アンケートの作り方|設問設計シートで失敗を防ぐ5ステップ
作成日: 2026/09/23 21:52
執筆: DocLead 運営
この記事の結論
アンケートは「目的→仮説→設問→集計軸」を先に固定してから作ると、報告資料に使える結果になります。
アンケートとは
アンケートとは、特定のテーマについて複数の相手に同じ設問を提示し、回答を集めて傾向をつかむ調査手法です。BtoB の現場では、顧客満足度の把握だけでなく、業界動向や導入実態を数値で示す「調査レポート」の素材として使われる場面が増えています。
調査レポートはホワイトペーパーの一形態で、自社で集めた一次データを持つ点が強みです。他社の受け売りではなく、自社アンケートの集計結果を根拠にした資料は、読み手の信頼を得やすくなります。
アンケートを「なんとなく気になることを聞く」ものと捉えると、集計後に使い道のないデータばかりが残ります。作り始める前に、何を証明したい調査なのかをはっきりさせておくことが重要です。
アンケート作成で失敗しやすいポイントは?
最も多い失敗は、回答者を特定の答えに誘導してしまう設問と、1つの設問で2つ以上のことを同時に聞いてしまう設問です。
誘導質問は「便利な〇〇サービスを使いたいと思いますか」のように、回答者が肯定せざるを得ない言い回しで聞いてしまうケースです。ダブルバーレル質問は「価格と対応スピードに満足していますか」のように、評価軸が2つ混在した設問を指します。回答者はどちらか一方だけに不満があっても「満足」か「不満」の二択でしか答えられず、結果の解釈ができなくなります。
BtoB アンケートは、稟議や社内共有の過程で複数の意思決定者の目を通ることが多い調査です。「この設問は本当に中立か」「選択肢に漏れはないか」を、営業担当ではなく第三者の視点でチェックする工程を挟みましょう。後工程での作り直しを防げます。
アンケート設計の事前準備は?
設問を書き始める前に、次の3つを言語化しておきます。
- 何を明らかにしたい調査なのか(目的)
- 調査結果でどんな仮説を検証したいのか(仮説)
- 誰に配って、何人分の回答を集めたいのか(配布対象と規模)
このうち見落とされがちなのが、回答者属性の設計です。業種・従業員規模・役職といった属性をあらかじめ設問に組み込んでおくと、集計後に「従業員100人以下の企業では〇〇の傾向が強い」といった層別分析ができ、調査レポートの価値が一段上がります。属性を聞き忘れると、全体の平均値しか出せず、読み手の会社に当てはまるかどうか判断しにくい資料になってしまいます。
また、メールアドレスなど個人を特定できる情報を取得する場合は、取得目的を明示し、回答者の同意を得たうえで収集します。集めた情報はプライバシーポリシーに沿って管理し、調査目的以外に無断で使わないことが前提です。
アンケートの作り方5ステップ
アンケートは次の5ステップで組み立てると、目的とずれた設問が入り込みにくくなります。
- 調査の目的と検証したい仮説を1文ずつ書き出す
- 設問設計シートで仮説と設問、集計軸をつなげる
- 回答形式(単一選択・複数選択・自由記述・尺度)を設問ごとに選ぶ
- 回答者属性→本題→自由記述の順で設問を並べる
- 配信前に社内でテスト回答し、所要時間と解釈のずれを確認する
このうち、最も効果が出るのがステップ2の設問設計シートです。
設問設計シートで仮説→設問→集計軸をつなげる
設問を思いつきで並べると、集計段階で「この設問は何のために聞いたのか」がわからなくなります。次のような表を先に作り、1設問ごとに目的から集計軸までを一直線につなげておきます。
| 目的 | 検証したい仮説 | 設問 | 選択肢 | 集計軸 |
|---|---|---|---|---|
| 導入前の検討期間を把握する | 従業員規模が大きいほど検討期間が長い | 導入検討を始めてから契約まで何カ月かかりましたか | 1カ月未満/1〜3カ月/3〜6カ月/6カ月以上 | 従業員規模別 |
| 導入の決め手を把握する | 業種によって重視する要素が異なる | 導入を決めた最大の理由は何ですか | 価格/機能/サポート体制/導入実績 | 業種別 |
| 未導入企業の障壁を把握する | 予算より社内合意形成が障壁になっている | 導入を見送った、または保留した理由は何ですか | 予算不足/社内合意が得られない/効果が不明/担当者不在 | 役職別 |
この表を埋めきれない設問は、集計しても報告資料に使えない可能性が高いので、配信前に削るか目的を作り直します。
悪い設問はどう書き換える?
設問の文言は、書いた本人には自然に見えても、第三者が読むと誘導や曖昧さが潜んでいることがあります。よくある5パターンを、悪い例と良い例で並べます。
| パターン | 悪い例 | 良い例 |
|---|---|---|
| 誘導質問 | 便利な資料配布サービスを使いたいと思いますか | 資料配布の方法として、どの手段を使っていますか |
| ダブルバーレル | 価格と対応スピードに満足していますか | 価格に満足していますか/対応スピードに満足していますか(設問を分割) |
| 曖昧な尺度 | よく使いますか | 週に何回使いますか(0回/1〜2回/3〜5回/6回以上) |
| 選択肢の漏れ | 導入している製品を選んでください(選択肢がA社・B社のみ) | 導入している製品を選んでください(A社/B社/その他/導入していない) |
| 専門用語の押し付け | MQL の獲得数は増えましたか | 問い合わせにつながりそうな見込み客の獲得数は増えましたか |
書き換えの共通点は、「回答者が事実だけを答えられる形」に整えることです。感想や評価を聞く設問ほど、無意識の誘導が入り込みやすくなります。
実施方法はどう選ぶ?
配信方法は、既存の顧客リストへのメール配信、Web フォームの公開、外部パネルの活用の3パターンに大別できます。自社リードが十分にある場合はメール配信が回答率を確保しやすく、業界全体の傾向を知りたい場合は外部パネルが向いています。
配信のタイミングとデバイスも回答率に影響します。株式会社マーケティングアプリケーションズの「アンケートモニターに関する実態調査」(同社保有モニター n=5,989、2025年10月31日〜11月23日調査)によると、回答者の約76%がスマートフォンで回答しており、回答時間帯は「寝る前」が47.2%と最も多い結果でした。BtoB 向けの調査であっても、フォームがスマホで読みやすい設計になっているか、配信時間が日中の業務時間に偏りすぎていないかは確認しておく価値があります。
必要な回答数(サンプル数)の目安は、全体傾向の把握か、属性別のセグメント分析かによって変わります。詳しい考え方はアンケート調査のサンプル数の決め方にまとめています。
集計結果をどう資料化する?
回答が集まったら、まず設問設計シートの集計軸に沿って単純集計を行い、その後に業種・従業員規模・役職などの属性別にクロス集計(2つ以上の属性を掛け合わせて集計する方法)します。属性別の差が大きい設問は、調査レポートの見出しになりやすいポイントです。
集計結果をグラフと解説文に整え、仮説に対する結論を添えれば、そのまま調査レポート形式のホワイトペーパーになります。テーマ選びに迷う場合はお役立ち資料の作り方とネタの探し方、資料の型で迷う場合はホワイトペーパーの種類7選が参考になります。
集計結果を配って見込み客とつなげるには?
調査レポートは、作って終わりでは見込み客の情報を得られません。完成した PDF を DocLead にアップロードすると、ダウンロードフォーム付きの公開ページを作成できます。ダウンロードした人の会社名や連絡先が届き、どのページがどれくらい見られているかも確認できます。
調査レポートの一般的な作り方はホワイトペーパーの作り方7ステップ、意識調査という切り口で企画から資産化まで知りたい場合は意識調査のやり方もあわせて参考にしてください。
PDF をアップロードするだけで資料DLページができます
DocLeadでできることを見るよくある質問
アンケートの回答率を上げるにはどうすればいいですか?
設問数を必要最小限に絞り、所要時間の目安を冒頭に明記することが効果的です。属性を聞く設問は最初にまとめておくと、後半の脱落を防ぎやすくなります。
必須設問はいくつまでにすべきですか?
一般的に、回答時間が長くなるほど離脱が増える傾向があります。必須設問は目的に直結するものに絞り、任意の自由記述は最後にまとめて配置しましょう。
匿名アンケートと記名アンケート、どちらを選ぶべきですか?
率直な意見を集めたい場合は匿名、個別にフォローしたい場合や見込み客の情報を得たい場合は記名(メールアドレス等の取得)が向いています。記名式は取得目的を明示し、同意を得たうえで実施します。
集計は表計算ソフトで十分ですか?
単純集計とクロス集計程度であれば表計算ソフトで対応できます。属性の組み合わせが多く分析が複雑になる場合は、集計に特化したツールの利用も検討してください。
設問設計シートは何問分まで作ればいいですか?
配信予定の全設問について作成します。表を埋めきれない設問は目的が曖昧な証拠なので、配信前に見直すか削除の対象にしてください。
まとめ
- 設問を書く前に、目的と検証したい仮説を先に言語化する
- 設問設計シートで「目的→仮説→設問→選択肢→集計軸」をつなげ、誘導質問やダブルバーレルを書き換え例と照らして点検する
- 集計結果は属性別に分析し、調査レポートとして公開ページで配布すれば見込み客の反応も把握できる
次にアンケートを作るときは、配信前に設問設計シートを埋めきれるかどうかをチェックリストとして使ってみてください。
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