受注率を上げる方法|計測から資料改善まで5手順

作成日: 2026/07/22 10:23 ・ 更新日: 2026/09/08 00:00

執筆: DocLead 運営

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この記事の結論

受注率を上げるには、計測・失注分析・資料改善・社内稟議支援を四半期ごとに繰り返す一連のサイクルが効果を生みます。

課題の整理

受注率が伸び悩む原因は「営業担当者のトーク力」だけではありません。現状の数値を計測せずに感覚で改善策を打っていることが、多くの現場でつまずきの起点になっています。提案資料そのものの作り方を体系的に押さえたい場合は、営業資料作成 完全ガイドも参考にしてください。

受注率とは、商談数に対して実際に受注できた割合のことです。計算式は次のとおりです。

受注率(%)= 受注件数 ÷ 商談件数 × 100

このとき分母を「何件と数えるか」を先に決めておくことが重要です。初回面談まで進んだ件数を分母にするのか、提案書を提出した件数を分母にするのかで、同じ営業活動でも数値は大きく変わります。分母の定義が担当者ごとにズレていると、そもそも比較ができません。

一般的な傾向として、受注率の水準は業種や商材によって大きく異なります。商材単価が高く決裁関与者が多いほど受注率は低くなり、既存顧客からの追加受注や紹介経由の商談では高くなる傾向があります。他社平均の数値を探すより、まず自社の過去実績を基準値として押さえる方が実用的です。基準値がないまま「もっと頑張ろう」と号令をかけても、どこを改善すべきか特定できません。

受注率が伸びない要因は、大きく分けて次の3つに整理できます。

  • ターゲット選定のズレ(受注確度の低い見込み客に時間を使いすぎている)
  • 提案内容と顧客課題のミスマッチ(自社商品の説明に偏り、顧客の課題起点になっていない)
  • 社内検討フェーズでの失速(決裁者まで情報が正しく伝わらず、稟議で止まる)

この記事では、現状の計測から失注分析、提案資料の質向上、社内検討の支援まで、受注率を上げるための実践手順を順番に解説します。

事前準備

手順に入る前に、受注率を正しく計測できる状態を整えておく必要があります。準備が不十分だと、改善策を打っても効果測定ができず、次の打ち手につながりません。

まず、案件管理の記録項目を最低限そろえます。具体的には「商談日」「フェーズ(提案・見積・稟議・失注など)」「失注理由」「担当者」の4項目です。SFA(営業支援システム。商談履歴や案件進捗を一元管理するツール)を導入していない場合は、スプレッドシートでも構いません。重要なのは、全担当者が同じフォーマットで記録することです。

次に、集計の対象期間を決めます。四半期や半期など、季節要因やキャンペーンの影響を平準化できる単位で区切ると、比較がしやすくなります。

最後に、提案資料・比較資料・稟議用資料など、商談で使う資料一式を棚卸しします。担当者ごとにバラバラの資料を使っていると、どの資料が受注に寄与したのか検証できません。次章の手順で、この棚卸し結果を使います。

棚卸しの際は、資料の内容だけでなく「誰が」「いつ」作成・更新したのかも記録しておくと、後で資料の改廃を判断しやすくなります。古いバージョンの資料が複数の担当者の手元に残っていると、更新した最新版が現場に浸透せず、改善効果が薄まってしまうためです。棚卸しは一度きりで終わらせず、資料を大きく改訂したタイミングで都度実施する運用にしておくと、資料の鮮度を保ちやすくなります。

手順

1. 現状の受注率を計測する

案件管理データから、フェーズ別の通過率を出します。「商談化率」「提案化率」「受注率」を分けて見ることで、どの段階で案件が減っているかが分かります。

例えば、提案化率は高いのに受注率が低い場合、提案から契約までの間に課題があると推測できます。逆に商談化率自体が低い場合は、ターゲット選定や初期ヒアリングに課題がある可能性が高くなります。

さらに、担当者ごとの受注率を比較することも有効です。同じ商材・同じターゲット層を扱っているにもかかわらず担当者間で差が大きい場合、トークスクリプトや資料の使い方に個人差がある可能性が高くなります。逆に担当者間の差が小さいのに全体の受注率が低い場合は、商材の訴求内容そのものや価格設定に課題があると考えられます。数値を分解して見ることで、次に取るべき打ち手の優先順位が変わってきます。

2. 失注理由を分析する

失注案件を「価格」「機能・仕様」「タイミング」「競合」「社内稟議で止まった」などのカテゴリに分類し、件数を集計します。各カテゴリが示す課題と対策の方向性は次のように整理できます。

失注理由 課題のありか 対策の方向性
価格 価値の伝え方・提示タイミング 費用対効果の説明を資料に組み込む、見積提示の順序を見直す
機能・仕様 提案内容と顧客課題のミスマッチ ヒアリング項目の見直し、課題起点の提案資料へ再構成
タイミング リードの検討段階の見極め 追客リスト化して定期接点を作る、商談化の基準を見直す
競合 差別化ポイントの訴求不足 比較資料の整備、自社が勝ちやすい土俵での比較軸設計
社内稟議で止まった 決裁者への情報伝達 稟議用資料の整備、担当者が転送しやすい資料形式

このとき、担当者の主観的な感想ではなく、可能な限り顧客からのフィードバックや商談メモをもとに分類することが大切です。カテゴリ別の件数を出すと、感覚では気づけなかった共通パターンが見えてきます。経験則では、「社内稟議で止まった」が一定割合を占める企業は少なくありません。

分類したあとは、件数の多い理由から優先的に対策を検討します。例えば「価格」が最多であれば、価格説明のタイミングや見積提示の方法を見直す余地があります。「社内稟議で止まった」が多ければ、提案フェーズの問題ではなく、社内展開を支援する資料や仕組みが不足している可能性が高いといえます。カテゴリ別の件数は、担当者会議やレビューの場で共有し、チーム全体で認識をそろえておくと、次の手順への納得感も得やすくなります。

失注理由が「タイミング」や「機能・仕様」に集中している場合は、そもそも受注確度の低い相手と商談している、つまりターゲット選定のズレを疑います。商談化の基準(予算・決裁権・必要性・導入時期)を設けて確度の低い案件を追客リストに回すだけでも、分母から見込みの薄い商談が減り、受注率と営業工数の両方が改善します。確度を見極めるためのヒアリング設計は営業ヒアリングのコツが参考になります。

3. 提案資料の質を見直す

失注分析で「機能・仕様」や「価格」の訴求不足が多く見られた場合は、提案資料そのものを見直します。顧客の課題を起点に構成されているか、自社の強みが顧客のメリットに翻訳されているかを確認します。

提案資料の構成手順や見直しポイントは、提案資料の作り方で詳しく解説しています。あわせて、競合との違いを客観的に示す比較資料も、検討後期の顧客に対して有効です。作成手順は比較資料の作り方を参考にしてください。

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4. 社内検討・稟議のフェーズを支援する

失注理由に「社内稟議で止まった」が多い場合、原因は提案そのものではなく、担当者が社内で説明しきれていないことにあります。決裁者は商談に同席しないケースが多く、現場担当者が上司や決裁者に資料を転送して説明する場面が一般的です。

このフェーズを支援するには、担当者が社内展開しやすい形で資料を渡すことが重要です。具体的には次の3点を意識します。

  1. 商談に同席していない人が単体で読める資料にする:口頭説明の補足前提で作られたスライドは、転送先の決裁者には伝わりません。前提となる課題・費用・効果が資料単体で完結している必要があります。
  2. 決裁者が気にする論点を先回りして載せる:現場担当者は機能や使い勝手を見ますが、決裁者が見るのは費用対効果・リスク・他社比較です。この論点に答えるページを用意しておくと、担当者が稟議書を書く負担も減ります。
  3. 資料を渡した後の動きを把握できるようにする:資料を送った後に社内で読まれているのか、止まっているのかが分からないと、フォローのタイミングを判断できません。

稟議を通すための資料の書き方は稟議が通る資料の作り方にまとめています。

5. 改善サイクルを回す

手順1〜4を一度きりで終わらせず、四半期ごとに繰り返します。受注率の推移と失注理由の変化を突き合わせることで、打った施策が効いているかを検証できます。

サイクルを回す際は、1回の改善で変える要素を絞ることがポイントです。提案資料・トーク・ターゲット選定を同時に変えると、数値が動いたときにどの施策が効いたのか切り分けられません。失注分析で最多だったカテゴリへの対策から1つずつ着手し、翌四半期の数値と失注理由の分布で効果を確認する、という順番で進めると検証がぶれません。

よくある質問

受注率と成約率の違いは?

指す内容はほぼ同じで、商談(または提案)に対して契約に至った割合を表します。ただし社内で「何を分母にするか」が揃っていないと数値の意味が変わるため、呼び方よりも分母の定義(初回面談ベースか、提案提出ベースか)を統一することが先決です。

受注率はどのくらいを目指すべき?

業種・商材・リードの獲得経路によって水準が大きく異なるため、一律の目標値はありません。紹介経由が中心なら高く、広告経由の新規商談が中心なら低くなるのが自然です。他社の平均値ではなく、自社の直近2〜4四半期の実績を基準に「前期比でどのフェーズの通過率を何ポイント上げるか」を目標にする方が、打ち手につながります。

受注率が低いとき、まず何から手をつけるべき?

失注理由の分類から始めるのが定石です。原因が特定できないまま資料改善やトーク研修に着手しても、効果検証ができません。過去2〜3四半期分の失注案件を分類するだけでも、対策の優先順位は見えてきます。

つまずきポイント

  • 計測が属人化する:担当者ごとに記録フォーマットがバラバラだと、集計そのものができません。フォーマットの統一とルール化を先に済ませておく必要があります。
  • 失注理由が「その他」に集中する:分類の粒度が粗いと、改善につながる示唆が得られません。カテゴリは5〜7種類程度に絞り、具体的な内容は自由記述で補足する運用が現実的です。
  • 資料改善だけで満足してしまう:提案資料を作り込んでも、担当者ごとに使う資料が違えば効果を検証できません。営業の属人化そのものが受注率低下の背景にある場合は、営業の属人化を解消する方法もあわせて確認してください。
  • 改善サイクルが1回で止まる:受注率の改善は、施策を打ってすぐに数値が動くとは限りません。特に稟議フェーズの支援は効果が出るまでに1〜2四半期かかることもあります。短期間で結果が出ないからと施策をやめてしまうと、本来効果があったはずの取り組みも評価できずに終わってしまいます。

効率化のヒント

受注率向上の手順のうち、特に手間がかかりやすいのが「資料が実際にどう使われ、どこまで見られているか」を把握する部分です。担当者に個別ヒアリングする方法もありますが、案件数が多いと現実的ではありません。

DocLead は、営業資料や比較資料の PDF をアップロードするだけで、フォーム付きの共有ページを発行できるツールです。公開・非公開はワンクリックで切り替えられ、フォーム経由でダウンロードした相手の情報を記録できるほか、ページの閲覧数(PV)も集計値として確認できます。

これにより、提案資料や比較資料がどの程度ダウンロードされているかを、担当者からの報告に頼らず把握できます。決裁者まで資料が届いているかを直接追跡することはできませんが、資料が実際に閲覧・ダウンロードされた実績を積み上げることで、次の資料改善の判断材料が増えます。

無料から使い始められるため、まずは提案資料や比較資料を1件アップロードし、フォーム経由でのダウンロード状況を確認するところから試すことができます。PDF をアップロードするだけで共有ページが発行される仕組みのため、導入のために新しいツールの使い方を一から学ぶ必要がない点も、マーケティングや営業の専任担当者がいない企業にとって取り組みやすいポイントです。

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受注率の改善は、計測・分析・資料改善・社内検討支援という一連の手順を継続的に回すことで前進します。まずは自社の現状を数値で把握するところから始めてみてください。

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