解約率の計算方法|月次/年次・Excel算出手順

作成日: 2026/07/22 20:38 ・ 更新日: 2026/09/08 00:00

執筆: DocLead 運営

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この記事の結論

解約率の計算方法は、期間内の解約数を期首の顧客数で割る式が基本で、期中の新規を分母に含めない点が要注意です。

「解約率を計算したいが、どの期間・どの母数で出せばよいか分からない」という声はよく聞かれます。計算式自体はシンプルですが、月次と年次のどちらを使うか、顧客数ベースと売上ベースのどちらで見るかによって数値が変わり、比較に使えなくなることもあります。この記事では、解約率の計算方法を、月次/年次・顧客数ベース/売上ベースの実務的な計算例と、Excelでの算出手順に絞って解説します。解約率という概念そのものの解説はチャーンレートとは?種類と計算式、下げ方を解説で扱っているので、用語の整理から知りたい場合はあわせてご覧ください。関連するマーケティング用語はBtoBマーケティング用語集|基本用語60選をカテゴリ別に解説にまとめています。

課題の整理

解約率の計算でつまずく理由の多くは、「計算式は知っているが、自社のデータにどう当てはめるか分からない」という点にあります。特に、期間の取り方(月初と月末、どちらの顧客数を使うか)や、新規契約と解約が同時期にあった場合の扱いを誤ると、実態とずれた数値になります。

また、顧客数ベースの解約率と売上ベースの解約率は、同じ期間でも異なる数値になります。単価の高い顧客が解約すると、顧客数ベースの解約率は低くても売上ベースの解約率は大きく悪化する、といったケースがあるためです。両方を使い分けて計測する必要があります。

事前準備

計算を始める前に、次のデータを揃えておきます。

  • 期間開始時点の顧客数(または契約数)
  • 期間終了時点までに解約した顧客数
  • 期間開始時点の売上(MRR・ARRなど、契約金額の合計)
  • 期間中に解約した顧客の売上合計

BtoB SaaSのように月額契約が中心の事業では、月次のMRR(月次経常収益)ベースで管理していると計算が容易になります。SaaS事業のマーケティング全体の設計についてはSaaSマーケティングでファネル全体の考え方を解説しています。

年度単位で事業計画を立てている場合は、年間契約数・年間売上のデータも合わせて用意しておくと、月次と年次の両方をすぐに算出できます。データの粒度が期間ごとに揃っていないと、後から集計をやり直す手間が発生するため、最初にフォーマットを統一しておくことが効率化につながります。

顧客数・売上ともに、CRMや請求システムから期間ごとにエクスポートできる状態にしておくと、Excelでの集計がスムーズです。

解約率の計算手順

1. 顧客数ベースの月次解約率を計算する

最も基本的な計算式は次の通りです。

顧客数ベース解約率(%) = 期間中の解約顧客数 ÷ 期間開始時点の顧客数 × 100

たとえば月初の契約数が100件、月中に3件解約した場合、解約率は3÷100×100=3%です。分母を「期間開始時点」の顧客数に固定することがポイントで、期間終了時点の顧客数を使うと、新規獲得分が混ざり数値が不正確になります。

2. 売上ベースの月次解約率を計算する

売上ベース解約率(%) = 期間中に解約した顧客の売上合計 ÷ 期間開始時点の売上合計 × 100

たとえば月初のMRRが500万円で、解約した顧客の合計売上が20万円だった場合、解約率は20÷500×100=4%です。顧客数ベースより高い数値になっている場合、単価の高い顧客が解約している可能性を示しています。

3. 年次解約率に換算する

年次の解約率を月次の数値からそのまま12倍すると、複利的な減少を考慮できず実態より高く出ることがあります。より実態に近い年次換算には、次の計算式を使います。

年次解約率(%) = 1 − (1 − 月次解約率)^12

たとえば月次解約率が3%の場合、1−(1−0.03)^12を計算すると約34%になります。単純に3%×12=36%とした場合よりやや低い数値になる点に注意してください。

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4. Excelで算出する

Excelでの算出は、次の列構成にすると集計しやすくなります。

  1. A列:対象月
  2. B列:月初契約数
  3. C列:月中解約数
  4. D列:解約率(=C2/B2*100のように計算)

年次解約率を求める場合は、月次解約率のセルを参照し =1-(1-D2/100)^12 のような数式を使えば自動計算できます。複数月分を並べれば、月ごとの推移を折れ線グラフで可視化することも容易です。

つまずきポイント

計算実務では、次の点でつまずきやすいので注意してください。

  • 期間の途中で契約・解約した顧客の扱い:月の途中で契約し同じ月に解約した顧客を分母に含めるかどうかは、社内で計算ルールを統一しておく必要があります。ルールが揺れると月ごとの比較ができなくなります。
  • ダウングレードの扱い:契約自体は継続しているがプランを下げた顧客は、解約(カスタマーチャーン)には含まれませんが、売上ベースの解約率(レベニューチャーン)には反映させるのが一般的です。
  • 母数のズレ:分母を期間開始時点で固定し忘れると、新規獲得の影響で解約率が実態より低く見えることがあります。計算のたびに分母の定義を確認しましょう。
  • 年次換算の単純合計:前述の通り、月次を単純に12倍すると実態より高い数値になりがちです。複利の考え方を使った換算式を用いるとより正確です。
  • 休止・一時停止の扱い:一定期間だけ利用を止める休止プランがある場合、解約とみなすか継続とみなすかで数値が変わります。契約形態に応じてあらかじめ定義しておきましょう。

効率化のヒント

毎月手作業で解約率を計算していると、データ抽出から数式入力までに時間がかかります。Excelのテンプレートをあらかじめ用意し、契約数・解約数を貼り付けるだけで自動計算される状態にしておくと、月次のレポーティング工数を減らせます。

また、解約率の改善には、解約の予兆を早期につかむことも重要です。解約前に顧客が資料やヘルプ情報をどの程度参照しているかは、事前の期待値調整の材料になります。営業資料・案内資料の効果を数値で把握したい場合は、営業資料の効果測定方法で計測の考え方を紹介しています。DocLeadのようにPDF資料をアップロードするだけで公開ページとPV計測を発行できるツールを使えば、解約防止に使う案内資料がどの程度読まれているかを、専門知識なしに把握できます。

なお、解約率と対になる指標として顧客獲得コスト(CAC)があります。解約率が高いままCACの高い獲得を続けると、投資回収が難しくなります。CACの計算方法はCACとは?計算方法とLTVとの関係を解説で解説しているので、解約率とあわせて確認することをおすすめします。

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