営業資料デザインのコツ|配色・フォント・図解を解説
作成日: 2026/07/10 09:00 ・ 更新日: 2026/09/08 00:00
執筆: DocLead 運営
この記事の結論
営業資料デザインのコツは、レイアウト・配色・フォント・図解を順に整え、最後に画面共有前提で文字崩れを確認することです。
「内容には自信があるのに、営業資料を見せると反応が薄い」。この悩みの原因は、中身ではなくデザインにあることが少なくありません。
文字が詰まったスライドは、対面でもオンラインでも読む気が失せます。特に画面共有で資料を見せる機会が増えた今、紙の資料を作る感覚のままではレイアウトが崩れて伝わらなくなります。
この記事では、営業資料のデザインを整える手順を「レイアウト・配色・フォント・図解」の観点で具体的に解説します。あわせて、画面共有やPDF配布を前提にした見え方のチェックポイントも紹介します。デザイン以前の構成づくりから知りたい場合は営業資料作成 完全ガイド|種類から効率化までも参照してください。
課題の整理
営業資料が読まれない原因は、多くの場合「情報量」と「見え方」の2つに集約されます。まず自分の資料がどちらに当てはまるか整理しましょう。
情報量の問題は、1枚に伝えたいことを詰め込みすぎることで起こります。文章がびっしり並んだスライドを見せられると、読み手は何から読めばいいか判断できません。結果として、資料全体を読み飛ばしてしまいます。
見え方の問題は、文字サイズや配色がそろっていないために、内容以前に「読みにくい」という印象を与えてしまうことです。同じ内容でも、余白や色の使い方次第で受け取られ方は大きく変わります。営業担当者が数字や実績に自信を持っていても、資料の見た目で損をしているケースは珍しくありません。
この2つは独立した問題ではなく、原因がつながっています。情報を詰め込みすぎると余白がなくなり、余白がなくなると文字を小さくせざるを得なくなり、結果として見えにくい資料が出来上がります。デザインを改善するときは、情報の取捨選択とレイアウトの整理をセットで考える必要があります。
さらに近年は、対面で紙を配る機会よりも、オンライン商談で画面共有をしたり、PDFをメールで送って後から1人で読んでもらったりする場面が増えています。紙の資料は近くで手に取って読まれる前提でデザインできます。しかし画面共有では相手のモニター解像度や会議ツールの表示枠によって縮小され、文字がつぶれることがあります。この前提の違いを意識せずにデザインすると、せっかく整えた資料でも実際の商談現場では崩れてしまいます。
以降の手順では、こうした「情報量」「見え方」「利用シーンの多様化」という3つの課題を踏まえながら、実際にデザインを整える流れを解説します。
なお、ここで扱うのはデザインの整え方であり、資料に何を書くかという構成そのものは別のテーマです。構成に不安がある場合は、先に骨子を固めてからデザインに取り組んだ方が手戻りは少なくなります。構成の作り方は後述する関連記事でも解説しています。
事前準備
レイアウトや配色に着手する前に、土台となる情報を整理しておくと手戻りが減ります。いきなりスライドソフトを開いて装飾を加え始めると、後から構成ごと作り直すことになりがちです。
ターゲットと訴求ポイントの整理
まず、資料を「誰が」「どんな場面で」見るのかを決めます。商談中に画面共有で見せるのか、資料単体をメールで送って1人で読んでもらうのかによって、文字の大きさや説明の丁寧さは変わります。
例えば、営業担当者が説明しながら見せる資料であれば、口頭説明を前提に情報量を絞れます。一方、資料だけを送って検討してもらう場合は、口頭の補足なしでも伝わるように文章量をやや増やす必要があります。同じ内容でも、閲覧シーンによって最適なデザインは変わることを最初に整理しておきましょう。
あわせて、コーポレートカラーや会社のトンマナ(トーン&マナー。デザインや言葉遣いに一貫性を持たせるルール)があれば先に確認しておきましょう。資料ごとに配色がバラバラだと、会社としての一貫性が失われ、受け取る側にも「資料の管理が行き届いていない会社」という印象を与えかねません。
素材と構成の下ごしらえ
デザインに入る前に、伝えたい内容を文章やメモとして書き出しておきます。この段階で「1スライドに1つのメッセージ」を意識して情報を分割しておくと、後のレイアウト作業がスムーズです。
文章を書きながらレイアウトも同時に考えようとすると、どちらも中途半端になりがちです。まずは伝えたいことを箇条書きで洗い出し、それを何枚のスライドに配分するかを決めてから、デザイン作業に進みましょう。
手順
デザインを整える作業は、次の5つの手順で進めると迷いません。順番を飛ばさずに進めることで、途中の作り直しを減らせます。
| 手順 | 主な目的 |
|---|---|
| 1. レイアウトを整える | 情報の骨格を作る |
| 2. 配色を決める | 印象と視認性を整える |
| 3. フォントを統一する | 読みやすさを固める |
| 4. 図解でわかりやすくする | 理解のスピードを上げる |
| 5. 画面共有・オンライン閲覧を前提に最終調整する | 実際の閲覧環境での崩れを防ぐ |
手順1: レイアウトを整える
まず余白を意識しましょう。要素を詰め込みすぎると窮屈な印象になり、読み手の目が疲れます。スライドの端から一定の余白を確保し、要素同士の間隔もそろえます。目安として、スライドの上下左右に同じ幅の余白を設定し、内側の要素同士の間隔もそろえて統一すると整った印象になります。
視線の流れも重要です。人の視線は左上から右下へ、あるいは左上・右上・左下・右下の順に動く傾向があるといわれています。伝えたい結論やキーメッセージは、視線が最初に届く左上や中央上部に配置すると気づかれやすくなります。逆に、補足情報や出典は視線が最後に届く右下に配置するとよいでしょう。
要素の整列も忘れずに確認してください。図形やテキストボックスの端がそろっているだけで、資料全体の印象は大きく変わります。スライドソフトの「配置」「整列」機能を使えば、複数の要素の端をワンクリックでそろえられます。目視だけで整列を確認するとずれに気づきにくいため、ガイド線やグリッド機能もあわせて活用しましょう。
情報の優先順位を決めることも、レイアウトの一部として扱いましょう。1枚のスライドに複数の情報がある場合、最も伝えたい要素は文字を大きく・色を目立たせるなどして際立たせましょう。補足情報は文字を小さくして下部にまとめます。優先順位に強弱をつけないと、読み手はどこから読めばいいか判断できず、結局すべてを読み飛ばしてしまいます。
手順2: 配色を決める
配色は「ベースカラー・メインカラー・アクセントカラー」の3色を基本にすると、まとまりが出ます。ベースは背景など資料全体の7割程度、メインは見出しなど2割程度、アクセントは強調したい箇所に1割程度使うイメージです。
| 役割 | 使う場所の例 | 使用比率の目安 |
|---|---|---|
| ベースカラー | 背景、余白部分 | 約70% |
| メインカラー | 見出し、図形の枠線 | 約20% |
| アクセントカラー | 強調したい数字、CTAボタン | 約10% |
色数を増やしすぎると、どこが重要なのか分からなくなります。コーポレートカラーがある場合はメインカラーに採用し、そこから近い色味でアクセントカラーを選ぶと統一感が出ます。反対に、目立たせたいからといって暖色・寒色を無計画に組み合わせると、資料全体がちぐはぐな印象になります。
また、背景色と文字色のコントラストが低いと読みにくくなります。薄い色の背景に薄い色の文字を重ねるような組み合わせは避け、背景と文字の明度差をはっきりつけましょう。白背景に濃紺や黒に近いグレーの文字を組み合わせるなど、視認性を優先した配色が基本です。
手順3: フォントを統一する
1つの資料で使う書体は1〜2種類にとどめます。見出しと本文で書体を変えるのは構いませんが、資料内で3種類以上の書体が混在すると雑然とした印象になります。
文字サイズもルール化しておくと安定します。例えば「大見出しは28pt、中見出しは20pt、本文は14pt」のように、階層ごとにサイズを固定して資料全体で使い回しましょう。サイズのルールを最初に決めておけば、スライドを追加するたびに毎回大きさを迷う手間がなくなります。
書体選びに迷ったときは、パソコンに標準搭載されていて、かつ画面表示に強い書体を選ぶと無難です。游ゴシックやメイリオといった書体は、多くの環境で表示が崩れにくく、営業資料との相性がよいとされています。凝った装飾書体は見出しの一部に限定し、本文には使わないようにしましょう。
社外の相手にファイルをそのまま渡す場合は、相手のパソコンに同じ書体が入っていないと表示が変わってしまう点にも注意が必要です。特殊な書体を使うときは、PDFに変換して配布するか、書き出し時にフォントを埋め込む設定にしておくと、意図した見た目のまま相手に届けられます。
手順4: 図解でわかりやすくする
文章だけで説明している箇所は、箇条書きやアイコン、図形に置き換えられないか検討します。特に「課題→解決策」「導入前→導入後」のような対比構造は、Before/Afterの図解にすると一目で伝わります。
文章を図に変えるだけで、読み手が内容を理解するまでの時間は短くなります。特に、複数の要素の関係を説明する箇所は、文章で読み進めるよりも図を一目見た方が理解が早いことがほとんどです。図解を作るときは、まず伝えたい関係性を言葉にしてみるとよいでしょう。「AがBを経てCになる」という流れであれば矢印でつないだフロー図が向いています。「複数の選択肢を比較する」内容であれば表、「全体に対する割合」を示したいのであれば円グラフや帯グラフが適しています。関係性に合わない図解を選ぶと、かえって理解の妨げになるため注意しましょう。
数値データはグラフにすると説得力が増します。ただし、棒グラフや円グラフを乱用すると逆に読みにくくなるため、伝えたい数字が1つであれば大きな文字で強調するだけでも十分です。「導入企業数◯◯社」「対応時間◯割削減」のように、資料の中で本当に伝えたい数字を絞り込み、それ以外は補足情報として小さく添える程度にとどめましょう。図解をさらに独立したコンテンツとして作り込みたい場合は、インフォグラフィックの作り方|種類と手順を解説で種類ごとの作り方を解説しています。
手順5: 画面共有・オンライン閲覧を前提に最終調整する
紙で配ることを想定して作った資料でも、実際にはオンライン商談の画面共有や、PDFでの単体閲覧で使われることが多くなっています。ここで見え方を最終チェックしましょう。
画面共有では、相手の画面解像度や会議ツールの表示枠によって資料が縮小表示されることがあります。本文の文字サイズが14pt以下だと、縮小時に読みにくくなる場合があるため、重要な文言はやや大きめに設定しておくと安心です。会議ツールによっては画面の一部にサムネイルやチャット欄が表示され、資料の端が見切れることもあります。重要な要素はスライドの中央寄りに配置しておくと安全です。
また、資料を配布用にPDF化した後、実際に別の端末やスマートフォンで開いて表示を確認する工程を加えましょう。作成時のソフト上では問題なく見えても、PDF変換後にフォントが置き換わったり、レイアウトがずれたりすることがあります。特にフォントを埋め込まずにPDF化すると、閲覧環境によっては指定した書体とは別の書体で表示されてしまう場合があります。書き出し設定でフォント埋め込みが有効になっているか確認しておきましょう。
スマートフォンでPDFを開く相手も想定し、文字が極端に小さくなっていないか、横長スライドが縮小されすぎていないかも合わせて確認すると安心です。
チェックする端末は1つに絞らず、社内の別の担当者にも確認を依頼すると見落としを減らせます。自分が作成に使った端末やアプリでは正しく表示されていても、相手が開く環境まで再現できていないケースは意外と多いためです。可能であれば、実際に商談で使う会議ツールの画面共有機能を使って、社内でリハーサルをしておくとより安心です。
手順同士のつながりを確認する
ここまでの5つの手順は、順番に積み上げていくとムダがありません。レイアウトで骨格を決め、配色で印象を整え、フォントで読みやすさを固め、図解で理解を助け、最後に閲覧環境を確認する、という流れです。
途中の手順を飛ばして図解だけを凝ったものにしても、土台のレイアウトが崩れていれば効果は半減します。逆に、レイアウトと配色だけを整えても、伝えたい数字や関係性が文章のままでは読み手の負担は減りません。一通り仕上げた後、もう一度冒頭から見直して、5つの観点がバランスよく反映されているか確認しましょう。
つまずきポイント
デザインを整えようとして、かえって読みにくくなってしまうケースもよくあります。代表的な失敗を確認しておきましょう。
- 装飾を増やしすぎる: グラデーションや影、アイコンを多用すると、情報自体よりも装飾が目立ってしまいます。装飾は伝えたい要素を引き立てる目的に絞り、迷ったら足すより引く方を選びましょう。
- 色数が増えていく: スライドを追加するたびに新しい色を使ってしまい、気づけば5色以上になっているケースです。資料全体を通して3色ルールを守れているか、完成後に全ページを並べて見直しましょう。
- フォントが混在する: 他の資料からコピー&ペーストを繰り返すうちに、異なる書体が紛れ込むことがあります。仕上げの段階で全ページのフォントを一括選択し、統一されているか確認してください。
- 余白を詰めすぎる: 情報を1枚に収めようとして余白を削ると、窮屈で読みにくい印象になります。情報量が多すぎる場合は、余白を削るのではなくページを分割することを検討しましょう。
- 図解が内容とずれる: とりあえず図やグラフを入れることを目的にしてしまい、伝えたい関係性と図の形式が合っていないケースです。図解を入れる前に「何を伝えるための図か」を言葉で確認する習慣をつけましょう。
- 画面共有前提の確認を後回しにする: レイアウトや配色にこだわった資料でも、実際の商談で使う画面共有ツールでどう見えるかを確認しないまま提出してしまうケースです。作成環境と閲覧環境は一致するとは限りません。完成後に一度は実際の共有手段で表示を確認しましょう。
これらのつまずきに共通するのは、部分的なこだわりが全体のバランスを崩してしまう点です。1つの要素に時間をかけすぎたときほど、資料全体を俯瞰して見直す時間を確保しましょう。
効率化のヒント
デザインの手順を毎回ゼロから考えるのは非効率です。効率化のための工夫を紹介します。
まず、社内で使うテンプレートやスライドマスターを1つ用意しておくと、配色・フォント・レイアウトのルールを毎回意識しなくても統一された資料が作れます。既存の高評価だった資料をベースに、内容だけ差し替える運用も有効です。表紙・会社概要・比較表・事例紹介など、よく使うページ単位でテンプレート化しておくと、新しい資料を作るたびの作業時間も短縮できます。
テンプレートを作る際は、配色のカラーコードやフォントサイズの一覧を別途メモにまとめておくとよいでしょう。担当者が変わっても同じ数値を参照できるため、資料ごとにデザインがぶれる事態を防げます。営業チームの人数が多い会社ほど、こうしたルールの明文化が効果を発揮します。
仕上げの段階では、セルフチェックリストを用意しておくと抜け漏れを防げます。次のような項目を、提出前に見直す習慣をつけましょう。
- 1スライドに1つのメッセージになっているか
- 色数は3色以内に収まっているか
- フォントは資料全体で統一されているか
- 余白は詰まりすぎていないか
- 画面共有やPDF化した状態でも文字がつぶれないか
チェックリストは一度作れば使い回せるため、資料を作成するたびにゼロから見直す必要がなくなります。チームで共有すれば、担当者によってデザインの質にばらつきが出ることも防げます。
また、資料は一度作って終わりではなく、商談で使った後の反応をもとに継続的に手を入れるものだと捉えましょう。「どのページで相手の反応が薄かったか」「質問が多かった箇所はどこか」を営業担当者同士で共有しましょう。次の改訂に反映する仕組みを作っておくと、デザインの完成度は使うたびに上がっていきます。
構成そのものから見直したい場合は、営業資料の作り方やサービス紹介ページの構成の記事もあわせて参考にしてください。デザインの土台となる構成が整っていないと、いくら配色やフォントを整えてもちぐはぐな印象になってしまいます。
デザインを整えた資料は、配布方法も工夫すると効果が高まります。PDFをメールに添付するだけでなく、共有ページとして公開すれば、相手がブラウザで閲覧しやすく、リード情報の獲得にもつなげられます。DocLeadはPDFをアップロードするだけでリード獲得フォーム付きの共有ページを発行できるため、デザインを整えた資料を最後まで活かしたい方は試してみてください。
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