印刷会社のマーケティング|同業受注から直接取引へ変える戦略
作成日: 2026/09/23 19:00 ・ 更新日: 2026/09/23 20:00
執筆: DocLead 運営
この記事の結論
印刷会社のマーケティングは、同業・代理店経由の受注に偏った構造を直接取引主体に変える設計が要です。
印刷マーケティングとは
印刷会社にとっての「マーケティング」とは、新規開拓の営業手法そのものではなく、受注先の構成そのものを変えるための設計です。自社の強みを言語化し、資料の内容を決め、Webサイトと資料の役割分担を組み立てる、一連の全体設計を指します。
同業からの外注や代理店経由の受注に頼っている印刷会社は少なくありません。この構造自体は営業担当の頑張りだけでは変わらず、どの顧客層に何を訴求し、どんな資料で判断材料を渡すかという設計が先に必要になります。飛び込み営業やテレアポといった個別の営業行動は、この設計があって初めて効果を発揮します。
本記事で扱うのはこの設計部分です。資料公開後の具体的な営業手順は、印刷会社の新規開拓の記事で解説しています。設計と実行を組み合わせることで、両輪がそろいます。
マーケティングという言葉を聞くと、Web広告の運用やSNSでの発信といった個別の施策をイメージする人も多いかもしれません。しかし、個別の施策から着手する前に、そもそも自社が誰に何を訴求したいのかという設計が固まっていなければ、施策同士がちぐはぐになり、成果につながりにくくなります。特に専任のマーケティング担当者を置きにくい中小の印刷会社ほど、限られたリソースを個別施策に分散させる前に、まず設計を固めておくことの重要性が増します。
印刷会社の受注先はどう変わっている?

印刷会社の受注先は、同業からの下請け受注が減り、事業会社との直接取引が伸びる方向に変化しています。
受注先3タイプ(同業外注/代理店経由/直接取引)ごとの戦略マップ
この変化を裏付ける統計があります。全日本印刷工業組合連合会『令和5年度 印刷業経営動向実態調査集計結果報告書(総括編)』(令和6年10月発行、全国の組合員企業3,807社を対象に令和5年11月調査・有効回答196社、概要調査ベース)によると、業種別売上高構成は「その他(民需=直接取引)」が60.5%(前年差+2.6、4年ぶりに60%台を回復)、「印刷業」(同業からの受注)が24.6%(前年差△2.0、平成28年をピークに微減傾向)、「国・自治体等」が14.9%(前年差△0.6)となっています。同調査では人的資源の部門別構成も示されており、営業部門の就業者比率は20.4%(令和5年度、前年から微減)です。限られた営業人員で受注構成の転換を進めていく必要がある実態がうかがえます。
この調査結果が示すのは、回答した企業の売上構成比では、すでに直接取引が過半数を占めているということです。もちろん196社という回答企業の範囲内での傾向であり、すべての印刷会社に当てはまるとは限りません。それでも、多くの印刷会社の営業・マーケティング活動が、長年の取引慣行から同業・代理店経由の受注を前提に組まれたままになっているとすれば、受注先の実態とマーケティングの重心がずれていること自体が、機会損失を生んでいる可能性があります。
同業からの外注は、繁忙期に自社の設備で処理しきれない仕事を融通し合う関係で成り立っています。景気変動や同業者の設備投資状況に左右されやすく、自社の営業努力だけでは受注量をコントロールしにくいという性質があります。代理店経由の受注も同様に、代理店の営業方針や取引先の予算配分の影響を強く受けます。これに対して直接取引は、事業会社との関係を自社で構築・維持できるため、受注量の見通しを自社の意思である程度コントロールしやすくなります。受注先構成を直接取引側に寄せていくことは、単に売上を増やすだけでなく、受注の安定性を自社の手に取り戻す意味も持ちます。
受注先のタイプによって、狙うべき顧客も、訴求すべき強みも、用意すべき資料も異なります。まずは自社の現状の受注構成を3タイプに分けて整理し、どこに重心を置くかを決めることが、マーケティング設計の出発点になります。
| 受注先タイプ | 狙う顧客 | 訴求すべき強み | 配る資料の種類 |
|---|---|---|---|
| 同業からの外注 | 繁忙期に外注先を探す同業印刷会社 | 対応可能な加工範囲・納期の柔軟性 | 設備一覧・対応可能な加工の一覧表 |
| 代理店経由の受注 | 制作進行を担う広告代理店・制作会社 | 進行管理の正確さ・仕様対応力 | 過去実績集・対応可能な仕様レンジ表 |
| 直接取引(事業会社) | 印刷物を発注する事業会社の担当者 | 加工技術・小ロット対応・短納期などの独自の強み | 会社案内・加工事例集・料金の目安 |
直接取引を増やしたい場合、代理店経由や同業外注向けの訴求(進行管理力・対応範囲の広さ)をそのまま事業会社に向けても響きません。事業会社の担当者は代理店を介さず自社で判断するため、加工技術や小ロット対応といった、より具体的で分かりやすい強みを求めています。受注先タイプごとに訴求を切り分けることが、直接取引を増やす第一歩です。
3タイプは排他的なものではなく、同じ印刷会社が同時に複数のタイプを抱えているのが実態です。たとえば、繁忙期は同業からの外注を受けつつ、閑散期には直接取引の新規顧客を開拓するというように、季節や案件の種類によって重心を使い分けている会社も少なくありません。重要なのは、今どのタイプにどれだけの比重を置いているかを自社で把握し、直接取引の比重を増やしたいのであれば、そのための訴求と資料を意識的に用意することです。
現状の把握には、過去1年分の受注案件を「発注元がどのタイプに該当するか」で分類してみるとよいでしょう。感覚では「直接取引が増えている」と思っていても、実際に集計すると代理店経由が依然として大半を占めているケースもあります。分類の結果、直接取引の比率が業界平均(前述の60.5%)を下回っているようであれば、マーケティングの重心を直接取引向けの訴求・資料整備に移す余地が大きいと判断できます。
集計する際は、売上金額だけでなく案件数でも見ておくと、実態がつかみやすくなります。単価の高い数件の直接取引案件があるだけで、売上構成比では直接取引が大きく見えることもあります。案件数ベースで見て代理店経由がまだ多数を占めているようであれば、直接取引の顧客層を継続的に開拓していく体制づくりが必要だと判断できます。
判断に迷う場合の目安として、直近1年の新規案件のうち、発注元の担当者と直接やり取りした件数の比率を見る方法があります。たとえば新規案件10件のうち、代理店を介さず事業会社の担当者と直接やり取りしたのが2件程度であれば、直接取引向けの訴求や資料がまだ整っていない可能性が高いといえます。逆に5件以上あるなら、すでに一定の接点があるということなので、次に取り組むべきは接点を増やすことよりも、資料の内容を事業会社向けに寄せていくことになります。自社の現状がどちらに近いかを最初に把握しておくと、次のセクションで扱う強みの言語化の優先順位も決めやすくなります。
自社の得意分野をどう言語化する?
自社の得意分野は、具体的な実績や数値で言語化する必要があります。「高品質」「丁寧な対応」といった抽象的な言葉ではなく、加工技術・紙質・小ロット対応・短納期など、比較検討する担当者が判断に使える形で示します。抽象的な表現は、どの印刷会社の資料にも書かれているため、比較検討する担当者の印象に残りません。
言語化の出発点は、前セクションで整理した受注先タイプのうち、自社が重心を置きたいタイプに合わせて棚卸しをすることです。直接取引を増やしたい場合、事業会社の担当者が判断材料にしやすい情報を優先して洗い出します。
- 加工技術:箔押し・型抜き・ニス加工など、対応できる加工の種類と、実際の仕上がりを示す写真
- 紙質:取り扱っている用紙の種類と、用途に応じたおすすめの組み合わせ
- 小ロット対応:最小発注部数や、小ロットでも単価が大きく変わらない条件
- 短納期:標準納期と、特急対応が可能な場合の目安日数
これらの項目を洗い出す際は、「高品質」で終わらせず「箔押し加工で光沢感のある仕上がりを実現」のように、具体的な加工名や仕上がりのイメージまで踏み込みます。可能であれば、過去の受注実績から「小ロット50部から対応」「最短3営業日で納品」のような数値を添えると、比較検討中の担当者にとって判断しやすい材料になります。
言語化した強みは、実物の写真や仕上がりサンプルとセットで示すことが特に重要です。印刷物の質感や光沢感は文章だけでは伝わりにくく、写真の有無で説得力が大きく変わります。撮影の際は自然光と照明の両方で撮っておくと、実際に手に取ったときの見え方に近い写真を選びやすくなります。既存の営業資料や過去の案件写真をそのまま流用できる場合も多いため、新たに撮影する前に、社内に眠っている素材がないか確認するところから始めるとよいでしょう。
営業担当者が商談でよく聞かれる質問や、見本帳を見せた際に反応が良かった加工は、自社の強みを見つける手がかりになります。日々の商談の中に、資料化すべき情報がすでに眠っていることも少なくありません。たとえば「この紙質で小ロットは可能か」と何度も聞かれているなら、それは資料の目立つ位置に書くべき強みだということです。逆に営業担当が当たり前だと思って資料に書いていない項目ほど、実は問い合わせのきっかけになっている場合があります。
言語化する際にありがちな失敗は、自社にとって当たり前すぎる強みを見落としてしまうことです。長年その工程に携わっている担当者ほど「これくらいはどの印刷会社でもできる」と考えがちですが、実際には対応できる会社が限られていることも珍しくありません。社内で当たり前になっている工程・対応の中に、外部から見ると強みになる要素が隠れていないか、営業担当以外の視点(制作担当・工場スタッフなど)も交えて洗い出すと、思わぬ強みが見つかることがあります。
洗い出した強みは、受注先タイプ別に優先順位をつけて資料に反映させます。すべての強みを1つの資料に詰め込むと、かえって何が一番の強みなのか伝わりにくくなります。直接取引を狙う資料であれば、加工技術と小ロット対応を前面に出し、価格・納期の情報は補足として添える、といった優先順位の付け方が有効です。
言語化は一度作って終わりではありません。設備の更新や新しい加工技術への対応など、自社の強みは時間とともに変わっていきます。定期的に見直しのタイミングを設け、資料の内容を最新の状態に保つことも、地道ですが効果に直結します。棚卸しした強みは、次のセクションで扱う資料とWebサイトの役割分担の中に落とし込んでいきます。
資料とWebサイトはどう役割分担させる?
Webサイトは「見つけてもらう窓口」、ダウンロード資料は「比較検討段階で信頼を積む中間コンバージョン」として役割を分担させるのが効果的です。直接取引の事業会社は、検索や比較サイトを通じて印刷会社を探すことが増えているため、この2つを別の役割として設計する必要があります。
Webサイトの役割は、検索エンジン経由での流入を受け止め、自社の存在を知ってもらうことです。ここでいきなり問い合わせフォームへ誘導すると、まだ比較検討の初期段階にある担当者にとってハードルが高く、離脱の原因になります。
一方、会社案内・加工事例集・料金の目安といったダウンロード資料は、Webサイトを訪れた担当者がその場で問い合わせを決断できない場合の、中間的な接点として機能します。資料をダウンロードしてもらうことで、まだ問い合わせには至らないものの関心を持っている見込み客を、フォーム情報とともに可視化できます。
問い合わせフォーム直行の設計だと、比較検討の初期段階にいる担当者を取りこぼしてしまいます。事業会社の担当者は、いきなり問い合わせるほど検討が進んでいなくても、資料を読んで社内で共有し、検討材料として持ち帰りたいという段階にいることが多いためです。資料DLという1段階手前のアクションを用意しておくことで、限られた人手の印刷会社でも、どの企業が自社に関心を持っているかを継続的に把握できるようになります。
具体的には、Webサイトの各ページから「会社案内をダウンロードする」「加工事例集を見る」といった導線を用意し、資料をダウンロードした企業の連絡先をフォームで取得します。問い合わせフォームだけを設置している場合と比べて、資料DLというハードルの低いアクションを挟むことで、まだ問い合わせを決めていない段階の見込み客との接点を先に作れます。DocLead のように、PDFをアップロードするだけでダウンロードページとフォームを用意できるツールを使えば、Web制作の知識がなくても、この中間コンバージョンの仕組みを短期間で立ち上げられます。
資料の内容は、前セクションで言語化した得意分野をそのまま反映させます。加工事例集には強みとなる加工の実例写真を、料金の目安資料には価格帯の判断材料になる情報を盛り込みます。Webサイトと資料それぞれの役割が明確になっていれば、どちらか一方に情報を詰め込みすぎることもなくなり、担当者が必要な情報にたどり着きやすくなります。
この役割分担ができていないと、Webサイトに情報を詰め込みすぎて読みにくくなったり、逆に資料だけに情報を集約してWebサイトが素通りされる入口になってしまったりします。Webサイトは「まず自社を知ってもらい、資料に誘導する」ことに専念し、資料は「比較検討の材料をじっくり読んでもらう」ことに専念する、という線引きを意識すると、それぞれの役割を過不足なく果たせます。
役割を分けたうえで、資料の種類ごとに誘導先のページも変えておくと、より意図の合った見込み客を集めやすくなります。加工技術のページからは加工事例集へ、料金に関するページからは料金の目安資料へ、というようにページの内容と資料のテーマをそろえておくことで、ダウンロードする担当者の検討段階とのズレを防げます。
資料DLで取得した連絡先は、単に貯めておくだけでは意味がありません。どの企業がどの資料をダウンロードしたかが分かれば、資料の種類に応じたフォローの出し分けができます。加工事例集をダウンロードした企業には加工の相談を、料金目安資料をダウンロードした企業には見積もりの案内を送る、といった具合です。限られた人手であっても、資料DLの記録を起点にすれば、優先度の高い見込み客から順にフォローする運用が可能になります。
フォローの優先順位を決める際は、ダウンロードした資料の種類に加えて、ダウンロード後の反応も見ておくと精度が上がります。案内を送ってすぐに返信が来た企業と、しばらく反応がない企業とでは、検討段階が異なる可能性が高いためです。反応のあった企業から優先的にフォローすれば、限られた時間を成約につながりやすい見込み客に集中できます。
こうした資料DLを起点にした中間コンバージョンの考え方は、印刷業界に限らずBtoB全般で有効な設計です。物流・人材・卸など、ほかの BtoB サービス業での資料活用はBtoBサービス集客 完全ガイドにまとめています。
専任マーケ担当がいない印刷会社は何から始める?
専任のマーケティング担当者がいない印刷会社は、施策を網羅的に並べるのではなく、リソース制約を前提にした優先順位で着手することが重要です。すべてを同時に始めようとすると、どれも中途半端なまま終わってしまいます。
- 強みの言語化と資料化:まずは自社の得意分野を棚卸しし、1つの資料としてまとめます。既存の会社案内や見本帳を転用できれば、ゼロから作る手間を減らせます。
- 無料で始められる導線の整備:Googleビジネスプロフィールへの登録など、費用をかけずに検索経由の接点を作れる施策から着手します。会社の基本情報と実績写真を掲載しておくだけでも、比較検討中の担当者との接点が増えます。
- 既存の営業先への資料DL活用:新しい接点を探すより、すでにアプローチ済みの先を活かすほうが早く成果につながります。具体的な案内の手順は印刷会社の新規開拓を参照してください。
この順番には理由があります。資料という材料がなければ無料の導線を整えても訴求力が伴わず、無料の導線がなければ既存の営業先に資料を届ける手段が限られてしまいます。順番を踏むことで、少ない人手でも着実に土台を積み上げられます。
1番目の資料化にどれくらいの時間をかけるべきか迷う場合は、完璧な資料を目指さず、既存の会社案内や見本帳の情報を転用した簡易版から始めるのが現実的です。担当者が他の業務と兼任している状況で最初から作り込もうとすると、着手自体が先延ばしになりがちです。まずは公開してみて、問い合わせや反応を見ながら内容を育てていくほうが、限られた時間の中では効果的です。
2番目の無料の導線整備では、Googleビジネスプロフィールに加えて、既存のWebサイトに資料DLの導線を追加するだけでも一歩前進になります。新しいWebサイトを一から作る必要はなく、既存のページに「会社案内をダウンロードする」ボタンを1つ追加するところから始めても構いません。
3番目を最後に置いているのは、優先度が低いからではありません。資料と無料導線という土台が先にないと、営業先に案内しても受け取ってもらう場所がないためです。土台さえ整えば、この施策自体は追加の費用も手間もかからず、既存の営業活動にそのまま組み込めます。担当者を専任で置けない体制でも、この3つの優先順位に沿って少しずつ進めれば、同業・代理店経由に偏った受注構造を、無理のないペースで直接取引側に近づけていくことができます。
なお、同じBtoBでも受注構造が異なる業種では、着手の優先順位も変わります。商社のように既存深耕と新規開拓の使い分けが論点になる業種については、商社の新規開拓で比較の視点を解説しているので、自社の受注構造と照らし合わせる参考になります。
よくある質問
印刷会社にマーケティングは本当に必要?
必要です。同業からの外注や代理店経由の受注だけに頼っていると、業界全体の受注構造の変化(直接取引の増加)に取り残され、受注先の選択肢が狭いまま固定されてしまいます。マーケティングは、この構造を自社の意思で変えるための手段です。何もしなくても既存の取引関係が続く保証はなく、取引先の設備内製化や代理店の方針転換によって、受注が急に細ることもあり得ます。受注先を自社でコントロールできる状態を作っておくことが、長期的な経営の安定にもつながります。特別な予算や専門知識がなくても、まずは自社の強みを言語化して資料にまとめるところから始められるのも、印刷会社にとってマーケティングが取り組みやすい理由の1つです。
マーケティングと営業(新規開拓)はどう違う?
マーケティングは、強みの言語化や資料とWebの役割分担といった全体設計を指します。営業(新規開拓)は、その設計を使って実際に見込み客にアプローチする活動です。設計図がないまま新規開拓だけを進めると、担当者ごとに訴求内容がばらつき、資料もその場しのぎで用意することになりがちです。逆に設計だけ整えても、実際にアプローチする営業活動がなければ受注にはつながりません。設計と実行は両方そろって初めて効果を発揮するため、具体的な営業手順は印刷会社の新規開拓を参照してください。
Web広告とオウンドメディア、どちらから始めるべき?
担当者を専任で置けない印刷会社では、まず自社の強みを言語化した資料とダウンロードページを用意することを優先し、その後にオウンドメディアやWeb広告を検討するのが現実的です。資料という受け皿がないままWeb広告で流入を増やしても、比較検討中の担当者を取りこぼしてしまいます。オウンドメディアに着手するかどうかの判断基準としては、資料DLに一定数の反応が出てから記事の蓄積を始めるとよいでしょう。反応がまだ少ない段階で記事を増やしても、流入した読者を受け止める資料が整っていないため、成果につながりにくいためです。逆に資料DLの反応が安定して出ているなら、その関心をさらに広げる手段としてオウンドメディアが機能しやすくなります。資料とダウンロード導線を先に整え、それと並行して少しずつ記事を蓄積していく進め方が、リソースの限られた体制には向いています。
資料はPDFとWebページのどちらで配るべき?
どちらか一方に限定する必要はありませんが、既存の会社案内や見本帳のPDFをそのまま活用できる場合は、PDFを起点にダウンロードページを用意する方法が、限られた人手でも着手しやすい選択肢です。専用のWebページを一から構築する手間を省けます。一方で、資料の内容を検索エンジンに拾ってもらいたい場合は、資料の要点をWebページのテキストとしても掲載しておくと、PDFの中身だけでは検索に引っかかりにくいという弱点を補えます。
まとめ
- 受注先3タイプ(同業外注・代理店経由・直接取引)ごとに、狙う顧客・訴求すべき強み・配る資料の種類を変える
- Webサイトは「見つけてもらう窓口」、ダウンロード資料は「比較検討段階の中間コンバージョン」として役割を分担させる
- 担当者を専任で置けない場合は、強みの言語化と資料化から着手し、無料の導線整備、既存営業先への資料DL活用の順で広げる
業界全体で直接取引の比率がすでに過半数を占めている以上、この流れに乗るための設計を後回しにする理由はありません。まず自社の受注先構成を一度整理し、どのタイプに重心を移したいかを明確にすることから始めてみましょう。具体的には、直近1年分の受注案件を「同業外注」「代理店経由」「直接取引」の3タイプに分類し、どこに偏っているかを数字で把握することが最初の一歩になります。強みの言語化・資料化という次の一歩さえ踏み出せば、あとは無理のないペースで施策を積み重ねていけます。
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