チャーンレートとは?種類と計算式、下げ方を解説
作成日: 2026/07/22 20:28 ・ 更新日: 2026/09/08 00:00
執筆: DocLead 運営
この記事の結論
チャーンレートとは一定期間に失った顧客や売上の割合で、顧客数ベースと売上ベースを分けて見ることが前提になります。
「新規獲得は順調なのに、なぜか売上が思うように伸びない」。サブスクリプション型のビジネスでよくある悩みの背景には、解約による顧客・売上の流出が隠れていることが多くあります。この流出を数値化する指標がチャーンレートです。本記事ではチャーンレートの意味・種類・計算式から、下げるための具体的な考え方までを整理します。
チャーンレートとは
チャーンレート(Churn Rate)とは、一定期間内に解約・離脱した顧客や売上の割合を示す指標です。日本語では「解約率」と訳されることが多く、サブスクリプション型のSaaSやサービスで重視されます。
チャーンレートが注目される理由は、新規獲得数だけを見ていると事業の実態を見誤るためです。毎月100件の新規契約があっても、同じ月に80件解約していれば、実質的な成長はわずか20件にとどまります。新規獲得(獲得効率)と解約防止(定着率)は、事業成長を支える両輪です。SaaSマーケティングの一気通貫ファネルを解説した記事でも触れているとおり、集客・獲得だけでなく継続の設計まで見渡すことが重要です。
チャーンレートには複数の種類があり、何を基準に計算するかによって数値の意味が変わります。次章で具体的に見ていきます。関連するマーケティング用語はBtoBマーケティング用語集でも整理しています。
チャーンレートの種類と計算式
チャーンレートは大きく「カスタマーチャーンレート」と「レベニューチャーンレート」の2つに分けられます。どちらを見るかで、事業の課題が違って見えることがあります。
カスタマーチャーンレート(顧客数ベース)
カスタマーチャーンレートは、解約した顧客数の割合を示す指標です。契約者数の増減をシンプルに把握したいときに使います。
カスタマーチャーンレート(%)= 期間内の解約顧客数 ÷ 期間開始時点の顧客数 × 100
例えば、月初に500社が契約しており、その月に15社が解約した場合、カスタマーチャーンレートは15 ÷ 500 × 100 = 3%になります。
レベニューチャーンレート(売上ベース)
レベニューチャーンレートは、顧客数ではなく売上(収益)を基準に計算する指標です。単価の異なるプランが複数ある場合、顧客数だけでは事業への影響を正しく把握できないため、売上ベースの指標が補完的に使われます。
レベニューチャーンレート(%)= 期間内に失った売上 ÷ 期間開始時点の売上 × 100
レベニューチャーンレートはさらに2種類に分けて考えるのが一般的です。
- グロスレベニューチャーンレート:解約とダウングレードによる売上減少のみを対象にした指標
- ネットレベニューチャーンレート:解約・ダウングレードによる減少から、既存顧客のアップグレードによる増加分を差し引いた指標
ネットレベニューチャーンレートは、既存顧客の売上拡大(アップセル・クロスセル)を含めて計算するため、値がマイナスになる(=既存顧客だけで売上が増えている)こともあります。アップセル・クロスセルの考え方はアップセルとクロスセルの違いを解説した記事でも整理しています。
チャーンレートを追う意味
チャーンレートを継続的に追う最大の意味は、事業の持続可能性を数値で判断できる点にあります。新規獲得のコストと解約による損失を照らし合わせることで、投資対効果を正しく評価できます。
顧客獲得には一定のコストがかかります。獲得したばかりの顧客が短期間で解約してしまうと、そのコストを回収できないまま損失になります。チャーンレートが高いままだと、いくら新規獲得を強化しても事業全体の売上は積み上がりにくくなります。顧客獲得コストについてはCACの計算方法を解説した記事で詳しく扱っています。
一方で、チャーンレートは低ければ低いほど良いとは一概には言えません。事業のフェーズや顧客層によって妥当な水準は異なるため、自社の過去データとの比較や、同業他社の一般的な傾向を参考にしながら、継続的に改善していく指標として捉えるのが実務的です。
チャーンレートを下げる方法
チャーンレートを下げるには、解約の兆候を早期に捉える仕組みと、顧客が価値を実感し続けられる状態を維持する施策の両方が必要です。
代表的なアプローチは次のとおりです。
- オンボーディングの強化:契約直後に使い方でつまずくと早期解約につながりやすいため、初期設定や活用方法を丁寧に案内する
- 利用状況のモニタリング:ログイン頻度や機能利用率の低下は解約の予兆になりやすいため、早めに検知してフォローする
- カスタマーサクセスの体制構築:顧客が成果を実感できるよう能動的に支援する。詳しくはカスタマーサクセスの進め方を解説した記事を参照してください
- 顧客生涯価値(LTV)を意識した優先順位付け:全顧客に均等にリソースを割くのではなく、影響度の大きい顧客から対応する。LTVの考え方はLTVガイドにまとめています
リード段階の期待値調整という見落とされがちな解約予防策
解約の原因は、契約後の対応だけでなく、契約前の「期待値のズレ」にあることも少なくありません。営業資料やホワイトペーパーで製品の機能・適用範囲・導入後の流れを事前に丁寧に説明しておくと、契約後に「思っていたものと違った」というギャップが生まれにくくなります。
これは営業活動の初期段階、つまりリード獲得の時点から始められる解約予防策です。資料をダウンロードした見込み顧客に対して、機能や制約を正確に伝える情報を用意しておくことは、契約後のミスマッチによる早期解約を減らす地道な対策になります。DocLead はPDFの資料をアップロードするだけでリード獲得フォーム付きの共有ページを発行できるツールで、こうした事前の情報提供を仕組み化する手段の一つになります。
チャーンレートの改善は、解約が起きた後の対応だけでなく、リードの段階からの情報設計まで含めて考えることで、より効果を発揮しやすくなります。
よくある質問
チャーンレートの目安はどれくらいですか。
業界やビジネスモデルによって大きく異なるため、一概に「良い数値」を断定するのは難しい部分があります。一般的な傾向として、契約単価や顧客層によって許容される水準は変わるとされるため、自社の過去実績との比較や改善トレンドを重視するのが実務的です。
チャーンレートとリテンションレート(継続率)は何が違いますか。
リテンションレートは「継続した割合」、チャーンレートは「解約した割合」を示す指標で、単純にはリテンションレート(%)=100-チャーンレート(%)という関係になります。どちらを主指標にするかは組織の文化やレポートの見せ方の問題で、意味する内容は表裏一体です。
カスタマーチャーンレートとレベニューチャーンレートはどちらを見るべきですか。
両方を併用するのが基本です。カスタマーチャーンレートは顧客数の増減、レベニューチャーンレートは売上への影響を示すため、片方だけでは見落としが生まれます。特に単価の異なるプランを複数展開している場合は、レベニューチャーンレートを重視すると事業への影響を正確に把握しやすくなります。
チャーンレートを下げるためにまず着手すべきことは何ですか。
まずは自社のチャーンレートを正確に計測し、解約理由を分類することから始めるのが一般的です。オンボーディング起因なのか、価格起因なのか、期待値のズレ起因なのかによって、有効な打ち手は変わります。
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