施工事例の作り方|同意取得から掲載テンプレまで6ステップ

作成日: 2026/09/23 20:51

執筆: DocLead 運営

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この記事の結論

施工事例の作り方は、施主の同意取得と掲載項目テンプレートの徹底が成否を分けます。

施工事例とは

施工事例とは、完成した物件の写真だけでなく「施主の悩み→提案→結果」までを1件ずつ伝える営業コンテンツです。単なる実績一覧ではなく、これから検討する見込み客が「自分の悩みも解決してもらえそうだ」と判断するための材料になります。

似た言葉に「施工実績」がありますが、実績は件数や規模を示す一覧的な情報であるのに対し、施工事例はストーリーと担当者の考え方まで含めた読み物です。工務店・リフォーム会社にとっては、信頼構築とSEOの両方に効く数少ないコンテンツといえます。

その重要性は数値でも裏付けられています。UNIIDEO株式会社が「注文住宅購入者が選ぶ、工務店選びのポイントランキング調査」を実施しました(2022年5月、直近3年以内に注文住宅の購入を決定した人が対象、n=111、インターネット調査)。この調査によると、工務店選びの決め手として「施工事例」を挙げた人が56.8%で最多でした。2位の「性能や構造の紹介」(41.9%)、3位の「お客様の声」(37.8%)を大きく上回っており、施工事例が単独で最も判断材料にされていることがわかります。

この調査結果は、施工事例ページに力を入れることが単なる「あると良いコンテンツ」ではなく、工務店選びの意思決定そのものに直接関わる施策であることを示しています。ホームページの見た目や更新頻度を整えるより先に、施工事例の中身を整えるほうが、問い合わせ数への影響は大きいと考えられます。建設・住宅業界の集客全体の進め方は建設・住宅業界の集客 完全ガイドで整理しています。

施工事例ページ作成でなぜつまずく?

施工事例ページ作成でつまずく課題は、大きく分けて「作れない」「作っても効果が出ない」「更新が止まる」の3つです。

1つ目は、事例そのものはあるのに掲載できないケースです。施主からの掲載同意を取り忘れていたり、施工中の写真をきちんと残していなかったりすると、いざページを作ろうとしても素材が揃いません。同意と撮影は、引き渡しが終わってから思い出すのでは遅く、着工前から計画しておく必要があります。

2つ目は、事例を掲載しても問い合わせにつながらないケースです。工務店のホームページ集客は施工事例を見せるだけでは問い合わせに直結しません。事例ごとに書いてある項目がバラバラだったり、費用帯や工期が書かれていなかったりすると、比較検討している読者は次のアクションに進めません。読者は複数の工務店の施工事例ページを見比べていることが多く、他社に載っている情報が自社のページになければ、その時点で比較対象から外れてしまいます。

3つ目は、公開したものの更新が止まってしまうケースです。新規案件が毎月あるわけではない小規模工務店では、事例が数件のまま何年も放置され、検索順位も信頼感も下がっていきます。

この3つの課題に共通するのは、いずれも「公開直前」ではなく「着工前後」の準備不足が原因になっている点です。ページのデザインや文章の巧拙よりも、同意取得・撮影・項目整理という地味な準備を先に済ませておくかどうかが、施工事例ページの完成度を大きく左右します。

施工事例を作る前に何を準備する?

施工事例を作る前に準備すべきことは、施主への同意取得と撮影計画、そして工事種別ごとの掲載項目の整理です。この3つを着工前後に済ませておくと、後工程がスムーズに進みます。

施主への掲載同意は、範囲を分けて確認するのが基本です。「掲載してよいか」を一括で聞くのではなく、住所(町名までか番地までか非公開か)、施主の顔写真(掲載可・後ろ姿のみ可・不可)、間取り図(詳細な寸法まで出すか概略のみか)の3項目に分けて確認します。範囲を分けずに「掲載OK」とだけ確認すると、公開後に「顔まで出すとは思わなかった」というトラブルにつながりかねません。同意は口頭だけで済ませず、依頼文や同意書などの書面・文面で残しておくと、後から範囲を確認できて安心です。依頼メールの文例や同意書のテンプレートは導入事例の掲載許可の取り方で紹介している考え方が施工事例にも応用できます。

撮影計画は工事の進行に合わせて立てます。リフォーム・外構の場合は施工前(Before)の写真が特に重要で、着工日より前に撮っておかないと二度と撮れません。新築の場合は上棟時・造作工事中・引き渡し直前など、工程ごとに数枚ずつ残しておくと、あとで「施工内容」の説明に使えます。

工事種別によって見せるべき項目も変わります。 新築は間取りと性能(断熱・耐震など)の説明が中心になり、リフォームは施工前後の比較と「何を解決したか」が中心になります。外構は完成後の使い方(駐車のしやすさ、庭の使い勝手など)が中心です。同じテンプレートを使う場合でも、工事種別ごとにどの項目を厚く書くかを事前に決めておくと、執筆時に迷いません。

工事種別ごとの準備項目を整理すると、次のようになります。

工事種別 重点的に準備するもの
新築 間取り図(公開範囲の同意含む)、断熱・耐震などの性能資料、上棟時の写真
リフォーム 施工前(Before)の写真、着工前の悩みのヒアリングメモ、工期の記録
外構 完成後の使い方が伝わる写真(駐車・動線)、施工前の敷地写真

これらの素材は着工が始まってからでは撮り直せないものも多いため、契約時点で「施工事例として使わせてもらえるか」を確認しておくと、準備漏れを防げます。

施工事例ページはどう作る?

施工事例ページの作り方は、次の6ステップで進めます。

  1. 掲載する事例を選ぶ
  2. 施主から掲載同意を得る
  3. 施工前後の写真を撮る
  4. 掲載項目テンプレートに沿って書く
  5. 悪い例→良い例に書き換えて見直す
  6. タイトルと本文に地域名+工事種別を入れて公開する

ステップ1: 掲載する事例を選ぶ

すべての物件を載せる必要はありません。自社が今後獲得したい客層(高級注文住宅なのか、部分リフォームなのか)に合わせて、狙いたい工事種別・価格帯の事例を優先的に選びます。狙う客層と違う事例ばかりが並んでいると、来てほしい問い合わせが増えにくくなります。

ステップ2: 施主から掲載同意を得る

事前準備で決めた範囲(住所・顔・間取り)を、実際の写真・図面を見せながら最終確認します。このタイミングで同意の記録(メールの返信や同意書)を保管しておくと、後日の掲載範囲の食い違いを防げます。

ステップ3: 施工前後の写真を撮る

ビフォーアフターが伝わる構図で撮影します。生活感のある小物(食器や植物など)を残したまま撮ると、完成後の暮らしをイメージしやすくなります。自社スタッフのスマートフォン撮影でも、明るい時間帯に撮る・水平を意識するだけで見え方は大きく変わります。

ステップ4: 掲載項目テンプレートに沿って書く

事例ごとに書く項目がバラバラだと、読者は比較しづらくなります。次の6項目を毎回同じ順番で埋めるテンプレートを使うと、執筆の迷いが減り、読者も比較しやすくなります。

項目 書く内容
工事概要 工事種別・延床面積や施工範囲・着工から引き渡しまでの期間
施主の悩み 依頼のきっかけになった困りごと(例: 「冬場の底冷えが厳しかった」)
提案 悩みに対して自社がどう提案したか(工法・素材・間取りの工夫)
工期と費用帯 実際にかかった工期と、金額そのものではなく「〇〇万円台」といった価格帯
施主の声 引き渡し後の感想(短い引用でよい)
担当者コメント 施工中に工夫した点、苦労した点を担当者自身の言葉で

ステップ5: 悪い例→良い例に書き換えて見直す

同じ事例でも、書き方次第で伝わり方が大きく変わります。テンプレートの6項目が抜けている例と、埋まっている例を比べてみます。以下は説明用の架空の事例です。

悪い例

〇〇邸リフォーム。キッチンとリビングを一体化しました。とても喜んでいただけました。

工事概要も費用帯も書かれておらず、読者は自分の家に当てはめて検討できません。

良い例

〇〇市 リビング・キッチン一体化リフォーム(施工範囲: 1階25㎡、工期: 3週間)

施主の悩み: 対面キッチンにしたいが、既存の壁が構造上の柱に近く、業者数社から「難しい」と断られていた。

提案: 柱を活かしたまま梁で補強し、対面キッチン+リビング一体化を実現。工期中の仮住まい不要で進められるよう工程を調整。

工期と費用帯: 3週間、200万円台後半。

施主の声: 「他社に断られた提案が実現できて驚きました。子どもの様子を見ながら料理できるのが一番うれしいです。」

担当者コメント: 既存の柱を活かす補強方法を提案することで、コストを抑えながら要望を叶えられました。

同じ工事でも、テンプレートの6項目を埋めるだけで「自分の家でもできそうか」を読者が判断できる情報量になります。書き換えのポイントは、金額や工期といった数値を隠さないこと、そして施主の悩みを固有名詞(対面キッチン、底冷え、収納不足など)で具体的に書くことです。「快適になりました」のような曖昧な表現ではなく、施主が実際に使った言葉に近い形で残すと、読み手にとって自分ごととして読みやすくなります。

ステップ6: タイトルと本文に地域名+工事種別を入れて公開する

施工事例は「〇〇市 キッチンリフォーム」のように地域名+工事種別で検索されることが多いコンテンツです。タイトルと見出しに施工地域と工事種別を必ず入れて公開します。工務店の集客は資料ダウンロード導線と組み合わせると反響を増やしやすくなります。事例ページの下に関連する資料への導線を置いておくと、事例を読んで興味を持った読者を次のアクションにつなげられます。

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施工事例作成でつまずきやすいポイントとは?

施工事例作成でつまずきやすいポイントは、同意の範囲を超えて公開してしまうことと、事例ごとに項目が揃っていないことです。

同意なしで顔・住所・間取りを公開してしまうのは最も避けたいリスクです。 顔写真の掲載には肖像権、間取り図や外観の詳細な公開には個人情報保護の観点が関わります。事前準備で確認した範囲(住所は町名までか、顔は掲載可かなど)を超えて公開しないよう、公開前に同意内容と掲載内容を突き合わせて確認します。判断に迷う場合は、自己流で進めず、所属する業界団体や顧問弁護士など専門家の最新のルールを確認してください。

工事種別で見せる項目を揃えていないと比較されにくくなります。 新築とリフォームが混在するサイトで、新築だけ性能情報が詳しく、リフォームだけ費用帯が抜けている、といった状態だと、読者は「この工務店は何が得意なのか」を判断しづらくなります。ステップ4のテンプレートを工事種別ごとに使い分け、抜けがないようにします。

社内のチェック体制がないまま公開してしまうのもリスクの1つです。 現場担当者が個人の判断で写真や原稿をアップロードできる体制だと、同意範囲の確認漏れに気づかないまま公開されてしまうことがあります。公開前に責任者が同意内容と掲載内容を突き合わせる、というひと手間を運用ルールに組み込んでおくと安全です。

費用帯を書かずに離脱させてしまうのもよくある失敗です。 金額を出すことに抵抗があっても、「〇〇万円台」という価格帯だけでも書いておくと、読者は自分の予算感と照らし合わせて次に進めるかどうかを判断できます。

写真の使い回しにも注意が必要です。 チラシや紙のパンフレットで使う許可しか取っていない写真をそのままWebに転用すると、同意の範囲を超えてしまいます。紙とWebでは閲覧できる人数も範囲も異なるため、媒体ごとに使ってよい範囲を施主に確認しておくと安全です。

商業施設や土木工事など発注者が企業・自治体になる案件も、基本の考え方は同じです。 施主の悩みや施主の声にあたる部分は発注担当者へのヒアリングに置き換わり、写真の公開範囲も施設の防犯上の理由から外観の一部しか出せないケースがあるため、住宅向けの案件以上に事前確認を丁寧に行います。

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施工事例を効率よく増やすコツは?

施工事例を効率よく増やすコツは、更新の目安を決めることと、テンプレートを使い回して1件あたりの作成時間を短くすることです。

新規案件が毎月あるとは限らない小規模工務店では、「月に1件」など高い頻度を目標にすると続きません。まずは「四半期に1件は新規事例を追加する」など無理のない目安を立て、新規事例がない期間は既存事例に写真や施主の声を追記してリライトする方法で鮮度を保ちます。古い事例のまま放置するより、既存の6項目を見直して情報を厚くするほうが省力で効果が出やすい傾向があります。

ステップ4のテンプレートを使い回すと、執筆のたびに構成を考える手間が減り、1件あたりの作成時間を短縮できます。写真の撮り方・原稿の型が決まっていれば、担当者が変わっても品質がばらつきにくくなる点もメリットです。

事例が増えてきたら、Webページとして1件ずつ公開するだけでなく、複数の事例を1つのPDFにまとめた「施工事例集」を作る方法もあります。来場前の検討客の中には、Webページを流し読みするだけでなく、複数の事例をまとめて手元で見比べたいという人も少なくありません。DocLead のように、PDFをアップロードするとリード獲得フォーム付きの公開ページが作れるサービスを使うと、施工事例集をダウンロード資料として見込み客に渡し、ダウンロードした人の情報を確認できるようになります。

リフォーム会社の集客方法でも触れているとおり、施工事例集のような資料は、来場前の検討段階にある見込み客との接点を作る手段としても使えます。

よくある質問

施工事例ページは何件から始めればよい?

まずは3〜5件から始めるのが現実的です。工事種別ごと(新築・リフォーム・外構)に少なくとも1件ずつあると、どの工事も依頼できることが伝わります。件数を増やすより、1件あたりの情報量(テンプレートの6項目が埋まっているか)を優先します。

施主に断られたらどうする?

掲載を断られた場合は、住所や顔を伏せた形での掲載や、実名を出さない「〇〇市 T様邸」のような表記に変更できないか相談してみます。それでも難しい場合は無理に掲載せず、別の事例で補います。同意を得ていない事例を公開するのは避けてください。

費用帯を出すと安く見られない?

価格帯を出すことで安売りに見えると懸念する担当者もいますが、実際には金額の見当がつかないことのほうが離脱の原因になりやすい傾向があります。「〇〇万円台〜」のような幅のある書き方にすれば、詳細な見積もりを出さずに読者の予算感との擦り合わせができます。

写真は自分で撮ってもいい?

スタッフによる撮影でも構いません。明るい時間帯に撮る、水平を意識する、生活感のある小物を残すといった基本を押さえるだけで見え方は大きく変わります。表に出す代表写真だけプロに依頼し、それ以外は自社で撮影するという使い分けも現実的です。

施工事例と導入事例(BtoB)の作り方は違う?

工事種別ごとの項目整理や施主の同意取得といった手順は共通しますが、BtoBの導入事例の作り方では取材相手が企業の担当者になり、掲載許可の取得先も個人ではなく企業になる点が異なります。住宅向けの施工事例は個人の施主が対象になるため、本記事で扱った同意の範囲(住所・顔・間取り)への配慮がより重要になります。

まとめ

  • 施主への掲載同意は、住所・顔・間取りを分けて確認し、記録に残す。
  • 掲載項目テンプレート(工事概要・施主の悩み・提案・工期と費用帯・施主の声・担当者コメント)を工事種別ごとに揃えて使う。
  • 更新の目安を決め、新規事例がない期間は既存事例のリライトで鮮度を保つ。

施工事例ページはデザインの作り込みより、同意取得とテンプレートの徹底のほうが問い合わせへの影響が大きい施策です。まずは直近の1〜3件を選び、同意取得から着手してみてください。

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