物流会社のマーケティング|倉庫・3PL・配送の領域別に資料を設計

作成日: 2026/09/23 19:00 ・ 更新日: 2026/09/23 20:00

執筆: DocLead 運営

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この記事の結論

物流マーケティングは、倉庫保管・3PL・配送・EC物流など領域ごとに荷主の比較項目とチャネルが違うため、領域別に設計する必要があります。

物流マーケティングとは

物流マーケティングとは、荷主に「任せて問題が起きない会社」だと伝え、問い合わせにつなげる一連の活動を指します。営業担当者の紹介・飛び込み営業に頼る属人的な集客とは異なり、荷主が自ら情報を探し出して比較検討できる状態をあらかじめ用意しておく点が特徴です。

営業任せの集客は、担当者個人の人脈や経験に成果が左右されやすく、その担当者が異動・退職すると新規開拓のペースが落ちてしまうという弱点があります。また、飛び込み営業やテレアポは荷主側のタイミングに左右されやすく、荷主がちょうど物流会社を探しているときに接点を持てるとは限りません。マーケティングは、荷主が探し始めたタイミングでいつでも見つけてもらえる状態を用意しておく活動であり、営業の属人性を補う役割を持ちます。マーケティングと営業は置き換えの関係ではなく、マーケティングが集めた問い合わせを営業が受け取り、個別提案や条件交渉につなげるという分業関係にあります。

トゥモローマーケティング株式会社の「<2024年最新>『BtoBサービスの購買行動』調査結果」(2024年6月14日〜21日実施)によると、比較検討先を見つけた流入元の67.3%が「オンライン」で、比較検討した候補数は平均2.6社でした。調査対象はBtoBサービス導入の意思決定・候補選定に関与する全国24〜60歳の会社員・経営者・自営業者108人です(調査結果)。荷主も他のBtoBサービスの購買担当者と同様に、発注前にオンラインで複数社を比較していることがわかります。

この記事の前提として押さえておきたいのが、「サービス領域によって荷主が見るポイントが違う」という点です。同じ物流会社でも、倉庫保管・3PL(物流代行)・配送・EC物流のどれを主力にしているかで、荷主が比較する項目も、用意すべき資料も、向くチャネルも変わります。倉庫保管なら保管条件やセキュリティ体制、配送なら対応エリアやリードタイムというように、荷主が発注前に確認したい情報は領域ごとにまったく違います。この前提を踏まえずに「物流会社の集客方法」を一括で発信しても、どの荷主にも刺さらない内容になりがちです。まずは自社が主に扱っている領域を意識したうえで、施策を選んでいくことが遠回りを避ける近道になります。

運送・人材・卸など、ほかの BtoB サービス業の記事はBtoBサービス集客 完全ガイドから探せます。物流業もBtoBサービスの一種であり、「誰に・何を・どのチャネルで届けるか」を整理してから施策を選ぶという基本の考え方は共通しています。本記事では、この基本を物流業の4領域に当てはめて具体化していきます。

物流会社になぜマーケティングが必要になっているのか?

物流会社にマーケティングが必要になっている背景には、荷主の情報収集行動の変化と、輸送力そのものが希少になっている構造変化の2つがあります。紹介・飛び込み営業だけに頼る集客は、この2つの変化に対応できなくなりつつあります。

これまで多くの物流会社は、既存の取引先からの紹介や、営業担当者の飛び込み訪問・テレアポを通じて新規の荷主を開拓してきました。この方法自体が通用しなくなったわけではありませんが、それだけに頼っていると、荷主側の状況変化に対応しきれない場面が増えています。1つ目は荷主の情報収集行動そのものの変化、2つ目は業界の構造的な輸送力不足という、性質の異なる2つの変化です。以下で、それぞれを順に見ていきます。

荷主の情報収集はなぜオンライン中心に変わったのか?

荷主担当者は発注前にWeb検索や比較サイトで下調べをするのが当たり前になり、紹介・飛び込み営業だけでは接点を作れない荷主が増えています。以前は営業担当者の人脈や飛び込み訪問が新規開拓の中心でしたが、担当者が交代したり新しい取引先を探したりする局面では、まずオンラインで候補を絞り込む行動が一般化しています。

特に既存の取引先の担当者が異動・退職した場合、後任者は前任者の人脈を引き継がず、あらためて条件に合う物流会社をゼロから探し直すことが少なくありません。このとき候補に挙がるのは、検索結果や比較サイトで見つけられる会社に限られます。紹介や既存の関係だけに頼っていると、こうした「探し直し」の局面で候補から外れてしまいます。

物流会社側から見れば、この変化は「探している荷主に見つけてもらえるかどうか」が受注の入口を左右することを意味します。ホームページやSEO記事が整備されていない会社は、荷主が下調べする段階で候補にすら挙がらない可能性があります。逆に言えば、対応エリアや実績、料金の考え方をあらかじめオンラインで示しておくだけで、これまで接点のなかった荷主からの問い合わせを受け止められるようになります。

なぜ「選ばれる側」への転換が急がれているのか?

輸送力そのものが不足していく見通しの中では、限られた輸送力を「選んでもらう」側に回る必要があるためです。国土交通省・経済産業省・農林水産省による「持続可能な物流の実現に向けた検討会 最終取りまとめ」(2023年8月)では、何も対策を講じない場合、営業用トラックの輸送能力が2024年度に14.2%(4.0億トン相当)、2030年度に34.1%(9.4億トン相当)不足すると試算されています。この試算はNX総合研究所による2022年11月11日時点のものです(最終取りまとめ)。

いわゆる2024年問題以降は、物流会社が荷主を探し回るだけでなく、荷主側にも「対応してもらえる会社」を見つける必要が生じます。限られた輸送力・保管能力を持つ会社が、条件に合う荷主から選ばれる関係に変わっていく中で、自社の対応力を的確に伝える発信の重要性が増しています。

これまでのように「依頼が来たら対応できるかどうかを個別に検討する」というスタンスでは、荷主の比較検討の土俵にすら乗れない場面が増えます。対応可能なエリアや車格、得意な荷物の種類、繁忙期の受け入れ余力といった情報をあらかじめ言語化して発信しておくことが、選ばれる側に回るための土台になります。輸送力・保管能力が希少な資源になっていく局面では、条件の合わない依頼を断る機会も増えるはずです。そのときに、自社が本当に対応したい荷主・案件から優先的に声をかけてもらうためにも、対応条件を明確に発信しておくことが役立ちます。トラック輸送に特化した資料整備の手順は、運送会社のマーケティング資料整備の手順で詳しく解説しています。

サービス領域ごとに荷主の比較項目・チャネルはどう変わる?

物流の4つのサービス領域ごとに、荷主が比べる点・用意する資料・向くチャネルを比べた表の図。倉庫保管と3PLはホームページと資料ダウンロード、配送は地域SEOとMEO、EC物流はSEO記事と比較サイトが向くことを示す。

サービス領域によって荷主に響く見せ方は大きく変わります。倉庫保管・3PL・配送・EC物流の4領域について、荷主が比較する項目、用意する資料、向くチャネルを整理すると次のようになります。

領域 荷主が比較する項目 用意する資料 向くチャネル
倉庫保管 保管条件(温度帯・区画)、セキュリティ・防災体制、庫内在庫の可視化 会社案内、倉庫設備一覧、セキュリティ体制の説明資料 ホームページ+資料ダウンロード
3PL(物流代行) 対応業務範囲、WMS(倉庫管理システム)連携の可否、料金体系 サービス範囲を示す資料、システム連携の説明資料、料金表 ホームページ+資料ダウンロード
配送 対応エリア、リードタイム、繁忙期・波動対応力 対応エリア地図、実績紹介、繁忙期対応フロー図 地域SEO・MEO(Googleマップ対策)
EC物流 出荷スピード、誤出荷率、返品対応の仕組み 対応フロー図、実績紹介、導入事例 SEO記事・比較サイト掲載

表からわかるとおり、同じ「資料を用意する」でも、倉庫保管・3PLは設備やシステム連携を説明する資料が中心になり、配送・EC物流は実績やスピードを裏付ける資料が中心になります。チャネルにも違いがあります。倉庫保管・3PLのように検討期間が長く比較検討が丁寧な領域は、ホームページと資料ダウンロードが軸になります。配送・EC物流のように「対応可否」がすぐ知りたい領域は、地域SEOやMEO、比較サイトのように即座に答えが見つかるチャネルが向いています。

この違いが生まれる理由は、荷主が意思決定にかけられる時間の長さにあります。倉庫保管や3PLは自社の物流機能そのものを委ねる判断になるため、社内稟議や複数部門での検討を経ることが多く、資料を持ち帰ってじっくり比較検討される前提でコンテンツを設計する必要があります。一方、配送やEC物流は「対応エリア内か」「今のリードタイムを満たせるか」という条件面での可否判断が先に来るため、検索してすぐに答えが見つかるチャネルのほうが問い合わせにつながりやすくなります。自社がどちらの傾向を持つ領域を扱っているかを踏まえて、資料の作り込みとチャネルの優先順位を決めることが重要です。

倉庫保管はどう伝えれば荷主に響くのか?

倉庫保管では、保管条件と設備を具体的に示すことが比較の決め手になります。温度帯管理の有無や区画の広さ、セキュリティ・防災体制は荷主が現地確認前に絞り込む材料になるため、会社案内や設備一覧の資料を整えておくと初期の比較段階で候補に残りやすくなります。食品や医薬品を扱う荷主は、温度帯管理やトレーサビリティの体制を重視する傾向があるとされます。対応可能な温度帯や庫内の管理体制を数値・写真つきで示すと安心材料になります。倉庫の稼働率や空き区画の状況は変動するため、資料は定期的に更新し、古い情報のまま放置しないことも比較で不利にならないための条件です。

拠点の立地も比較材料になります。荷主が自社の主要出荷エリアからの距離やアクセス道路の状況を確認できるよう、拠点一覧に所在地・最寄りICからの距離・敷地面積を併記しておくと、現地見学の前段階で候補を絞り込みやすくなります。複数拠点を持つ会社であれば、拠点ごとに得意な保管条件(常温・冷蔵・冷凍の別、危険物対応の可否など)を分けて示すことで、荷主は自社の荷物に合う拠点を迷わず選べます。

3PLはどう伝えれば荷主に響くのか?

3PLでは、対応できる業務範囲とシステム連携の可否を明確に示すことが重要です。入出庫・在庫管理・配送手配のどこまでを任せられるか、荷主が使っているWMSと連携できるかは、業務委託の判断に直結する情報のため、サービス範囲を示す資料で具体的に伝える必要があります。3PLは荷主にとって「自社の物流機能をどこまで外部に委ねるか」という経営判断に近いため、検討期間が長くなりがちです。対応フロー図で業務の切り分けを可視化し、既存荷主での運用実績を具体的な業種名とともに示すことで、検討の初期段階から信頼材料を提供できます。

料金体系の透明性も比較に影響します。固定費と従量課金(出荷件数・保管坪数に応じた変動費)の内訳をあらかじめ示しておくと、荷主は自社の出荷量でどの程度のコストになるかを試算しやすくなります。対応拠点が複数ある場合は、拠点ごとに対応可能な業務範囲(入出庫のみ/流通加工まで含むかなど)が異なることも珍しくないため、拠点別の対応範囲を資料に明記しておくと、問い合わせの段階での認識違いを防げます。

配送はどう伝えれば荷主に響くのか?

配送では、対応エリアとリードタイム、繁忙期の受け入れ体制を具体的な数字や地図で示すことが有効です。「対応エリア内かどうか」は荷主にとって最初のふるい分け条件になるため、地域名を明記したページや地図を用意し、地域SEO・MEOで見つけてもらう導線を整えることが向いています。繁忙期・波動時の受け入れ余力は荷主にとって特に重要な確認項目であり、通常期と繁忙期それぞれの対応可能量を分けて示すと、他社との違いが伝わりやすくなります。

対応エリアは都道府県名だけでなく、市区町村単位や「〇〇インターから何分」といった粒度で示すと、荷主が自社の拠点・配送先との位置関係を具体的にイメージしやすくなります。車格別(小型・中型・大型・冷凍車など)の対応可否や台数規模も、荷物の種類が決まっている荷主にとっては重要な判断材料です。配送領域の新規荷主獲得における営業手順そのものは、運送会社の新規荷主獲得の営業手順で扱っています。

EC物流はどう伝えれば荷主に響くのか?

EC物流では、出荷スピードと返品対応の仕組みを実績とともに示すことが比較の決め手になります。EC事業者は出荷リードタイムや誤出荷率、返品時の対応フローを重視するため、具体的な数値や実績紹介を含むSEO記事や比較サイトへの掲載が有効なチャネルになります。EC事業者はシステム面の相性も気にするため、利用しているカートシステムやモール(自社EC・Amazon・楽天など)との連携実績があれば、業種名や実績とあわせて明記すると比較検討の初期段階で候補に残りやすくなります。

誤出荷率は「業界平均より低い」といった抽象的な表現ではなく、自社の実績値をそのまま数値で示すほうが具体性が伝わります。数値を公開しにくい場合は、ダブルチェック体制やハンディターミナルによる検品といった、誤出荷を防ぐ仕組みそのものを説明する方法もあります。繁忙期(セール期・年末年始など)の出荷キャパシティも、EC事業者にとっては通年の安定運用に直結する情報のため、通常期との対応可能件数の差を具体的に示しておくと比較段階で有利に働きます。

領域を絞ったマーケティングにはどんなメリット・デメリットがある?

領域を絞って発信すると荷主に刺さりやすくなる一方、複数領域を扱う会社では発信の出し分けに手間がかかります。メリットとデメリットを整理すると次のとおりです。

領域を絞るメリットは、荷主が抱える課題に対してピンポイントで訴求できる点です。「倉庫保管に強い会社」「EC物流に強い会社」と明確に打ち出すことで、比較段階で候補に残りやすくなり、価格だけで比較される状況から脱却しやすくなります。荷主は自社の課題に近い実績や体制を持つ会社を優先的に検討する傾向があるため、領域を絞った発信は「何でもできます」という広く浅いアピールよりも印象に残りやすいという利点もあります。

一方でデメリットもあります。倉庫保管と配送のように複数領域を手掛ける会社では、領域ごとに荷主の比較項目やチャネルが異なるため、ホームページやSEO記事、資料を領域別に出し分ける手間が発生します。すべての領域を同じトーンで一括発信すると、どの領域にも刺さらない中途半端な内容になりやすい点には注意が必要です。たとえば倉庫保管とEC物流を両方手掛ける会社が、両者を区別せず1枚の会社案内だけで発信していると、倉庫保管を探している荷主にはシステム連携の情報が足りず、EC物流を探している荷主には出荷スピードの実績が伝わらない、という状況になりかねません。

複数領域を扱う会社がこのデメリットを避けるには、無理にすべての領域を同時に整備しようとせず、まず主力領域から着手し、余力ができた段階で次の領域の資料・ページを整えていくアプローチが現実的です。次の章で扱う実践ステップも、この「1領域から始める」という考え方を前提にしています。

なお、領域を絞ることは「他の領域の仕事を受けない」という意味ではありません。あくまで発信の軸を1つに絞るという話であり、絞った領域以外の問い合わせが来た場合は、通常どおり個別に対応すれば問題ありません。マーケティングで絞るのは発信の優先順位であり、事業そのものの範囲ではない点を混同しないよう注意が必要です。この違いを意識しておくと、領域を絞ることへの社内の抵抗感も和らげやすくなります。

マーケ専任がいない物流会社は何から始めればいい?

マーケ専任がいない物流会社でも、既存の営業資料を転用すれば今日から着手できます。多くの競合記事はSEO・広告・MAなどの施策を横並びで紹介するだけで、専任者不在・低予算の会社がどの順序で着手すべきかまでは示していません。会社案内・料金表・実績紹介PDFなど、すでに手元にある資料を出発点にする実践ステップは次のとおりです。

  1. 自社の主力領域(倉庫保管・3PL・配送・EC物流のどれに当てはまるか)を1つに絞る
  2. 既存の会社案内・料金表・実績紹介PDFを見直し、そのまま使えるものを選ぶ
  3. 選んだ資料を公開ページ化してダウンロードフォームをつくる
  4. 資料を経由して得た問い合わせ(PV・ダウンロード件数などの集計値)を月次で振り返る
  5. 反応が良かった領域から次の資料・チャネルに広げる

手順1では、前章のマトリクスを見ながら、自社が最も実績を持つ領域、あるいは最も強みを説明しやすい領域を1つ選びます。複数領域を扱っている会社でも、最初からすべてを同時に整備する必要はありません。まず1領域に絞ることで、資料の内容もチャネルの選定もぶれずに進められます。

手順2は、新しく資料を作るのではなく、営業担当者が普段の商談で使っている会社案内や料金表、過去の実績紹介PDFを棚卸しするところから始めます。すでに社内にある資料は、荷主に何を伝えれば響くかという知見が反映されている場合が多く、ゼロから作るよりも早く着手できます。情報が古い箇所だけ更新すれば、そのまま公開用の資料として使えることも少なくありません。資料ごとにどこをどう整えるかという具体的な作業手順は、運送会社向けに運送会社のマーケティング資料整備の手順で詳しく解説しているので、そちらを参照してください。倉庫保管・3PLを主力とする会社が既存資料を見直す際は、前章のマトリクスで触れた保管条件(温度帯・区画)、対応業務範囲、WMS連携の可否、拠点の所在地といった情報が資料内にすでに書かれているか、書かれていなければ何を足す必要があるかを確認する視点で棚卸しすると、公開ページ化した後の荷主の比較に耐える資料になります。

手順3では、選んだ資料をただ公開するのではなく、荷主が氏名・会社名・連絡先を入力してダウンロードできるフォームとセットで用意します。これまで紙やPDFのままメールや対面でしか渡せなかった営業資料を、オンラインの問い合わせ導線に変える工程です。フォームの入力項目は、氏名・会社名・メールアドレスといった基本項目に加えて、倉庫保管・3PLであれば「検討している保管条件(温度帯など)」、配送・EC物流であれば「対応してほしいエリアや出荷件数」など、領域ごとに荷主の検討状況が把握できる項目を1〜2個加えておくと、フォーム経由の問い合わせに営業担当者が対応しやすくなります。DocLeadのようなツールを使うと、既存のPDF資料をアップロードするだけでリード獲得フォーム付きの公開ページを発行でき、システム構築の知識がなくても資料を問い合わせ導線に変えられます。すでにある会社案内や実績紹介PDFを転用できるため、新たに資料を作り直す手間もかかりません。

手順4・5は、公開して終わりにせず、実際にどれだけ見られ、どれだけダウンロードされたかを定期的に振り返る工程です。専任者がいない場合は毎月1回、PVとダウンロード件数などの集計値を確認するだけでも十分です。倉庫保管・3PLのように検討期間が長い領域は、公開直後から問い合わせが増えるとは限らないため、PVが伸びているのにダウンロード件数が伸びない場合は資料の内容(保管条件やシステム連携の説明が十分か)を見直す、といった振り返り方が有効です。反応が良かった領域が見えてきたら、その領域の資料をさらに充実させたり、次の領域の資料整備に着手したりすることで、無理のない範囲でマーケティングの対象領域を広げていけます。複数拠点を持つ会社であれば、拠点別の資料に分けて振り返ることで、どの拠点の発信が弱いかも見えてきます。

この5ステップに共通しているのは、新しく何かを作るのではなく「すでにあるものを見直し、少しずつ整えていく」という進め方です。SEO記事の執筆や広告運用のように専門知識や継続的な予算が必要な施策は、この土台ができてから検討しても遅くありません。まずは既存資料の棚卸しと公開ページ化という、専任者がいなくても完結できる範囲から着手することが、無理なく続けられる第一歩になります。実際に問い合わせが増え始めてから、SEO記事や広告といった中長期の施策への投資を検討しても遅くはありません。

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既存の人脈や紹介に頼った新規開拓から抜け出し、資料を起点に問い合わせを受け止める仕組みに変えていく考え方は、物流業に限らずBtoB全般で共通しています。同様の切り口は商社の新規開拓とは?既存深耕との使い分けを解説でも扱っているので、あわせて参考にしてください。

よくある質問

物流マーケティングと運送会社の営業は何が違いますか?

物流マーケティングは「荷主に見つけてもらう仕組み」を作る活動で、営業は個別の荷主との商談を進める活動です。マーケティングがホームページ・SEO記事・資料などで荷主からの問い合わせを受け止める入口を作り、営業がその問い合わせを具体的な条件交渉や契約につなげる、という役割分担になります。両者は対立するものではなく、マーケティングで集めた問い合わせの質と量が、営業活動の効率を左右します。運送会社に特化した営業手順の詳細は、運送会社の新規荷主獲得の営業手順で解説しています。

マーケ担当者がいなくても始められますか?

始められます。まずは自社の主力領域を1つに絞り、既存の会社案内・料金表・実績紹介PDFの中からそのまま使えるものを選び、公開ページ化するところから着手すれば、専任者がいなくても最初の一歩を踏み出せます。新しくコンテンツを作ったり広告を出稿したりする前に、すでに手元にある資料を見直すことから始めれば、時間もコストもかけずに着手できます。

倉庫と配送、両方の領域を持つ場合はどうすればいいですか?

両方の領域を持つ場合は、サービス領域別マトリクスを両方参照し、領域ごとに発信内容とチャネルを出し分けます。倉庫保管ではホームページと資料ダウンロードを中心に、配送では地域SEO・MEOを中心にするなど、荷主が見る比較項目に合わせて資料・チャネルを分けて用意する必要があります。両方を一度に整備するのが難しい場合は、実践ステップで紹介したとおり、まず主力領域から着手し、もう一方は後から広げていく進め方でも問題ありません。無理に同時展開を目指すよりも、順番に整えていくほうが、それぞれの領域で荷主に響く発信を作り込めます。

効果が出るまでどのくらいかかりますか?

施策によって幅があります。地域SEO・MEOのように比較的短期間で反応が出やすい施策もあれば、SEO記事によるコンテンツマーケティングのように中長期的な取り組みが必要な施策もあります。一般的な傾向として、数週間から数か月程度の幅を見込んでおくと現実的です。すぐに問い合わせを増やしたい場合は地域SEO・MEOや既存資料の公開ページ化から着手し、中長期的な流入基盤としてSEO記事を並行して積み上げていく組み合わせが現実的な進め方です。

まとめ

  • 物流マーケティングは倉庫保管・3PL・配送・EC物流など領域ごとに荷主の比較項目が違うため、領域別に設計する必要があります。倉庫保管・3PLは保管条件やシステム連携を示す資料とホームページ、配送・EC物流は地域SEOやMEO、比較サイトのように答えがすぐ見つかるチャネルが向いています
  • 既存の会社案内・料金表・実績紹介PDFを転用すれば、マーケ専任がいなくても着手できます。ゼロから資料を作る必要はなく、情報が古い箇所を更新するだけで公開用に使えることも少なくありません
  • まずは自社の主力領域を1つに絞って始めるのが最短ルートです。複数領域を扱う会社でも、すべてを同時に整備しようとせず、反応を見ながら次の領域へ広げていけば無理なく続けられます

紹介や飛び込み営業だけに頼った新規開拓は、担当者の異動や輸送力の変化といった外部要因に影響されやすくなっています。荷主に見つけてもらう仕組みを少しずつ整えておくことが、今後の受注を安定させる土台になります。専任のマーケ担当者がいなくても、まず1領域から着手すれば、無理のない範囲で仕組みづくりを進められます。特に倉庫保管・3PLを主力とする会社は、保管条件や対応業務範囲、拠点情報を資料に書き足すだけでも、荷主の比較段階で候補に残りやすくなります。まずは手元にある会社案内や実績紹介PDFを見直し、そのまま使えるものがないか確認するところから始めてみてください。

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