お客様の声の書き方|依頼文からアンケート、掲載文への3段階変換例

作成日: 2026/09/23 20:57

執筆: DocLead 運営

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この記事の結論

お客様の声は「依頼文→アンケート→掲載文」の3段階で言葉を磨くと、信頼される文章になります。

お客様の声とは?

お客様の声とは、実際に商品やサービスを使った顧客の感想・評価を、依頼して集め、許可を得て掲載するコンテンツです。SNSの口コミやレビューサイトの投稿とは違い、事業者側が意図的に依頼して集める点が特徴です。

Webサイトや営業資料に掲載すると、初めて会う見込み客に「この会社は他の顧客とどう関わっているか」を伝えられます。価格や機能の説明だけでは埋まらない信頼感を、第三者の言葉が補ってくれるためです。結果として、問い合わせ前の比較検討段階で選ばれる確率が上がり、商品やサービス自体の改善点を洗い出す材料にもなります。

似た言葉に「導入事例」がありますが、導入事例は課題・施策・成果の流れを1本のストーリーとして取材・構成したコンテンツで、お客様の声よりも作成に手間がかかります。まずは短いお客様の声で数を確保し、特に反応の良い顧客だけ導入事例として深掘りする、という使い分けが現実的です。

第三者の声が購買検討にどれだけ影響するかは、公的な調査でも裏付けられています。消費者庁「No.1表示等の景品表示法上の考え方に関する実態調査報告書」(令和6年8月1日〜9日実施、消費者1,000名対象、N=1,000)によると、購入を検討する際に「よく参考にする」「時々参考にする」と回答した人は、高額な商品では4割を超え、それ以外の商品では5割を超えています。掲載する声の件数を増やし、業種・企業規模・利用シーンにばらつきを持たせて集めることが、幅広い見込み客に刺さる声の集め方といえます。

お客様の声を集める前に整理すべき課題は?

「とりあえずアンケートを配る」だけでは、使える声は集まりません。掲載先(Webサイト・営業資料・導入事例PDFのどれか)を先に決め、そこから逆算して質問項目や依頼の仕方を設計する必要があります。

掲載先によって求められる情報量は変わります。Webサイトの一言コメントなら短い感想で十分ですが、営業資料に載せる声は導入前後の変化まで含めた具体性が求められます。資料全体の作り方は営業資料作成 完全ガイドで整理しているので、お客様の声をどの資料のどの位置に置くかを先に決めてから収集を始めると手戻りが減ります。

もう一つよくある失敗が、既存顧客全員に一斉にアンケートを送ってしまうことです。回答率が下がるだけでなく、掲載に足る具体的なエピソードを持つ顧客が埋もれてしまいます。まずは営業担当や現場が把握している「特に満足度の高い顧客」「成果が数字で語れる顧客」を数社選び、そこから依頼を始める方が効率的です。

集める前の事前準備は?

集め始める前に、次の3点を決めておきます。

  1. 目的と掲載先を決める(Web・営業資料・導入事例PDFのどれに使うか)
  2. 依頼する顧客を選ぶ(長期利用顧客、成果が明確な顧客を優先)
  3. 謝礼・割引の有無と、掲載許可の取得方法を決める

特に注意したいのが、謝礼や割引を渡してお客様の声を依頼する場合の表示です。消費者庁「ステルスマーケティングに関する景品表示法上の指定告示」は令和5年10月1日に施行されており、事業者が対価を提供して依頼した感想は「広告であること」が分かるように表示する義務があります。謝礼なしの自発的な感想と混同して掲載すると、不当表示のリスクが生じます。実際に謝礼を渡す場合の具体的な表示方法は、所属団体や消費者庁の最新のガイドラインを必ず確認してください。

謝礼を渡さない場合でも、「協力への感謝」として粗品を送るケースはよくあります。この場合も、依頼文の時点で謝礼の有無を明記し、後から「実は対価を受け取っていた」という状態を作らないようにすることが、表示ルール以前の信頼関係として重要です。掲載許可の取り方や依頼メールの文例は後述する専用の記事でも扱っているので、あわせて準備しておくと安心です。

事前準備の段階で、誰が最終的な掲載可否を判断するかも決めておきます。個人事業主であれば自分自身で完結しますが、社員数名以上の会社では、依頼窓口・原稿確認者・最終承認者を分けておくと、後工程で「誰に確認すればよいか分からない」という停滞を防げます。

お客様の声はどう集めて書けばいい?

集め方には大きく3種類あります。それぞれの向き不向きは次のとおりです。

集め方 向いている場面 得られる情報量
アンケート 多数の顧客から短時間で集めたい 少なめ(設問に沿った回答)
インタビュー 具体的なエピソードや数字を引き出したい 多い(文脈込みの発言)
レビュー収集 既に投稿された感想を転用したい サイトにより様々

アンケートは手軽ですが、回答が「良かったです」で終わりがちです。インタビューは時間がかかる分、担当者の言葉で具体的な変化を引き出せます。両方を併用し、まずアンケートで候補を絞り、特に反応の良い顧客だけインタビューに進める2段構えにすると効率的です。

レビュー収集は、Googleビジネスプロフィールや業界特化のレビューサイトにすでに投稿されている感想を、本人の許可を得たうえで転用する方法です。ゼロから依頼する手間はかかりませんが、投稿内容をそのまま使うのではなく、必ず投稿者に連絡を取り、自社サイトへの転載可否を確認します。無断転載は著作権やプラットフォームの利用規約に抵触するおそれがあるため避けます。

依頼文はどう書く?

まず顧客に協力を依頼します。依頼文には、目的・所要時間・掲載可能性・謝礼の有無を明記します。

「いつもご利用いただきありがとうございます。サービス改善とご紹介のため、ご利用の感想をお伺いしたく、5分程度のアンケートへのご協力をお願いできますでしょうか。ご回答いただいた内容は、掲載前に必ず内容をご確認いただいたうえで使用いたします。」

依頼文の時点で「掲載前に確認してもらう」旨を伝えておくと、後の許可取得がスムーズになります。断られることを恐れて依頼文を曖昧にすると、後から「そんなつもりで答えたのではない」というトラブルにつながるため、目的と掲載範囲ははっきり書くのが基本です。

アンケート項目は何を聞く?

質問は5〜7問程度に絞り、回答者が答えやすい形にします。代表的な項目は次のとおりです。

  1. 導入前に抱えていた課題は何ですか
  2. 数ある選択肢の中で、なぜ当社を選びましたか
  3. 導入してどのような変化がありましたか(数字があれば具体的に)
  4. 特に役立っている機能・サービスは何ですか
  5. どのような会社・担当者におすすめしたいですか

質問は「はい・いいえ」で終わらない自由記述を中心にしつつ、回答のハードルを下げるために「〇〇はどのくらい変わりましたか(例:作業時間、件数、売上)」のように、答え方の例を添えておくと具体的な回答が集まりやすくなります。

回答はどう掲載文に編集する?

集めた回答は、そのままでは冗長だったり主語が曖昧だったりします。依頼文→アンケート回答→掲載文の3段階で、同じ声がどう磨かれるかを見てみます。

段階 内容
1. 依頼文 「ご利用の感想をお伺いしたく、5分程度のアンケートへのご協力をお願いできますでしょうか」
2. アンケート回答 「導入前は見積書を毎回手作業で作っていて時間がかかっていました。導入後は作成時間がかなり短くなって助かっています。同じ業界の会社にもおすすめしたいです」
3. 掲載文 「見積書の作成に毎回時間がかかっていましたが、導入後は作成時間を大幅に短縮できました。同業の方にも自信を持っておすすめできます」

もう一例、士業向けサービスのケースも見てみます。

段階 内容
1. 依頼文 「サービスをご利用いただいての率直なご感想を、5問程度でお伺いできますでしょうか」
2. アンケート回答 「顧問先が増えて事務作業が大変だったので相談しました。今は資料作成が楽になったので他の業務に時間を使えています」
3. 掲載文 「顧問先の増加にともない事務作業の負担が課題でした。導入後は資料作成にかかる時間が減り、その分を他の業務に充てられています」

編集で変えるのは表現の整理と読みやすさだけで、事実や数字は改変しません。曖昧な「かなり」「大変だった」のような表現は、可能なら顧客に具体的な数字や場面を確認してから掲載します。主語が「私」から「弊社」に変わるなど、話し言葉を書き言葉に整える際も、意味が変わらない範囲にとどめます。

掲載許可はどう取る?

編集後の文面は、必ず顧客本人に確認してもらってから掲載します。特にBtoBの取引先の声を使う場合、回答した担当者個人の判断だけでなく、社内の広報・法務部門の承認が必要になるケースが多くあります。承認までに時間がかかることを見越し、掲載を予定している資料の公開日から逆算して依頼のスケジュールを組んでおくと、直前で慌てずに済みます。許可取得の依頼メールの文例や、Web掲載と資料掲載で公開範囲を分ける方法は導入事例の掲載許可の取り方にテンプレート付きでまとめています。

より深いインタビュー形式で声を集めたい場合は、導入前・選定理由・導入時・成果・今後の5フェーズで質問をテンプレート化した導入事例インタビューの質問リストが使えます。

許可取得の際は、掲載文の最終版をそのまま送り、修正が入った場合は必ず再確認するプロセスを踏みます。口頭やチャットでの「OKです」だけで済ませず、メールなど記録に残る形で承諾を得ておくと、後から社内の別部署に確認を求められた場合にも対応しやすくなります。

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つまずきやすいポイントは?

集める過程では、次のようなつまずきが起きやすくなります。

  • 回答が短すぎる:アンケートの自由記述欄は「はい」「良かったです」程度で終わりがち。追加で1つだけ具体的なエピソードを聞く設問を用意すると防げます。
  • ネガティブな内容が混ざる:無理に隠さず、改善に活かす社内フィードバックとして扱います。掲載する声は好意的な内容の中から選べば問題ありません。
  • 掲載許可が得られない:社名や顔写真の公開を断られた場合は、部署名のみ・匿名での掲載など公開範囲を狭めた代替案を提示します。
  • 回答が担当者の主観に偏る:課題・選定理由・成果のように質問を分けておくと、感想だけでなく客観的な事実も引き出しやすくなります。
  • 依頼のタイミングを逃す:導入直後は熱量が高く協力を得やすい一方、時間が経つと依頼のハードルが上がります。導入完了時や契約更新時など、声をかけやすいタイミングをあらかじめ決めておくと継続的に集められます。
  • 社内での回収・管理が属人化する:担当者個人のメールボックスにアンケート回答が溜まっていくと、後から探せなくなります。回答・許可の状況を一覧管理できる場所(スプレッドシートや共有フォルダ)を最初に用意しておくと、担当者が変わっても引き継ぎやすくなります。

業種によって集めやすさは違う?

同じ「お客様の声」でも、業種によって集めやすさと見せ方が変わります。

士業(弁護士・税理士・社会保険労務士など)は、依頼者の個人情報保護に対する配慮が特に厳しく求められます。氏名や具体的な相談内容を出さず、業種・規模・相談分野程度の匿名化にとどめるケースが一般的です。広告表示に関するルールも業界団体ごとに定められているため、掲載文の表現については所属団体の最新の規定を確認してから公開するようにします。相談内容自体が守秘義務の対象になることも多いため、依頼の時点で「どこまで具体的に書いてよいか」を顧客側にも確認しておくと、原稿作成の段階で書き直しが発生しにくくなります。

工務店や建築関係は、施工前後の写真と組み合わせることで声の説得力が大きく増します。テキストだけの感想より、ビフォーアフターの写真とセットで見せる方が伝わりやすい業種です。ただし施主や近隣の建物が写り込む場合は、施主本人だけでなく写真の使用範囲(自社サイトのみか、営業資料や広告への転用も含むか)まで許可を取っておく必要があります。撮影のタイミングを逃すと後から同条件で撮り直せないため、着工前・完工時の撮影スケジュールをあらかじめ工程表に組み込んでおくと運用しやすくなります。

BtoBサービス業は、回答した担当者個人だけでなく、決裁権を持つ経営層や広報部門の確認が必要になることが多く、依頼から掲載までのスケジュールに余裕を持たせておく必要があります。社内稟議のフローが決まっている企業では、依頼から承認まで数週間かかることも珍しくないため、資料の公開予定日が決まっている場合は逆算して早めに依頼を出すのが安全です。より本格的な事例として取材・構成したい場合は、導入事例の作り方で取材から公開までの流れを7ステップで解説しています。

小売・飲食などBtoC寄りの業種は、SNSの投稿やレビューサイトの評価を本人の許可を得たうえで転用しやすい点が特徴です。一方で1件あたりの内容は短くなりがちなので、複数件をまとめて掲載し、全体としての信頼感を作る見せ方が向いています。来店頻度が高い業種では、レジ横やアンケート端末で気軽に回答してもらえる仕組みを作ると、依頼の手間をかけずに継続的に声を集めやすくなります。

不動産業のように高額・長期契約が多い業種では、契約前の慎重な比較検討を後押しするために、成約までの経緯を含めたやや長めの声が効果的です。物件や取引の特定につながる情報(住所・金額の詳細など)は、掲載前に本人と相談しながらどこまで具体化するかを決めておくと、後からのトラブルを避けやすくなります。自社の業種がどのパターンに近いかを踏まえて、集め方の優先順位を決めると無駄がありません。

効率よく集めて配るには?

毎回ゼロから依頼文を作ると手間がかかります。依頼文・アンケート項目・許可依頼メールはテンプレート化し、顧客ごとに固有名詞だけ差し替える運用にすると継続しやすくなります。営業担当が商談終了後や契約更新のタイミングで声をかける運用フローをあらかじめ決めておくと、特定の担当者の思いつきに依存せず、継続的に声を集め続けられます。テンプレートは一度作って終わりにせず、返信率が低かった文面を見直すなど、数か月おきに改善していくと精度が上がっていきます。

集めたお客様の声は、Webサイトへの掲載だけでなく、事例集やサービス資料にまとめて配布する使い道もあります。特にBtoBの営業現場では、商談の場でお客様の声だけをまとめたPDFを見せると、初対面の相手にも短時間で信頼感を伝えられます。紙の資料として印刷して持ち歩くこともできますが、Web上で配布できる形にしておくと、商談前に相手へ事前共有したり、問い合わせフォームの近くに設置したりと、使い道の幅が広がります。

PDFにまとめた資料をDocLeadでアップロードすると、フォーム付きの公開ページを作成でき、ダウンロードした見込み客の情報が届くようになります。誰がどのくらい資料を見ているかも管理画面から確認できるため、声を集めて終わりにせず、配布後の反応まで含めて一つの流れとして運用しやすくなります。

継続的に声を集める体制ができると、既存の掲載内容を定期的に見直す余裕も生まれます。古い声だけが並んでいると「今も同じ品質でサービスを提供しているのか」という不安につながるため、半年〜1年に一度は新しい声を追加し、古いものと入れ替える運用を組み込んでおくと、掲載内容の鮮度を保てます。入れ替えの際は、業種や利用シーンに偏りが出ていないかもあわせて確認し、特定の業種の声ばかりにならないよう調整すると、幅広い見込み客に響く構成を保てます。

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よくある質問

お客様の声は何件くらい集めればよい?

明確な基準はありませんが、掲載先1ページあたり3〜5件を目安にすると、業種や利用シーンの異なる顧客の声を並べられます。まずは直近の満足度が高い顧客数社から依頼を始め、集まった分から掲載し、随時追加していくのが現実的です。

匿名でも掲載できる?

可能です。会社名や氏名を出せない場合は、業種・規模・部署名などに置き換えて匿名化します。ただし内容の信頼性を保つため、可能な範囲で具体的な業種や利用場面は残すようにします。完全に匿名化しすぎると、読み手にとって「本当の声なのか」という疑いにつながる点には注意が必要です。

動画や写真つきの声はどう扱う?

動画・写真も文章と同じく、収録・掲載前に本人の許可を取る必要があります。特に人物の顔や施工現場の写真は、公開範囲(Web公開か資料のみか)を依頼時点で明確にしておくとトラブルを防げます。撮影・収録に時間がかかる分、テキストの声より早めに依頼のスケジュールを組んでおくと安心です。

掲載を断られたらどうする?

無理に説得せず、公開範囲を狭める代替案(社名非公開、部署名のみ、資料限定での掲載など)を提示します。それでも難しい場合は、その顧客の声は使わず、協力してもらえる別の顧客に依頼先を切り替えます。断られた理由が「内容が不十分」であれば、質問項目を見直して再依頼できないか検討します。

掲載した後に修正や削除を求められたら?

掲載後であっても、顧客から修正・削除の申し出があれば速やかに応じます。依頼文の段階で「掲載後も修正・削除に対応する」旨を伝えておくと、顧客側も安心して協力しやすくなります。対応履歴は誰がいつ何を依頼・承諾したか分かるよう、メールなど記録が残る形で保管しておきます。

まとめ

  • 依頼文・アンケート・掲載文の3段階で言葉を磨くと、事実を保ったまま伝わる文章になる
  • 謝礼を渡す場合の表示ルールと、BtoBでの社内承認フローは事前に確認しておく
  • 掲載後も定期的に声を見直し、古い内容を新しい声と入れ替えると鮮度が保てる

まずは満足度の高い顧客数社に依頼文を送るところから始めましょう。

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