AIDMAとAISASの違い|各ステップと使い分け

作成日: 2026/08/12 23:27 ・ 更新日: 2026/09/08 00:00

執筆: DocLead 運営

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この記事の結論

AIDMAとAISASの違いは検索と共有を含むかどうかで、インターネット以降の購買行動を説明するのがAISASです。

マーケティング施策を組み立てる際、「AIDMAで考えるべきか、AISASで考えるべきか」で迷う担当者は少なくありません。どちらも顧客が購買に至るまでの心理・行動プロセスを表すモデルですが、想定している購買環境が違います。この記事では両モデルの各ステップの意味と生まれた背景を整理し、BtoBの現場でどう使い分ければよいかを解説します。

AIDMAとは何か

AIDMAは、顧客が商品を認知してから購買に至るまでの5段階を表す購買行動モデルです。マス広告時代に確立された考え方で、店頭で購入する消費行動を前提にしています。

  • Attention(注意):広告やニュースで商品・サービスの存在を知る段階
  • Interest(興味):自分に関係があるかもしれないと関心を持つ段階
  • Desire(欲求):欲しい、使ってみたいという欲求が芽生える段階
  • Memory(記憶):欲求を記憶に留め、購入のタイミングを待つ段階
  • Action(行動):実際に店舗やカタログで購入する段階

AIDMAの特徴は、Desireの後にMemory(記憶)という段階を挟んでいる点です。テレビCMや雑誌広告を見た顧客が、その場で購入せず後日店頭で思い出して買う、という当時の購買行動を反映しています。AIDMAは20世紀初頭にアメリカで提唱されたとされる古典的なモデルで、その後日本でも小売・消費財のマーケティングを説明する枠組みとして広く使われてきました。インターネットが普及する前の時代は、顧客が能動的に情報を集める手段が限られていたため、「広告で認知させ、記憶に残し、店頭で思い出させる」という一方向の流れが現実に即していました。

AISASとは何か

AISASは、インターネットの普及によって生まれた購買行動モデルです。顧客が能動的に情報を検索し、購入後の感想を発信するという行動を組み込んでいる点がAIDMAと大きく異なります。

  • Attention(注意):SNSや広告で商品・サービスを知る段階
  • Interest(興味):関心を持ち、もっと知りたいと感じる段階
  • Search(検索):検索エンジンやSNSで商品名・口コミを自ら調べる段階
  • Action(行動):比較検討のうえで購入する段階
  • Share(共有):購入後の感想をSNSやレビューサイトに投稿する段階

AIDMAのMemory(記憶)がSearch(検索)に置き換わり、さらに購入後のShare(共有)が新たに加わっています。顧客が検索して能動的に情報収集し、購入後は発信者にもなる、という現在のオンライン行動を捉えたモデルです。AISASは日本の広告代理店が2000年代半ばに提唱したとされ、検索エンジンとSNSが普及した環境を前提にしている点でAIDMAとは出自が異なります。

AIDMAとAISASの違いを比較する

両モデルの違いは、どの購買環境を前提にしているかに集約されます。

項目 AIDMA AISAS
提唱時期・背景 マス広告時代(店頭購買が中心) インターネット普及後
ステップ数 5段階 5段階
検討段階の行動 Memory(記憶して待つ) Search(自ら検索する)
購入後の行動 モデルに含まれない Share(感想を発信する)
顧客の能動性 受動的(情報を受け取る) 能動的(情報を探しにいく)
向いている商材 店頭購買・衝動買いが多い消費財 検索・比較検討を経て買う商材全般

最大の違いは、顧客を「情報を受け取って記憶する存在」と見るか、「自ら検索して発信もする存在」と見るかです。AISASは検討段階(Search)と購入後の段階(Share)の両方をモデル化しており、マーケティングファネルにおける検討〜購入後のフェーズを詳細に描写できる点が特徴です。

もう一点見落とされがちな違いは、施策の評価方法です。AIDMAは「広告への接触量」や「店頭での想起」が指標の中心になりやすいのに対し、AISASは検索キーワードの流入数やSNSでの言及数など、顧客の能動的な行動をデジタルで直接観測できる点が異なります。オンライン施策の比重が高い企業ほど、AISASの各段階を数値で追いやすいというメリットがあります。

BtoBマーケティングでの使い分け方

BtoBの購買行動は、多くの場合AISASに近い形をたどります。担当者は課題を認識すると自らインターネットで情報収集し、比較検討を経て社内稟議にかけるため、Search(検索)の段階が特に長く重要になります。

一方で、AIDMAの発想が完全に不要になるわけではありません。展示会やセミナーで初めて自社を知ってもらう段階(Attention・Interest)は、AIDMA的な「認知させて興味を持たせる」設計がそのまま活きます。BtoBの検討プロセスは複数の意思決定者が関わり単純な直線では進まないため、カスタマージャーニーマップを使ってAISASの各段階を自社の商談フローに当てはめると、施策の抜け漏れを発見しやすくなります。

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実務では、認知施策の設計にAIDMA的な視点(誰にどう気づいてもらうか)を使い、検索〜比較検討〜共有の施策にAISASの視点(検索されたときに何を見せるか、購入後どう発信してもらうか)を使う、というハイブリッドな使い方が現実的です。たとえば検討段階の担当者が検索してたどり着いた先にホワイトペーパーを用意しておけば、Search段階の情報収集ニーズに直接応えられます。DocLeadのようなツールでPDF資料をアップロードするだけでリード獲得フォーム付きの共有ページを発行しておけば、検索から流入した見込み客をその場でリード化する導線を素早く作れます。

AIDMA・AISASを実務に落とし込む始め方

モデルを理解するだけでは施策にはつながりません。次の手順で自社の購買プロセスに当てはめていきます。

  1. 自社の主要商材がどちらのモデルに近いか仮説を立てる:店頭・即決型の商材はAIDMA寄り、検討期間が長くオンラインで情報収集する商材はAISAS寄りです。BtoBの多くは後者に該当します。
  2. 各ステップに現在の施策をマッピングする:Attention(広告・展示会)、Interest(SNS・メルマガ)、Search(SEO記事・比較サイト対策)、Action(商談・見積)、Share(事例化・口コミ促進)のように、既存施策をステップごとに整理します。
  3. 手薄なステップを特定する:多くの企業はAttentionとActionには施策があっても、Search段階の受け皿(検索されたときに見つかる情報)やShare段階の施策(発信の後押し)が手薄になりがちです。
  4. 手薄なステップに施策を追加する:Search段階なら検索意図に応えるSEO記事やホワイトペーパーの拡充、Share段階なら導入事例のインタビューや口コミ依頼の仕組み化が効果的です。

自社のBtoBマーケティング全体の設計を見直す際は、まずAISASの5段階に沿って現状の施策を棚卸しし、どのステップが弱いかを可視化するところから始めると、次に着手すべき施策が明確になります。用語の理解に不安があればBtoBマーケティング用語集で関連用語をあわせて押さえておくと、部門間の議論がスムーズになります。

棚卸しの際は、営業部門にもヒアリングすると精度が上がります。マーケティング部門が把握している施策はAttentionやInterest段階に偏りがちですが、実際の商談ではSearch段階での比較検討やAction段階での稟議対応が受注可否を左右することが多いためです。部門をまたいで各ステップの実態を突き合わせることで、施策の抜け漏れだけでなく、部門間の認識のズレも同時に洗い出せます。

よくある質問

AIDMAとAISASのどちらか一方だけを使うべきですか。

どちらか一方に絞る必要はありません。認知段階の設計にはAIDMAの発想、検討〜購入後の設計にはAISASの発想が向いています。商材や顧客層によって重視する段階を柔軟に使い分けるのが実務的です。

AISAS以外に新しい購買行動モデルはありますか。

SNS時代の行動を表すAISCEAS(検索の後にComparison=比較、Examination=検討を加えたモデル)など派生モデルも存在します。ただし基本の考え方はAISASと共通しており、まずAIDMA・AISASの違いを理解することが土台になります。

BtoBでShare(共有)の段階はどう設計すればよいですか。

BtoBでは個人がSNSで発信するケースは少なく、代わりに導入事例のインタビューや第三者のレビューサイトへの投稿依頼が「共有」に相当します。購入後の満足度が高いタイミングで働きかけると協力を得やすくなります。

モデルのどの段階から施策を見直せばよいですか。

まずSearch段階を優先することをおすすめします。BtoBの検討期間は長く、担当者は複数回にわたって検索・比較を行うため、この段階の受け皿が薄いと他の段階にどれだけ投資しても機会を取りこぼしやすくなります。Search段階の施策を整えたうえで、Attention・Share段階へ順に広げていくと投資対効果を検証しやすくなります。

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