営業資料の作り方|成果につながる12ステップ

作成日: 2026/07/10 09:00 ・ 更新日: 2026/09/08 00:00

執筆: DocLead 運営

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この記事の結論

営業資料の作り方は、ターゲット・目的・使用シーンを事前に固め、課題提起から解決策・事例・料金・CTAまで12ステップの流れで構成することです。

「営業資料を作ったのに商談が進まない」「担当者は納得しても、社内稟議で止まる」。こうした悩みを抱える方は少なくありません。

営業資料は、決裁者など商談の場に同席しない人にアピールできる数少ない手段です。オンライン商談が定着した今、資料の完成度がそのまま営業力の差になります。手元に残る資料は、口頭説明とは違って何度でも読み返してもらえるという強みも持っています。

この記事では、事前準備から12ステップの構成、つまずきやすいポイント、効率化のコツまで順番に解説します。初めて資料作成を任された方でも、この順番で進めれば迷わず形にできる内容にまとめています。提案資料や事例集など種類別の作り方は営業資料作成 完全ガイド|種類から効率化までで一覧できます。

課題の整理

成果が出ない営業資料には、共通する2つの問題があります。原因を先に把握しておくと、作成中の判断がぶれにくくなります。

1つ目は、読み手が「自分ゴト化」できない内容になっていることです。自社の強みばかりを並べ、相手の課題に触れていない資料は、担当者の共感を得られません。機能を羅列するだけの資料は、読み手からすると「で、自分にどう関係するのか」が分からないまま終わってしまいます。

2つ目は、社内稟議に必要な情報が不足していることです。営業担当が同席しない場で資料が回覧されたとき、料金や導入効果の記載がなければ、話はそこで止まります。担当者は好印象を持っていても、決裁者への説明材料がなければ稟議は前に進みません。

オンライン商談の増加も、営業資料の重要性を押し上げています。対面より視線が資料に集中しやすく、資料の質がそのまま提案の質として受け取られやすいためです。画面越しの短い時間で理解してもらう必要があるため、対面商談以上に資料の完成度が問われます。

さらに、資料が標準化されていれば、担当者ごとの説明力の差も埋められます。ベテランが口頭で補っていた説明を資料に落とし込んでおけば、経験の浅い担当者でも一定水準の提案ができるようになります。営業資料は、個人のスキルに依存しがちな営業活動を仕組み化する手段でもあるのです。

こうした背景を踏まえると、営業資料は単なる説明ツールではなく、営業プロセス全体の再現性を高める資産と捉えるべきだと分かります。次の章から、実際にどう作っていくかを順番に見ていきましょう。

事前準備

資料作りは、いきなりスライドを開く前の準備で8割が決まります。準備を飛ばすと、後から構成をやり直す手戻りが発生しがちです。

ターゲットを具体化する(Who)

まず「誰が読むか」を具体的に想定します。業界・企業規模・担当者の役職によって、響く言葉も必要な情報量も変わります。

例えば情報システム部門向けなら、セキュリティや運用負荷への言及が欠かせません。経営層向けなら、投資対効果を数字で示す優先度が上がります。現場担当者向けなら、日々の業務がどう楽になるかを具体的な操作イメージで示すほうが伝わります。

ターゲットが複数の役職にまたがる場合は、無理に1枚の資料でまとめず、役職ごとに強調するページを変える判断も有効です。誰にとっても中途半端な資料より、特定の読み手に刺さる資料のほうが商談を前に進めやすくなります。

ターゲット像を具体化する際は、実際に商談した相手の傾向を振り返るのが近道です。過去にどんな役職の人が興味を持ち、どんな役職の人が反応が薄かったかを整理すると、想定読者の解像度が上がります。

資料の目的を1つに絞る(Why)

1つの資料に複数の目的を詰め込むと、どのメッセージも弱くなります。初回商談用なのか、クロージング用なのかを先に決めましょう。

目的が曖昧な資料は、構成を決める段階で情報の取捨選択に迷う原因になります。目的を1文で言い切れるかどうかを、着手前のチェックポイントにしてください。「初回商談で課題への共感を得て、次回アポにつなげる」のように具体的に言語化できれば、盛り込むべき情報も自然と絞られます。

複数の目的を持つ資料が必要な場合は、1本の資料を無理に兼用するより、目的別に複数本用意するほうが結果的に手戻りが少なくなります。

使用シーンを想定する(When・Where)

同じ営業資料でも、初回商談・クロージング・社内稟議では役割が異なります。初回商談では課題への共感、クロージングでは他社との違い、社内稟議では費用対効果の説明が中心になります。

初回商談は、まだ相手の関心が固まっていない段階です。ここでは専門的な機能説明より、課題への共感を優先したページ構成が向いています。クロージングの段階では、既に検討が進んでいるため、他社との違いや導入実績を厚く見せる構成が効果的です。

社内稟議の段階では、営業担当が同席しないまま資料だけが一人歩きします。決裁者が知りたい費用対効果や導入までのスケジュールを、単独で読んでも理解できる形にしておく必要があります。

1本の資料で全シーンをカバーしようとせず、シーンごとに強調するページを変える発想を持つと、無理のない構成にまとまります。基本となる1本を作ったうえで、シーンに合わせてページの順序や強調点を差し替える運用にすると、資料を何本も作り直す手間を減らせます。

手順

準備が整ったら、実際の構成づくりに入ります。ここでは12ステップに分けて、各パートで押さえるべき内容を説明します。

1. 構成の骨子を決める

最初に、表紙からCTAまでのページ順を仮決めします。細部のデザインより先に、情報の流れを固めるのがポイントです。骨子の段階で流れに違和感がないかを確認しておくと、後の作業がスムーズになります。

骨子作りは、既存のプレゼン資料や過去の商談メモを見返すところから始めても構いません。実際の商談でよく聞かれた質問や、成約に至った要因をリストアップすると、盛り込むべき情報の優先順位が見えてきます。

一般的な骨子は次の順です。

  1. 表紙
  2. 会社概要・サービス概要
  3. 顧客が抱える課題の提示
  4. 課題に対する解決策の提案
  5. サービス紹介・機能詳細
  6. 競合との違い
  7. 導入事例
  8. 導入効果・費用対効果
  9. 料金
  10. 導入までの流れ
  11. よくある質問(FAQ)
  12. お問い合わせ・CTA

それぞれのページで押さえておきたい狙いと内容を整理すると、次のようになります。

ページ 狙い 押さえる内容
表紙 自分に関係する資料だと分からせる 誰の・どんな課題を解決するかを一文で
会社概要 最低限の信頼を得る 設立年・実績など簡潔な情報
課題提起 共感を得る 読み手が普段感じている悩みの言語化
解決策 課題と解決策を結びつける 課題ごとの対応関係を明示
機能詳細 具体像を持たせる 1機能1メッセージで補足情報を添える
競合比較 選ぶ理由を作る 事実ベースの違いを表で整理
導入事例 自分ゴト化を後押しする 業界・規模が近い事例を複数用意
導入効果 数字で裏付ける 実績や算出条件を添えた数値
料金 稟議の材料にする 代表プランと問い合わせ導線
導入の流れ 不安を減らす 契約から利用開始までの期間感
FAQ 懸念を先回りで解消する 実際に受けた質問への回答
CTA 行動を促す 次に取ってほしい行動を明記

この一覧を骨子の段階で手元に置いておくと、どのページで何を伝えるべきかがぶれにくくなります。

2. 表紙・会社概要・課題提起を作る

表紙には、サービス名だけでなく「誰の・どんな課題を解決するか」を一文で添えます。表紙を見ただけで自分に関係する資料だと分かるようにすることが、最初のハードルを下げます。

会社概要は信頼性を示す最小限の情報にとどめ、詳しい説明は後半に回します。設立年や事業実績など、初対面の相手が安心材料にできる情報を1〜2ページで簡潔にまとめましょう。

課題提起のページでは、読み手が普段感じている悩みを具体的な言葉で言語化します。抽象的な表現ではなく、実際の業務シーンを思い浮かべられる書き方にすると、共感を得やすくなります。ここで共感を得られるかどうかが、以降のページを読み進めてもらえるかを左右します。

例えば「業務が非効率」という抽象的な書き方より、「見積作成のたびに他部署へ確認の電話をかけている」のように具体的な場面を描写したほうが、読み手は自分の職場を思い浮かべやすくなります。抽象と具体の差は、共感の得やすさに直結します。

3. 解決策・サービス紹介を作る

課題提起の直後に、その課題への解決策を提示します。機能の羅列ではなく、「この機能で、先ほどの課題がどう解決するか」の対応関係を示すことが大切です。

機能紹介のページを作るときは、1つの機能につき1つの課題を対応させる形にすると、読み手は自分の状況と照らし合わせながら読み進められます。逆に機能を一覧表のように並べるだけでは、どれが自分に関係するのか判断しづらくなります。「この課題には、この機能」という対応関係を見出しレベルで明示するだけでも、資料全体の分かりやすさは大きく変わります。

1スライド1メッセージを徹底し、伝えたい結論を見出しに書きます。詳細情報は補足として下段に添えると、読み手が要点を追いやすくなります。見出しだけを読んでも資料全体の流れが分かる状態を目指しましょう。

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4. 事例・比較・料金・導入効果を作る

導入事例は、業界・企業規模が近い読み手ほど自分ゴト化しやすくなります。可能であれば、複数業界・規模の事例を用意しておくと使い分けができます。事例には、導入前の課題・実施した施策・得られた成果をセットで記載すると説得力が増します。取材から公開までの手順は導入事例の作り方|取材から公開までの7ステップで詳しく解説しています。

競合比較は避けずに、事実ベースで違いを示します。比較を避けると、読み手は自分で他社と見比べ、こちらの弱みだけが際立つ可能性があります。比較表の形式にまとめると、読み手が短時間で違いを把握できます。

比較表を作る際は、価格だけでなく機能範囲・サポート体制・導入実績など、複数の軸を並べることが大切です。価格軸だけの比較は、結局のところ安さの勝負になりやすく、自社の強みを打ち消してしまいます。公平な比較軸の選び方は比較資料の作り方|公平な軸の選び方と使い方で扱っています。

料金と導入効果は、社内稟議で最も参照されるページです。具体的な数字を示せると説得力が増しますが、根拠のない数値の断定は避け、実績や算出条件を添えて示しましょう。料金体系が複雑な場合は、代表的なプランだけを載せ、詳細は問い合わせに誘導する構成でも構いません。

導入効果を示す際は、「業務時間が削減された」といった曖昧な表現より、算出の前提条件をセットで示すほうが信頼されます。前提条件がない数字は、読み手によっては誇張と受け取られてしまうこともあるため注意が必要です。

5. FAQ・CTA・問い合わせ先で締める

FAQでは、商談中によく聞かれる質問と回答をまとめます。導入の障壁になりやすい懸念(サポート体制・セキュリティ・契約期間など)を先回りして解消しておくと、後工程の質問対応が減ります。

FAQの項目は、実際に営業担当が受けた質問をもとに作ると、実態に即した内容になります。想定だけで作ると、読み手が本当に知りたい情報とずれてしまうことがあります。よく挙がる質問には、次のような例があります。

  • 導入までにどれくらいの期間がかかりますか
  • 既存のシステムと連携できますか
  • 契約期間の縛りはありますか
  • サポート体制はどうなっていますか
  • セキュリティ面の対策は何をしていますか

これらの回答をあらかじめ用意しておくと、商談中に即答できるだけでなく、資料を読んだだけの読み手の不安も解消できます。

最後のページには、次に取ってほしい行動(問い合わせ・資料請求・トライアル申込など)を明記します。CTAが曖昧だと、読み手が納得していても行動につながりません。連絡先やフォームへの導線は、迷わずクリックできる位置に配置しましょう。

つまずきポイント

営業資料の作成でよくあるつまずきを、事前に知っておくと回避しやすくなります。

  • 情報を詰め込みすぎる:伝えたいことが多いほど、1ページの情報量が増えがちです。優先度の低い情報は別資料や付録に回しましょう。情報量が多いページは、読み手にとって「結局何が言いたいのか」が分かりにくくなります。
  • デザインに時間をかけすぎる:配色やレイアウトの調整に時間を使いすぎると、構成の見直しに時間が割けなくなります。まず構成を固め、デザインは後工程にします。デザインの完成度より、情報の伝わりやすさを優先しましょう。
  • 社内でしか通じない専門用語を使う:自社の略語や業界用語は、初出時に平易な言葉で説明を添えます。読み手が知らない前提で書くくらいがちょうど良いバランスです。
  • 競合比較を避けて訴求が弱くなる:比較を避けると、差別化ポイントが伝わらず、価格だけで比較されるリスクが高まります。事実に基づいた比較であれば、読み手の信頼を損なうことはありません。
  • 完成後の配布方法を考えていない:資料を作ることが目的化し、誰にどう届けるかの検討が後回しになりがちです。メールで個別に送るだけでなく、Webから閲覧・ダウンロードできる導線まで用意しておくと、活用の幅が広がります。
  • 1人で完結させてしまう:作成者本人だけで見直すと、専門用語や説明の飛躍に気づきにくくなります。実際にターゲットに近い立場の同僚や、営業経験の浅いメンバーに読んでもらい、分かりにくい箇所を洗い出すと精度が上がります。
  • 一度作って更新しない:料金改定や機能追加があっても資料が更新されないまま使われ続けると、商談中に情報の食い違いが発覚することがあります。定期的な見直しのタイミングをあらかじめ決めておきましょう。

効率化のヒント

営業資料は一度作って終わりではなく、使いながら改善していくものです。効率よく作り、改善サイクルを回すためのポイントを紹介します。

テンプレートやAIツールを使うと、ゼロから構成を考える時間を削減できます。12ステップの骨子をベースにしたテンプレートがあれば、抜け漏れのチェックリストとしても活用できます。

既存資料からの流用も有効ですが、その場合は情報が古くなっていないか、バージョンを管理しながら確認しましょう。料金や機能は更新頻度が高いため、古い版が別の担当者から送られてしまうと信頼を損ねます。ファイル名に更新日を入れる、共有フォルダで最新版だけを残すといった運用ルールを決めておくと安心です。

AIツールを使う場合は、ゼロから文章を生成させるより、事前準備で決めたターゲット・目的・課題を渡したうえで骨子案を出させる使い方が向いています。出てきた案をそのまま使うのではなく、自社の事例やデータで肉付けする工程は欠かせません。AIはあくまで叩き台作成の時間を短縮する道具であり、最終的な訴求の精度は作成者の見直しにかかっています。

もう1つ見落とされがちなのが、作った資料を配布してリード獲得につなげる視点です。営業担当が個別に送るだけでなく、Webサイトから資料をダウンロードできるページを用意しておくと、担当者が声をかける前の潜在的な検討層にもリーチできます。せっかく作り込んだ営業資料を、商談の場だけで使うのはもったいない活用方法です。

ホワイトペーパーと営業資料の役割の違いを整理しておくと、どちらを先に作るべきか判断しやすくなります。詳しくはホワイトペーパーと営業資料の違い|リード獲得に活かす使い分けで解説しています。

資料ダウンロードページを作る際は、タイトルや説明文の書き方に迷うことが多いものです。資料ダウンロードページの文章テンプレートを使えば、そのまま当てはめるだけで公開できます。

ダウンロードと引き換えに情報を取得するフォームの項目設計も、リードの質を左右する重要な要素です。リード獲得フォームの項目テンプレートも参考にしてください。

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資料を公開したあとは、閲覧数やダウンロード数を見ながら、反応の薄いページを見直す改善サイクルを回すと、営業資料の完成度が着実に上がっていきます。誰がどのページまで読んだかが分かれば、次の商談で話すべき内容の仮説も立てやすくなります。

まとめ

営業資料の作り方は、ターゲット・目的・使用シーンを固める事前準備から始まり、12ステップの構成で情報の抜け漏れを防ぐことが基本です。表紙から課題提起、解決策、事例・比較・料金、FAQ・CTAまでを一貫した流れで組み立てることで、読み手が自分ゴト化しやすい資料になります。

情報の詰め込みすぎや配布方法の検討漏れといったつまずきを避け、テンプレートの活用と公開後の改善サイクルまで見据えて取り組みましょう。作って終わりにせず、配布と振り返りまで含めて設計することが、成果につながる営業資料への近道です。

一度に完璧な資料を目指す必要はありません。まずは骨子を固めて公開し、実際の反応を見ながら少しずつ磨き込んでいく姿勢が、長く使える営業資料への一番の近道になります。

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