらない・価格中心の比較検討
新規開拓を進める中で、印刷会社特有のつまずきに直面することがあります。代表的なのが、仕上がりのイメージが伝わりにくいことと、価格中心の比較検討です。
写真だけでは加工の質感や光沢感が十分に伝わらないことがあります。可能であれば実物のサンプル送付と資料DLを組み合わせ、Web上では見え方の限界を補う説明文を添えると、期待とのギャップを防げます。加工の種類ごとに用途例を添えると、発注担当者が自社の販促物に当てはめてイメージしやすくなります。撮影時に自然光と照明の両方で撮っておくと、実物の見え方に近い写真を選びやすくなります。
価格中心の比較検討も印刷業界特有の課題です。複数の印刷会社に一斉に見積もりを依頼し、価格だけで選定する企業も少なくありません。この場合、価格以外の訴求材料(対応スピード・小ロット対応・加工の柔軟性)を資料に盛り込み、単純な価格比較にならないよう工夫することが有効です。価格の内訳や、価格差が生まれる理由(用紙・加工工程の違いなど)を含めておくと、比較検討する担当者が総合的な価値で判断する材料を提供できます。
見積もり合わせで最安値を選ぶ企業ばかりではありません。過去に納期遅延や仕上がりの不満を経験した企業ほど、対応スピードや加工の相談しやすさを重視する傾向があります。こうした企業に向けて、価格以外の判断材料を丁寧に用意しておくことが、価格競争から一歩抜け出すきっかけになります。
また、資料公開直後は問い合わせがすぐに増えるとは限りません。検索エンジンからの流入が育つまでには時間がかかるため、飛び込み・テレアポでの案内と並行しながら、気長に育てていく前提で取り組むことが大切です。並行運用によって、待ちの導線が育つ前の期間も問い合わせをゼロにせず維持できます。
効率化のヒント:資料を育てながら運用する
印刷会社の新規開拓は、一度資料を公開して終わりではなく、反応を見ながら資料を育てていく視点が効果的です。
資料は常に最新の状態で見つけられるようにしておくことが重要です。加工の対応内容や価格が変わった際は、公開・非公開をワンクリックで切り替えられる仕組みを使い、古い情報を非公開にしてから更新後の内容を公開すると、誤った情報が残り続ける事態を防げます。
ページの PV を集計値で確認できれば、どの時期にどの資料への関心が高まっているかを把握できます。決算期前後に特定の資料の PV が伸びる傾向が見えれば、翌年以降の資料配布のタイミングを調整する材料になります。年間を通じて記録しておくと、繁忙期に備えて内容を見直すといった準備にもつながります。
こうした運用は、飛び込み・テレアポで能動的に動く従来のスタイルと対立するものではありません。並行して待ちの導線からも問い合わせを受けられる状態を作ることで、営業活動全体の効率を高められます。会社案内の作り方から見直したい場合は、会社紹介資料の作り方も参考になります。
待ちの導線からの問い合わせは、すでに加工内容や価格帯への理解が進んだ状態で入ってくることが多いのも特徴です。ゼロからの説明が不要な分、商談から成約までのスピードも早まりやすく、限られた営業リソースを効率的に使えます。
営業人員を増やす前に、まずは持っている資産(会社案内・見本帳・過去の商談で培った知見)を待ちの導線に転用できないか検討してみることをおすすめします。新たに大きな投資をしなくても、着手できる範囲は意外と広いはずです。営業人員を増やせない中小の印刷会社ほど、待ちの導線を持つ意味は大きくなります。まずは1つの資料を用意するところから始めてみましょう。
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