PEST分析のやり方|4要素と手順を解説

作成日: 2026/08/12 23:26 ・ 更新日: 2026/09/08 00:00

執筆: DocLead 運営

マーケティング基礎の記事一覧へ

この記事の結論

PEST分析のやり方は政治・経済・社会・技術の4要素で外部環境を洗い出し、自社への影響度で絞り込むことが要です。

「PEST分析をやってみたが、事実を並べただけで終わってしまった」という声はよく聞きます。政治・経済・社会・技術の動向を調べること自体は難しくありません。問題は、調べた情報を自社の戦略にどうつなげるかが分からないまま止まってしまうことです。この記事では、PEST分析の4要素の見方から情報源の探し方、具体的な手順、そして3C分析やSWOT分析への接続方法までを解説します。関連するBtoBマーケティング用語はBtoBマーケティング用語集でまとめて確認できます。

PEST分析でつまずきやすいポイントの整理

PEST分析でよくある失敗は、ニュースや白書の情報を箇条書きで並べただけで終わることです。マクロ環境の変化を「知っている」状態と、それが自社の事業にどう影響するかを「言語化できている」状態は別物です。

もう一つの失敗パターンは、対象範囲が曖昧なまま着手することです。PEST分析はマクロ環境(自社の努力だけでは変えられない外部要因)を扱うフレームワークですが、業界や市場の範囲を決めずに始めると、情報収集が際限なく広がり、どの情報が重要か判断できなくなります。

これらを避けるには、着手前に「何のためにPEST分析をするのか」という目的と、「どの事業・市場を対象にするのか」という範囲を先に固めておくことが重要です。新規事業の立ち上げなのか、既存事業の中期計画なのかによって、注目すべき変化の種類も変わります。目的に応じた調査の広げ方は新規事業の市場調査、やり方の手順でも扱っているので、あわせて参考にしてください。

分析を始める前の事前準備

本格的な情報収集に入る前に、対象範囲と時間軸、情報源の候補を決めておくと、分析がぶれにくくなります。

  • 対象事業・市場を1つに絞る:複数事業を同時に扱うと要因が混ざり、影響の大きさを比較できなくなります。
  • 時間軸を決める:3年後を見る中期計画向けの分析か、10年単位の構造変化を見る新規事業向けの分析かで、集める情報の種類が変わります。
  • 情報源の候補をリストアップする:官公庁の統計、業界団体のレポート、新聞・専門メディア、法改正情報などをあらかじめ洗い出しておくと、収集段階で迷いません。

これらを決めずに始めると、後から「そもそも何を調べればよいのか」に立ち返る手戻りが発生しやすくなります。事前準備は5〜10分でも構わないので、必ず言語化してから次のステップに進みましょう。

PEST分析の手順

PEST分析は「4要素ごとの情報収集」「自社への影響度評価」「機会・脅威への分類」の3段階で進めます。

手順1. 4要素それぞれの情報を収集する

政治(Politics)・経済(Economy)・社会(Society)・技術(Technology)の4要素ごとに、変化の兆しとなる情報を集めます。それぞれの観点は次の通りです。

要素 主な観点 情報源の例
政治(Politics) 法改正、規制緩和・強化、税制、政権交代、業界ガイドライン 官公庁の白書、業界団体の発表、法令データベース
経済(Economy) 景気動向、為替、金利、賃金水準、原材料価格 政府統計、日銀短観、業界団体の市場規模レポート
社会(Society) 人口動態、価値観の変化、働き方、消費行動のトレンド 総務省統計、意識調査、専門メディアの特集記事
技術(Technology) 新技術の普及、代替技術の登場、技術標準の変化 業界専門誌、特許動向、大手企業のプレスリリース

情報を集める際は、出典が明確な一次情報(官公庁統計や業界団体の公式発表)を優先します。個人の見解や根拠不明な予測を事実として扱うと、後の判断を誤らせる原因になります。

4要素は互いに影響し合うことも多く、たとえば法改正(政治)が新技術の普及(技術)を後押しする、というように単独では捉えきれない変化もあります。情報を集めながら「この変化は他の要素とどう関係しているか」を意識すると、より立体的な環境把握につながります。

手順2. 自社事業への影響度を評価する

集めた情報をそのまま並べるのではなく、それぞれが自社事業にどう影響するかを短い文章で書き添えます。「影響が大きい・小さい」「時間軸が近い・遠い」の2軸で整理すると、次のステップで優先順位をつけやすくなります。

たとえば「30代の可処分所得が伸び悩んでいる」という経済要因だけでは分析になりません。「自社のターゲット層の購買意欲が下がり、単価を維持した施策では反応が落ちる可能性がある」まで踏み込んで書くことで、初めて戦略材料になります。

手順3. 機会と脅威に分類する

影響度を評価した項目を、自社にとっての「機会(追い風になる変化)」と「脅威(逆風になる変化)」に分類します。同じ変化でも事業モデルによって機会にも脅威にもなり得るため、自社の立ち位置を前提に判断することが重要です。

この分類ができれば、PEST分析は単なる環境調査ではなく、次の戦略検討につながる材料になります。

マーケティングフレームワーク図解集 の表紙

全 18 ページ!定番 8 フレームワークを図で理解できる

マーケティングフレームワーク図解集

  • 3C・PEST・5フォースなど 8 つを図解
  • 枠ごとに何を書き込むかが分かる
  • 使う順番とつながり方
無料でダウンロード

つまずきポイントと対処法

PEST分析でよくあるつまずきと、その対処法を整理します。

  • 情報収集が終わらない:4要素すべてを網羅しようとすると際限なく広がります。事業への影響が大きそうな項目から優先的に深掘りし、影響が薄いと判断した項目は簡潔にまとめて次に進みましょう。
  • 要素の分類に迷う:ある変化が政治要因か経済要因か判断に迷う場合があります。厳密な仕分けにこだわりすぎず、「どの観点で見た情報か」がチーム内で共有できていれば十分です。
  • 「なので何をすべきか」まで辿り着かない:分析結果を眺めるだけで終わるケースです。次章で触れる3C分析・SWOT分析への接続を前提に手順を進めると、この壁を越えやすくなります。
  • 参加者によって重要度の判断がばらつく:同じ情報でも、営業担当と経営企画担当では「機会か脅威か」の判断が分かれることがあります。分析は個人ではなく複数人で行い、判断が割れた項目はその場で理由をすり合わせておくと、後工程での認識齟齬を防げます。
  • 情報が古いまま更新されない:一度作った分析結果を使い回し続けると、法改正や市場動向の変化を反映できないまま古い前提で意思決定してしまうリスクがあります。作成日を明記し、次に見直すタイミングをあらかじめ決めておくことが有効です。

分析を打ち手につなげる:3C分析・SWOT分析との接続

PEST分析はマクロ環境(外部要因)を捉えるためのフレームワークであり、それ単体では打ち手までたどり着きません。自社の戦略に落とし込むには、他のフレームワークと組み合わせる必要があります。

PEST分析で洗い出した機会・脅威は、3C分析のやり方における「市場・顧客(Customer)」の外部環境インプットとして活用できます。3C分析は自社(Company)・競合(Competitor)・顧客(Customer)の3視点で戦略を整理するフレームワークで、PEST分析の結果を顧客視点の変化として反映させることで、より解像度の高い分析になります。

さらに、PEST分析の機会・脅威と、3C分析やSWOT分析で洗い出した自社の強み・弱みを掛け合わせることで、「外部環境の変化に対して自社の強みをどう活かすか」という具体的な打ち手が見えてきます。STP分析とは|3ステップと進め方で扱うセグメンテーション・ターゲティングの検討時にも、PEST分析で洗い出したマクロ環境の変化は重要な前提情報になります。

分析結果を社内で共有する際は、調べた情報と評価をそのまま議事録に残すだけでなく、資料としてまとめておくと、後から見返した際に判断の根拠を追いやすくなります。DocLeadはPDFをアップロードするだけでリード獲得フォーム付きの共有ページを発行できるツールで、社内向けの分析資料を関係者に配布・確認してもらう用途にも活用できます。

PEST分析を効率化するヒント

分析を毎回ゼロから進めると時間がかかるため、次のような工夫で効率化できます。

  1. 4要素ごとの情報源リストをテンプレート化する:一度整理した情報源リストを社内で共有し、次回以降の分析で使い回します。
  2. 定点観測の仕組みを作る:業界団体のレポートや統計の更新タイミングをあらかじめ把握しておき、定期的にチェックする習慣をつけると、都度ゼロから調べ直す手間が減ります。
  3. 他部門との分業を検討する:法務が政治要因、経営企画が経済要因というように、既存の業務知見がある部門に一次情報の収集を分担してもらうと、精度と速度の両方が上がります。

PEST分析は一度実施して終わりではなく、事業計画の見直しタイミングで定期的に更新することで価値が持続します。仕組み化しておくことで、次回以降の分析にかかる負担を大きく減らせます。

また、分析結果は担当者の頭の中や個人のメモに留めず、共有できる形に残しておくことも重要です。次回の分析担当者が変わっても、過去の判断根拠と情報源を追える状態にしておけば、ゼロから調べ直す手間を避けられます。特に法改正や技術動向のように継続的に追う必要がある項目は、更新履歴を残しておくと変化の速度そのものも把握しやすくなります。

手元の PDF が、30秒後にはリード獲得フォームに。

  • PDF をアップロードするだけで、フォーム付きの公開ページが完成
  • ダウンロードした人の連絡先が、リードとして自動で貯まる
  • 無料プランのまま公開もリード獲得も試せる
無料で始める

クレジットカードの登録は不要です。

サービス紹介資料 の表紙

実物の公開ページで、フォームの体験もできる

DocLead サービス紹介資料

  • アップロードから公開までの3ステップ
  • リード一覧・CSV・ダッシュボードの実画面
  • 料金プランとよくある質問
資料をダウンロード