ウェビナーの効果を数字で見る|受注につながる企業の共通点

作成日: 2026/09/16 21:43

執筆: DocLead 運営

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この記事の結論

ウェビナー経由で月1件以上受注する企業は2024年の34.3%から2025年に60.9%へ増え、効果は開催後のフォロー設計で決まります。

ウェビナーの効果とは

ウェビナーの効果は、大きく分けて「見込み顧客の獲得(リード)」「商談化」「受注」という成果側の指標と、「認知拡大」「既存顧客の育成」という関係構築側の指標の2種類で捉えられます。どちらを重視するかで、企画・運営・フォローの設計は変わってきます。

たとえば新規リードの獲得を目的とする場合は、集客チャネルの広さやテーマの訴求力が重要になります。一方、既存顧客向けの活用シーンでは、参加者数の多さよりも継続的な関係維持や、アップセル・クロスセルにつながる情報提供が重視されます。同じ「ウェビナー」でも、目的によって測るべき効果指標が異なる点をまず押さえておく必要があります。

BtoBマーケティングの現場では、ウェビナーは単発のイベントではなく、集客から商談・受注までを結ぶ一連の施策として位置づけられることが増えました。ウェビナー・セミナー活用の全体像はウェビナー・セミナー活用 完全ガイドで解説しています。そもそもウェビナーとは何か、セミナーとの違いを含めて確認したい場合はウェビナーとは|意味・セミナーとの違い・種類を解説を参照してください。

本記事では「開催後にどれだけの成果が出ているか」という受注・商談側の実態を、一次統計をもとに数字で見ていきます。参加率や集客の歩留まりについてはウェビナー参加率の平均と高め方|歩留まり設計まで解説で扱っているため、本記事では踏み込みません。

これまでウェビナーの効果を語る記事の多くは、集客のノウハウや当日の運営テクニックに紙幅を割く一方、「実際にどれだけの企業が成果を出しているのか」を一次統計で裏付けたものは多くありませんでした。感覚的な成功事例だけでは、自社の取り組みが平均的なのか遅れているのかを判断できません。本記事は、複数の一次調査を横断して数字を並べることで、その判断材料を提供することを目的としています。

ウェビナーで成果を出している企業はどれくらい?

一次統計を見ると、ウェビナー経由で継続的に受注できている企業の割合はこの1年で大きく伸びています。単発の成功事例ではなく、業界全体で底上げが起きていることが読み取れます。

株式会社ネクプロ×OTSUNAGI「2025年最新版 ウェビナーに関するアンケート調査結果」(2025年5月7日発表、調査時点2025年2月1日〜2月28日、n=146、ウェビナーを実施または実施を検討している企業対象)によると、ウェビナー経由で月1件以上の受注を実現している企業の割合は、2024年の34.3%から2025年には60.9%へと大幅に増加しました。約1年で受注企業の割合がほぼ倍増した計算になります。

1回あたりの獲得リード数についても、成果を実感している企業が多数派です。株式会社PRIZMA「ウェビナーに関する調査」(2025年2月17〜18日実施、n=507、1年以上ウェビナーを定期開催している運営担当者対象)では、「1回のウェビナー開催で、どのくらいリードを獲得することができていますか?」という設問に対し、次のような分布になりました。

1回あたりの獲得リード数 回答割合
6〜10件 43.0%
11〜15件 29.8%
0〜5件 17.4%
16〜20件 6.9%

出典:株式会社PRIZMA「ウェビナーに関する調査」(2025年2月調査、n=507)。この調査では、6件以上のリードを獲得できている企業が全体の約8割(6〜10件43.0%+11〜15件29.8%+16〜20件6.9%の合算)にのぼり、定期開催している企業の多くが一定のリード獲得量を確保できていることがわかります。

注意したいのは、この調査対象が「1年以上ウェビナーを定期開催している運営担当者」に限られている点です。単発開催や始めたばかりの企業に同じ水準の数字を期待するのは早計で、継続開催によって集客・運営のノウハウが蓄積された結果としてこの分布が生まれている可能性があります。裏を返せば、最初から高いリード獲得数を目指すよりも、継続開催を前提に体制を整えるほうが現実的な戦略だと言えます。

2つの調査を合わせて見ると、「月1件以上の受注」という最終成果の指標と、「1回あたり6件以上のリード獲得」という中間指標の両方で、業界の多数派が一定の成果ラインを超えていることが確認できます。自社の数字がこの水準に届いていない場合は、集客そのものよりも、獲得したリードをどう商談につなげるかというフォロー設計に課題がある可能性を疑ってみる価値があります。

少人数・低予算でも効果は出る?

「専任チームがないと成果は出ない」と思われがちですが、実態は異なります。前述のネクプロ×OTSUNAGI調査(n=146、2025年2月調査)では、ウェビナー運営は76.5%の企業が1〜2人体制で実施しており、少人数運営が主流であることが示されています。

予算面でも同様の傾向が見られます。同調査では、月間予算について「全くかけていない」と回答した企業が32.2%にのぼりました。運営体制・予算とも小規模な企業が多いという分布が確認できる一方、この調査は運営体制・予算と受注率を掛け合わせて集計したものではないため、「体制・予算が小さいほど成果が出やすい」という相関までは示されていません。あくまで「小規模運営でも一定数の企業が実施している」という実態として捉えるのが妥当です。

「予算をかけないと成果が出ない」という思い込みは、少なくとも小規模運営が主流という実態とは一致しません。ウェビナー配信自体は無料〜低価格のツールで実施できるため、コストがかかりやすいのはむしろ集客施策(広告出稿など)や制作物の部分です。予算をかけずに運営している企業の多くは、既存の顧客リストやメールマガジン、SNSなど手持ちのチャネルを使って集客していると考えられますが、これは推測であり、調査自体が集客チャネルや成果との因果関係を示しているわけではない点には留意が必要です。少人数・低予算という条件だけで成果が決まるわけではなく、前段で見た開催後のフォロー設計と合わせて捉えるべき情報です。

ウェビナーの効果を測る指標は何か?

ウェビナーの効果測定では、集客から受注までの流れを段階ごとに指標化することが基本です。どの段階で歩留まりが悪化しているかを把握できれば、改善の優先順位が明確になります。

段階 主な指標 見るポイント
集客 事前登録者数 告知チャネルごとの獲得数
参加 参加率・参加者数 登録者に対する当日の参加割合
資料DL 資料ダウンロード数 当日・後日の資料閲覧状況
商談 商談化率 参加者・DL者のうち商談に進んだ割合
受注 受注率・受注件数 商談から受注に至った割合

前述のネクプロ×OTSUNAGI調査の「月1件以上受注」34.3%→60.9%はこの表の「受注」段階の全社的な水準を示す数値であり、PRIZMA調査の1回あたり獲得リード数の分布は「資料DL」寄りの中間段階の指標にあたります。自社の数字を振り返るときは、まず月間の受注件数を確認し、次にその手前の資料DL数・商談数を段階ごとに並べてみると、自社がどの段階で全体平均から離れているかを把握しやすくなります。たとえば月1件も受注できていない場合でも、資料DL数自体は業界平均並みにあることがあれば、課題は集客ではなく商談化以降のプロセスにあると判断できます。

参加率の目安や高め方はウェビナー参加率の平均と高め方|歩留まり設計まで解説で詳しく解説しているため、本記事では商談・受注側の指標に絞って見ていきます。指標を段階ごとに分けて追うことで、「集客はできているのに商談化しない」「参加率は高いのに受注につながらない」といったボトルネックの所在がはっきりします。

指標を追ううえで大切なのは、単月の数字だけを見るのではなく、開催回ごとの数字を時系列で並べて比較することです。1回だけの数字では、テーマや時期といった偶発的な要因の影響を受けやすく、傾向を見誤ります。複数回分のデータを蓄積し、どの段階の歩留まりが安定的に低いのかを見極めることで、改善すべきポイントが具体的になります。

たとえば、資料DL数に対して商談化率が低い場合は、資料の内容と実際の商談ニーズにズレがある可能性があります。逆に商談化率は高いのに受注率が伸びない場合は、商談の質そのものよりも、提案内容や条件面に課題があるケースが多いといえます。指標同士を掛け合わせて見ることで、次に着手すべき打ち手の優先順位が見えてきます。

効果が出るウェビナーと出ないウェビナーの違いは?

同じテーマ・同じ参加者数のウェビナーでも、受注につながるかどうかには明確な差が出ます。差を分けるのは、開催そのものよりも開催前後の設計です。

単発開催のウェビナーは、その回限りの接点で終わりやすく、参加者の興味が続かないまま関係が途切れがちです。一方、定期開催しているウェビナーは、回を重ねるごとに認知と信頼が積み上がり、前述のPRIZMA調査のように継続的なリード獲得につながりやすくなります。

もう一つの分かれ目は、開催後のフォローの有無です。アンケートや資料配布を組み合わせず「開催して終わり」にしている場合、参加者の温度感が高いうちに接点を維持できず、商談化のタイミングを逃しやすくなります。逆に、開催後すぐに関連資料を届けたり、参加できなかった人にも情報を残したりする設計があると、商談・受注につながる確率が上がります。

さらに、資料配布の有無も差を生む要因の一つです。当日話した内容をスライド資料として残し、参加者・欠席者を問わず後から見返せるようにしておくと、社内での稟議や比較検討の材料として使われやすくなります。口頭説明だけで終わるウェビナーと、資料が手元に残るウェビナーとでは、参加者が社内に持ち帰って検討を進める確度が変わってきます。

これらの違いを整理すると、効果が出るウェビナーに共通するのは「単発で終わらせない仕組み」を持っている点です。開催頻度・フォロー・資料配布のいずれか一つが欠けても、参加者との接点は途切れやすくなります。3つの要因のうち、単独での影響が大きいのはフォローの有無です。定期開催や資料配布があっても、開催後に何もアプローチしなければ参加者の熱量は急速に下がっていくため、まず着手すべきはフォロー設計です。とはいえフォローだけを整えても、資料という具体的な検討材料がなければ社内稟議は進みにくく、定期開催という接点の積み重ねがなければ次回以降の参加意欲も高まりません。3要因を組み合わせることで、単独で実施するより大きな相乗効果が期待できます。

実際に成果が伸び悩む企業を見ると、フォローだけで資料を用意していない、あるいは資料は用意していてもアンケートやメールでの個別フォローをしていない、というどちらか一方が欠けたパターンが多く見られます。フォローだけの場合は「話は聞いたが検討材料がない」状態で商談が止まりやすく、資料配布だけの場合は「資料は届いたが誰も追いかけない」状態でリードが放置されがちです。すでに単発開催を続けている企業がいきなり定期開催に切り替えるのはハードルが高いかもしれませんが、まずはフォローの有無と資料配布の有無という2点をセットで見直すことで、大きな体制変更をせずに歩留まりを改善できる可能性があります。

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開催後の効果を最大化するにはどうする?

ウェビナーの効果を最大化する上で見落とされがちなのが、当日参加できなかった人と、参加はしたものの商談に進まなかった人への継続的な接点です。多くの企業は「参加者の商談化」だけに注目しがちですが、実際には登録者の中で当日参加できる人は一部にとどまり、参加した人の中でもすぐに商談化する人は限られます。

欠席者や非商談化リードを取りこぼさないためには、当日の内容を録画で残し、関連資料と合わせて後からでも受け取れる状態にしておくことが有効です。録画とスライド資料をセットにした配布のタイミングや手順はウェビナー資料配布の手順|開催前後のタイミングと録画セット配布にまとめています。

非商談化リードを資料経由で拾い直す運用フローを作ることも効果的です。開催直後に商談化しなかった参加者へも録画・資料のDLページ案内を送っておき、その後いつ資料を開いたか、どのページまで読んだかを通知として受け取れるようにしておきます。営業担当は毎回全員に架電するのではなく、「資料を再閲覧した」という通知が届いたタイミングを商談再開のトリガーとして動けば、検討熱が上がった瞬間を逃さずに声をかけられます。検討時期が早すぎて当日は商談化しなかった相手でも、数週間〜数か月後に資料を見返すタイミングで接点を作り直せるのが、この運用の狙いです。

開催後のアンケートと資料ダウンロードを組み合わせることも有効です。アンケートでは「導入時期の目安」「現在の課題感」「予算の有無」といった設問を用意し、回答内容と資料DLの有無を掛け合わせて優先度をつけます。たとえば「導入時期が3か月以内」かつ「資料をDL済み」の相手は最優先でフォローし、「情報収集段階」かつ「資料未DL」の相手はメールマガジンなど負荷の低い接点にとどめる、といった振り分けです。全員に同じ熱量でフォローするのではなく、興味の強さに応じて工数を配分できるようになります。資料配布とリード獲得を組み合わせた具体的な手順はセミナー資料DLでリード獲得する手順を参照してください。

これらを実現するには、録画・資料・アンケートをばらばらのツールで管理するのではなく、1つの共有ページに一元化しておくことが運用上のポイントになります。参加者・欠席者を問わず同じURLを案内し、そのページ経由でフォームに入力してもらえば、誰がいつ何をダウンロードしたかを1か所で追えるようになります。DocLeadのようなツールを使えば、録画や資料を1つの共有ページにまとめてフォームで受け取り、誰がいつ資料を閲覧したかを把握したうえで商談化の優先順位をつけられます。開催の瞬間だけでなく、その後数週間〜数か月のスパンで接点を維持する視点を持つことが、受注につながるウェビナー運用の分かれ目になります。

効果測定の始め方は?

効果測定を始める際は、いきなり細かい指標をすべて追おうとせず、次の3ステップで土台を作ることをおすすめします。

  1. 集客から受注までの各段階(登録・参加・資料DL・商談・受注)の数字を記録する仕組みを用意する
  2. 直近数回分の開催データをさかのぼって集計し、自社の現状の歩留まりを把握する
  3. 歩留まりが最も低い段階を特定し、そこに絞って改善施策を1つずつ試す

ステップ1でよくある落とし穴は、記録項目を最初から細かく設計しすぎて運用が続かなくなることです。開催ごとに手入力する項目は5〜6個程度に絞り、記録担当者を1人決めておくと形骸化を防げます。ステップ2では、過去の開催データが散らばっていて集計できないケースが多く見られます。開催のたびにメールやチャットツールに数字が埋もれてしまっている場合は、まず直近3〜4回分だけでもさかのぼって1枚の表にまとめる作業から始めると全体像が見えてきます。ステップ3では、歩留まりが低い段階を1つに絞らず複数同時に手を付けてしまい、どの施策が効いたのか分からなくなる失敗が典型的です。1回の改善サイクルでは施策を1つに限定し、次回開催で効果を確認してから次の施策に移るようにします。

いきなり全段階を最適化しようとすると手が回らなくなるため、まずは記録の仕組みを整え、ボトルネックを絞り込むことが効果測定を継続する近道です。

記録の仕組みは、必ずしも高機能なMAツールを導入する必要はありません。開催ごとに「開催日」「テーマ」「登録者数」「参加者数」「資料DL数」「商談数」「受注数」といった列を持つスプレッドシートに1行ずつ記録するだけでも、数回分のデータが溜まれば十分に傾向を比較できます。重要なのは指標そのものの精緻さよりも、継続して同じ基準で記録し続けることです。基準がぶれると、回ごとの比較ができなくなり、改善の効果を検証できなくなってしまいます。

よくある質問

効果が出るまでの開催回数は?

明確な回数の基準はありませんが、前述のPRIZMA調査は「1年以上定期開催している企業」を対象としており、継続開催によって成果が安定しやすい傾向がうかがえます。単発の1〜2回で判断せず、複数回のデータを蓄積してから改善を検討するのが現実的です。1回ごとの結果に一喜一憂するのではなく、3〜4回分のデータが溜まった段階で全体の傾向を見直すと、テーマや時期による偶発的な変動と、構造的な課題を区別しやすくなります。

参加者が少なくても効果はある?

参加者数が少なくても、フォロー設計次第で商談・受注につなげることは可能です。前述の調査で運営1〜2人体制が76.5%を占めていたように、小規模な運営でも成果を出している企業は多く、規模よりも開催後の接点維持が効果を左右します。参加者が少ない回は、むしろ一人ひとりに丁寧なフォローをかけやすいという利点もあるため、人数の多さよりもその後の対応の質を意識するとよいでしょう。

録画配信でも効果は同じ?

録画配信はライブ開催に比べて双方向のやり取りが減る一方、参加できなかった人にもリーチできる利点があります。ライブと録画を組み合わせて欠席者をカバーする設計にすることで、全体としての受注機会を増やせます。録画を配布する際は、視聴のきっかけとして関連資料もあわせて届けると、視聴後の行動につながりやすくなります。

ウェビナーとセミナーの効果の違いは?

ウェビナーはオンライン開催のため広域から低コストで集客しやすく、セミナーは対面での関係構築や商談化のしやすさに強みがあります。それぞれの特徴や使い分けの詳細はウェビナーとセミナーの違い|使い分けとハイブリッド活用で解説しています。

まとめ

  • ウェビナー経由で月1件以上受注する企業は2024年の34.3%から2025年に60.9%へ増加しており、成果を出す企業は業界全体で増えている(ネクプロ×OTSUNAGI調査、n=146)
  • 運営1〜2人・予算ゼロという小規模な体制で実施している企業が多いという実態が確認できる一方、体制・予算の規模と受注率の相関は調査から示されておらず、成果を左右するのは開催後のフォロー設計だと考えられる
  • 集客から受注までを段階ごとに指標化し、欠席者・非商談化リードへの継続接点(録画・資料配布・アンケート連動フォロー)を作ることが効果最大化の鍵になる

まずは直近の開催データを集客・参加・商談・受注の段階ごとに整理し、歩留まりが最も低い段階から改善に着手してみましょう。

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