eBookの作り方6ステップ|配布まで解説
作成日: 2026/07/16 09:00 ・ 更新日: 2026/09/08 00:00
執筆: DocLead 運営
この記事の結論
eBookの作り方は、目的とテーマを決めたうえで骨子・構成・執筆・デザイン・校正・公開の6ステップで進めることです。
「eBookを作ってリードを増やしたい」と思ったとき、最初につまずくのが「ホワイトペーパーと何が違うのか」という疑問です。どちらも無料配布のPDF資料という点は共通しているため、社内で名称が混在している会社も少なくありません。しかし担当範囲を分けて考えると、企画段階の迷いがぐっと減ります。
eBookは、写真やイラストを多く使い、雑誌や書籍のような読み物としての体験を重視した資料です。ページをめくる楽しさやビジュアルの分かりやすさが評価軸になります。一方ホワイトペーパーは、データや調査結果を根拠に課題解決の道筋を示す、説得力重視の資料です。グラフや統計を多用し、論理で読者を納得させにいきます。
検索意図で見ると、BtoBの検討初期にはまず興味を持ってもらう必要があり、読みやすいeBookが向きます。比較検討が進んだ段階では、根拠のあるデータ訴求のホワイトペーパーのほうが商談への後押しになります。この2つは対立するものではなく、リードの検討フェーズに応じて使い分ける関係です。
両者の違いを一言でまとめると、eBookは「読ませて興味を持たせる」資料、ホワイトペーパーは「読ませて納得させる」資料です。自社の商材が高価格帯・比較検討期間が長い場合ほどホワイトペーパーの比重を高めます。逆に認知拡大やブランディングを狙う場面では、eBookの比重を高めるという配分の考え方もできます。どちらか一方だけを作るのではなく、リードの検討フェーズに応じて両方を使い分けている企業も少なくありません。
この記事はeBook固有の作成手順に絞って解説します。ホワイトペーパーの作り方は範囲外とし、共通する配布ページの用意までは扱いません。詳しく知りたい方はホワイトペーパーの作り方7ステップを参考にしてください。両者の使い分けをさらに深掘りしたい場合はホワイトペーパーと営業資料の違いもあわせてご覧ください。
事前準備:作り始める前に決める2つのこと
パワーポイントやデザインツールを開く前に、目的とテーマの2つを決めておきます。ここが曖昧なまま書き始めると、途中で章立てを何度もやり直すことになり、結局完成しないまま放置されがちです。所要時間は1時間もあれば十分です。
目的とターゲットを1文で決める
「誰の、どんな悩みに答えるeBookか」を1文で言えるようにします。まだ接点のない見込み顧客に興味を持ってもらいたいのか、すでに接点のある既存リードのナーチャリング(見込み度を段階的に高める働きかけ)用なのかで、盛り込む情報の粒度が変わります。目的が曖昧なまま執筆を始めると、途中で「誰に向けて書いているのか」を見失い、内容がぶれてしまいます。
たとえば新規リード獲得が目的なら、自社サービス名を前面に出さず、業界の共通課題から入る構成が向きます。逆に既存リードのナーチャリングが目的なら、自社の活用事例や機能紹介を多めに盛り込んでも違和感がありません。目的を1文で決めておくと、後の章立てや文章のトーンで迷ったときに立ち返る基準になります。
テーマを決める2つの型
テーマの発想法は大きく2つあります。
- 機能分解型 — 自社商材が持つ機能や役割を分解し、そこから関連するテーマにつなげます。たとえばメール配信機能を持つツールなら、「メールの書き方」から「伝わる文章の書き方」というテーマにつながります。
- 行動喚起型 — 「競合との違い」や「今日からできる〇〇」のように、読者がすぐ行動に移せる切り口で考えます。
どちらもゼロから考える必要はなく、既存のブログ記事や営業資料の中で反応が良かったテーマを起点にすると早く決まります。
テーマ選定でもう1つ意識したいのが、扱う範囲を絞ることです。「営業資料の作り方全般」のような広いテーマにすると内容が薄く広くなりがちです。「初めての展示会で使う営業資料の作り方」のように対象や場面を限定すると、具体的で読み応えのある内容になります。テーマ候補が複数出た場合は、社内の営業担当やカスタマーサポートに「顧客からよく聞かれる質問」を確認すると、需要のあるテーマを絞り込みやすくなります。
eBookの作り方6ステップ
事前準備が終わったら、次の6ステップで形にしていきます。1本目であれば、企画に半日、制作に1〜2週間ほどを見込んでおくと無理がありません。兼務で進める場合はこれより長くなっても問題ないので、まずは完成させることを優先しましょう。
ステップ1. コンテンツの骨子を決める
新規にすべて書き下ろすのではなく、既存のブログ記事や営業資料、過去のセミナー資料を棚卸しし、決めたテーマに沿うものをカテゴリーごとにまとめます。ゼロから書くより制作時間を大きく短縮できるうえ、読者の反応がすでに分かっている内容を使えるため、内容の精度も上がります。
棚卸しの際は、アクセス数や資料請求数など数字で反応が確認できるものを優先的に拾います。反応の良かったコンテンツを土台にすることで、「読まれるかどうか分からない内容」に時間を使うリスクを減らせます。骨子の段階では文章を完璧に仕上げる必要はなく、見出しと要点だけを箇条書きでまとめておけば十分です。
判断に迷ったら「営業担当に何度も同じ質問をされる話題か」を基準にします。たとえば営業支援ツールの会社であれば、商談化までの流れを解説したブログ記事と、導入前によく聞かれる質問への回答をまとめた営業資料の2つを用意します。この2つを組み合わせるだけで、1本分の骨子ができあがります。この段階のアウトプットは、章タイトルと各章3行程度の要点を並べた箇条書きメモで十分です。
ステップ2. 構成案(目次)を作る
章ごとの分量配分を決め、読者が最後まで読み進められる順番に並べます。冒頭には関心の高い内容を置いて離脱を防ぎ、後半に進むほど自社の強みにつながる内容を置くと、自然な流れで読了までたどり着けます。目次の時点で全体のボリュームが見えるため、この段階で社内関係者に方向性を共有しておくと、後工程での差し戻しを防げます。
ページ数の目安は、初めての制作であれば10〜15ページ程度に収めるのがおすすめです。ページ数を先に決めておくと、次の執筆工程で内容を詰め込みすぎる事態を防げます。
分量配分に迷ったら、章の重要度ではなく「読者が読み進める負荷」で判断します。たとえば冒頭の課題提起は1〜2ページで簡潔にまとめ、具体的なノウハウを説明する中盤の章に最もページを割り当て、最後の自社紹介は1ページに収めるという配分が典型です。この段階のアウトプットイメージは、章タイトルとページ数を並べた一覧表で、実際の文章はまだ書きません。
ステップ3. 本文を執筆する
1ページに1つのメッセージを置くことを原則にします。文章は専門用語を避け、中学生にも伝わる平易な言葉を選びます。長い説明文で伝えるより、箇条書きや図解で視覚的に伝えるほうがeBookでは効果的です。文章量を絞ることで、次のデザイン工程もスムーズに進みます。
執筆時は、構成案で決めた見出しごとに300〜400字を目安に本文を書いていくと、ページあたりの分量が均一になり読みやすくなります。書き終えたら一度声に出して読んでみると、不自然な言い回しに気づきやすくなります。
たとえば「フォーム離脱を減らす3つの工夫」という見出しなら、まず結論を1文で述べます。そのあと工夫を3つの短い箇条書きで並べ、それぞれに1行の補足を添える形にすると、長い説明文より格段に読みやすくなります。この段階のアウトプットは、章ごとに文章と挿入予定の図解メモが揃った下書き原稿です。
ステップ4. 表紙・図解でビジュアルを作り込む
eBookはホワイトペーパー以上に見た目の印象がダウンロード率を左右します。表紙は本の顔として、タイトルと組み合わせて価値が一目で伝わるデザインにします。本文中の図解やイラストも、文章だけでは伝わりにくい部分を補う位置に配置すると、ページをめくる手が止まりにくくなります。
デザインの経験がない担当者は、無料のデザインツールにあるテンプレートから近いものを選び、色とフォントを自社のブランドカラーに合わせるだけでも十分見栄えのするeBookになります。凝ったオリジナルデザインを一から作るより、まずはテンプレートで形にして公開し、反応を見ながら磨き込んでいく進め方のほうが失敗しません。
表紙の判断基準は「タイトルと1つのビジュアル要素だけで内容が伝わるか」です。たとえば「フォーム離脱を減らす3つの工夫」であれば、フォーム画面のイラストとタイトルを組み合わせるだけで十分伝わり、無理に複数の要素を詰め込む必要はありません。この段階のアウトプットは、表紙1枚と本文の図解が仮配置されたレイアウト済みのドラフトです。
ステップ5. 編集・校正する
誤字脱字の確認だけでなく、章をまたいで主張が一貫しているかを見直します。自分だけで完結させず、営業担当など読者に近い立場の人にレビューしてもらうと、社内目線の独りよがりな内容になっていないかを確認できます。
レビュー観点はあらかじめリスト化しておくと抜け漏れが減ります。「タイトルと中身が一致しているか」「専門用語に説明が付いているか」「1章あたりのボリュームが均一か」の3点は最低限チェックしておきたい項目です。複数人でレビューする場合は、コメントをまとめて反映するタイミングを決めておくと、修正が行き来して工程が長引くのを防げます。
レビューコメントの採用可否は、目的とターゲットに立ち返って判断します。たとえば「もっと自社サービスの説明を増やしてほしい」という社内意見が出ても、新規リード獲得が目的であれば見送ります。代わりに読者の課題解決に直結する具体例を追加する、という判断がぶれない基準になります。この段階のアウトプットは、レビューが反映済みで公開判断ができる最終原稿です。
ステップ6. PDFとして書き出し公開する
編集が終わったらPDF形式で書き出します。書き出し後にリンクが正しく機能するか、フォントの表示崩れがないかをスマートフォンとPCの両方で確認してから、公開の工程に進みます。ファイルサイズが大きすぎるとダウンロードや表示に時間がかかり、読者が離脱する原因になるため、画像を多用した場合は書き出し時の圧縮設定も確認しておきます。
公開の判断基準は「デバイスを変えても崩れずに読めるか」の一点に絞って確認すれば十分です。細部のデザイン調整に時間をかけすぎるより、まずは公開してこの後の配布導線に進むほうが、リード獲得までの時間を短縮できます。この段階のアウトプットは、公開用に書き出されたPDFファイル一式です。

全 24 ページ!4 タイプ別の構成表をそのまま埋められる
ホワイトペーパー構成テンプレート集
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作ったeBookを配布してリードを獲得する導線設計
eBookは作って終わりではなく、配布して初めて成果につながります。多くの解説記事は作り方までで話が終わっていますが、実際にはここからの設計がリード獲得の成否を分けます。
まず、eBookをダウンロードページに載せ、氏名・会社名・メールアドレスなど最小限の項目のフォームを設置します。項目を絞るほど入力の手間が減り、ダウンロード率が上がります。項目設計に迷う場合はリード獲得フォームの項目テンプレートが参考になります。ダウンロードページ自体の作り方は資料ダウンロードページの作り方で詳しく解説しています。
ページとフォームを用意したら、公開して終わりにせず、複数の経路で流入を作ります。メルマガでの案内、SNSでの告知、営業資料への同梱などが代表的な経路です。既存のリード獲得フォームの最適化の知見も流用しつつ、1つの経路に頼らず既存の顧客接点にeBookへの導線を差し込んでいくのが基本です。
配布ページ制作とフォーム設置は、社内でゼロから実装しようとすると開発リソースが必要になり、後回しになりがちな工程です。PDFを渡すだけで公開ページとフォームを一度に用意できるツールを使えば、このページ制作とフォーム設置にかかる手間そのものを減らせます。せっかく作ったeBookを「作っただけ」で終わらせないためにも、配布までの動線は企画段階から一緒に考えておくとよいでしょう。
eBook制作でつまずきやすいポイント
作成を進める中で、多くの担当者が同じところでつまずきます。それぞれの対策とあわせて押さえておきましょう。
- ページ数が膨らみ完成しない — テーマを盛り込みすぎるのが原因です。1テーマ1eBookを徹底し、扱いきれない話題は次回作に回すと決めておくだけで、完成率が大きく上がります。「あれもこれも入れたい」と感じたら、それは1本のeBookではなく複数本の企画になっているサインです。迷ったときは構成案の段階に戻り、事前準備で決めた1文の目的に沿わない章を削る作業から始めます。
- デザイン外注のコストと納期がかさむ — 全ページを外注せず、テンプレートを使って自社で骨子とレイアウトを作ります。表紙などポイントとなる部分だけデザイナーに依頼すると、費用と納期の両方を抑えられます。依頼範囲を「表紙とキービジュアル」のように限定して伝えると、見積もりのやり取りも短時間で済みます。
- 社内承認が止まる — 完成してから初めてレビューに出すと、方向性の違いから差し戻しが起きやすくなります。構成案(目次)の段階で関係者に共有し、方向性を先に合意しておくのが得策です。承認者を後から追加すると差し戻しが繰り返されるため、レビューに関わる人は企画段階で確定させておきます。承認者が複数部署にまたがる場合は、誰の意見を優先するかも事前に決めておくと停滞を防げます。
- テーマが広すぎて散漫になる — 事前準備で決めた「誰の、どんな悩みに答えるか」に立ち返り、当てはまらない話題は思い切って削ります。1本のeBookで扱うテーマは1つに絞り、関連するテーマは別のeBookとして企画し直すほうが、結果的に両方とも読まれやすくなります。1つのテーマに絞り込めているかは、目次を他の担当者に見せて「結局何の話か」を一言で答えてもらえるかで確認できます。
効率化のヒント
初めてのeBook制作は時間がかかりがちですが、いくつかの工夫で負担を減らせます。既存のブログ記事や営業資料の使い回しは、執筆時間を最も削減できる方法です。社内にテンプレートを1つ用意しておけば、2本目以降は構成案作りが格段に早くなります。
テンプレートには、章立ての型・表紙のレイアウト・図解の書式の3つを盛り込んでおくと再利用しやすくなります。1本目の制作でうまくいった構成をそのままテンプレート化すれば、2本目からは骨子作りと執筆に集中でき、全体の制作期間を短縮できます。
デザインをすべて外注するか自社で行うかは、更新頻度で判断するとよいでしょう。頻繁に改訂する予定があるなら、社内で編集できる体制を優先したほうが、都度の外注コストを抑えられます。逆に年1回程度の刷新であれば、表紙デザインだけ外部に依頼しても費用対効果は見合います。
複数人で分担して制作する場合は、執筆・デザイン・レビューの担当を最初に決めておくと、工程の重複や手待ちを減らせます。特に執筆とデザインを並行して進める場合、構成案の段階でページ数と大まかなレイアウトを共有しておくと、後からの手戻りが起きにくくなります。
公開して終わりにせず、ダウンロード数や商談化率を見ながら表紙やテーマを見直す改善サイクルを回します。これにより1本目より2本目、2本目より3本目と、着実に制作スピードと精度が上がっていきます。
最初の1本は完璧を目指さず、まず公開して反応を見ることを優先してください。反応の良かった要素(テーマ・表紙デザイン・タイトルの言い回しなど)を次回に引き継いでいけば、自然と社内にeBook制作のノウハウが蓄積されていきます。
制作の記録を簡単なメモとして残しておくのもおすすめです。テーマの決め方、参考にした既存資料、レビューで指摘された点などを1本ごとに書き留めておくと、次に別の担当者が制作する際の引き継ぎ資料としても役立ちます。ホワイトペーパー活用の全体像はホワイトペーパー活用 完全ガイドにまとめています。
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