習い事の市場規模は?教育産業約2.9兆円と教室の経営実態
作成日: 2026/09/30 21:03
執筆: DocLead 運営
この記事の結論
習い事の市場規模は単独の公的統計が確認できず、教育産業(主要15分野)で2024年度に2兆8,555億7,000万円です。
習い事の市場規模を調べても、本記事の調査範囲では、習い事だけの市場規模を示す単独の公的統計は確認できませんでした。出典ごとに集計範囲が違うため、数字を並べるだけでは自分の教室の判断材料になりません。
この記事では、矢野経済研究所・東京商工リサーチ・文部科学省・総務省の一次データを、集計範囲を分けたまま一つの地図に整理します。最後に、小規模な教室が市場データから何を判断すべきかまで落とし込みます。
習い事の市場規模とは何を指すのか?
習い事の市場規模は、統一された定義がなく、出典によって集計範囲が異なります。子ども向けのけいこごと・スポーツ・芸術と、大人向けのカルチャースクール・語学・資格を、それぞれ別の調査が別の切り口で測っています。
この記事で使う一次データの範囲は次のとおりです。
| 出典 | 集計範囲 | 指標 | 調査時点 |
|---|---|---|---|
| 矢野経済研究所「教育産業市場に関する調査」 | 教育産業の主要15分野 | 事業者売上高ベースの市場規模 | 2024年度実績・2025年度予測 |
| 矢野経済研究所「語学ビジネスの実態と展望」 | 語学ビジネスの主要13分野 | 事業者売上高ベースの市場規模 | 2024年度 |
| 東京商工リサーチ | 日本標準産業分類「教養・技能教授業」で5期連続比較できる399社 | 売上高・利益・従業員数 | 2023年(決算) |
| 文部科学省「子供の学習費調査」 | 公私立の幼稚園・小・中・高の子供 | 学校外活動費(1年間・子供1人当たり) | 令和5年度 |
| 総務省統計局「社会生活基本調査」 | 10歳以上の世帯員 | 学習・自己啓発・訓練の行動者率 | 2021年 |
範囲が違う数値は、足し算も引き算もできません。たとえば教育産業15分野の金額と語学13分野の金額は、対象とする分野が異なるため、合算や差し引きでは実態を表せません。この記事でも、出典ごとに区切って読み取ります。
教育産業全体の市場規模はいくらか?
教育産業全体(主要15分野計)の市場規模は、2024年度で2兆8,555億7,000万円です。前年度比は0.7%増で、2025年度も0.6%増の2兆8,720億6,000万円と予測されています。
この数字は、矢野経済研究所が2025年9月25日に公表した「2025年版 教育産業白書」の調査結果です。調査期間は2025年7月から9月で、学習塾・予備校・通信教育・資格取得学校・語学スクール・幼児教室・体操教室・研修サービスなどの事業者への直接面談やヒアリングで集めています。事業者売上高ベースで、n数は非公表です。
| 年度 | 市場規模 | 前年度比 | 区分 |
|---|---|---|---|
| 2024年度 | 2兆8,555億7,000万円 | 0.7%増 | 実績 |
| 2025年度 | 2兆8,720億6,000万円 | 0.6%増 | 予測 |
ここで注意したいのは、この金額が「習い事だけの金額」ではない点です。学習塾や通信教育、企業向け研修サービスなども含む主要15分野の合計です。分野別の金額は有料の白書に収録されており、公開されているプレスリリースには載っていません。そのため、この記事でも分野別の市場規模の金額は扱いません。
参考として、矢野経済研究所の教育産業市場に関する調査(2024年)(調査期間2024年7月から9月)では、2023年度の市場規模は前年度比0.7%減の2兆8,331億7,000万円でした。この年に前年度を上回った分野は15分野中4分野で、資格・検定試験、語学スクール・教室、幼児体育指導、企業向け研修サービスです。過去の数値は後年の調査で改訂されることがあるため、2023年度と2024年度の増減を単純に並べた比較はしません。
教室運営者への読み取りは、市場全体は大きく伸びも縮みもしない横ばい圏だという点です。市場が急拡大する追い風は見えにくく、一般的な傾向として、新しい生徒は近隣の教室との比較のなかで選ばれる場面が増えると考えられます。
語学・英会話の市場はどれくらいか?
語学ビジネス市場(主要13分野合計)は、2024年度に事業者売上高ベースで7,906億円、前年度比100.2%です。ほぼ横ばいで、市場が大きく崩れてはいません。
この数値は、矢野経済研究所が2025年9月30日に公表した「2025 語学ビジネスの実態と展望」によるものです。調査期間は2025年4月から7月で、n数は非公表です。語学ビジネスの主要13分野の合計であり、教育産業15分野とは対象が異なるため、教育産業の金額の内訳として引き算することはできません。
別の年の話として、2023年度に前年度を上回った教育産業の4分野には、語学スクール・教室が入っていました。語学は複数年にわたり、大きく縮んでいない分野だといえます。
教室運営者への読み取りは、英会話を含む語学は市場が維持されている分野だという点です。ただし市場が維持されているのは全体の話で、個々の教室への申込みが自動的に増えるわけではありません。英会話教室の集客の考え方は「英会話教室の集客|体験前の中間CVで差をつける」で整理しています。
習い事教室の経営実態はどうなっているのか?
習い事の教室を営む企業は、売上高がほぼ戻っても利益が戻っていません。東京商工リサーチが2024年7月18日に公表した「『習い事教室』売上はコロナ禍から復活も利益半減、優良コンテンツで差別化が急務」が、その実態を示しています。
調査対象は、日本標準産業分類の小分類「教養・技能教授業」に該当し、5期連続で比較できる399社です。2023年(決算)の数値を整理すると次のとおりです。
| 指標 | 数値 | 備考 |
|---|---|---|
| 売上高合計 | 1,389億6,100万円 | 前年比5.3%増、2019年比97.9% |
| 最終利益 | 15億1,100万円 | 前年比2.7%増、2019年の46.6% |
| 従業員10人未満の企業 | 60.4% | 399社中の構成比 |
売上高は2019年の水準の97.9%まで戻りました。一方、最終利益は2019年の46.6%で、コロナ禍前の半分に届いていません。売上が戻っても利益が戻らない理由として、同レポートは価格転嫁の難しさを挙げています。
もう一つの特徴は、企業規模の小ささです。調査対象399社のうち、従業員10人未満が60.4%を占めます。従業員10人未満とは、講師と運営を少人数で回している事業者が中心ということです。ただしこの調査は5期連続で比較できる399社に限られるため、個人運営の教室や、この期間に開業・廃業した教室まで網羅した数字ではありません。
教室運営者への読み取りは、広告費や人手に回せる余力が大きくない教室が多数派だという点です。売上が戻ってもコストや人件費を吸収すると手元に残る利益は薄く、広告に大きく投資しづらいと考えられます。この事実は、後半の「小規模な教室は何を判断すべきか」につながります。
子ども向け習い事に家庭はいくら支出しているのか?
子ども向けの学校外活動費は、公立小学校で年間256,489円、私立小学校で年間709,667円です。ただしこの金額は学習塾などを含む合計で、習い事だけの額ではありません。
出典は、文部科学省が令和6年12月25日に公表した「令和5年度子供の学習費調査」です。調査期間は令和5年4月1日から令和6年3月31日までの1年間で、公私立の幼稚園・小学校・中学校・高等学校(全日制)が対象です。集計対象者数は公立小学校6,627人、私立小学校1,659人などです。
| 学校種別 | 学校外活動費(1年間・子供1人当たり) |
|---|---|
| 公立幼稚園 | 100,049円 |
| 私立幼稚園 | 157,535円 |
| 公立小学校 | 256,489円 |
| 私立小学校 | 709,667円 |
| 公立中学校 | 356,018円 |
| 私立中学校 | 422,981円 |
| 公立高等学校 | 245,431円 |
| 私立高等学校 | 346,611円 |
「学校外活動費」は、補助学習費(学習塾・家庭教師・通信教育など)と、その他の学校外活動費(けいこごと・スポーツ・文化活動など)の合計です。習い事の平均額として引用すると誤りになります。
内訳の傾向も公表されています。公立・私立とも小学校・中学校・高校では、補助学習費の支出が最も多くなっています。私立幼稚園では、その他の学校外活動費の中で「スポーツ・レクリエーション活動」が最も多い結果でした。学年別の学校外活動費は、公立では中学校第3学年の約44万6千円、私立では小学校第6学年の約89万1千円が最も高くなっています。種目別の金額はグラフのみの公表のため、この記事では扱いません。
教室運営者への読み取りは、家庭が学校外の教育に相応の予算を確保しているという事実です。ただし学習塾を含む金額なので、けいこごと系の教室は、学習塾と同じ家計の予算を取り合う関係にあると考えるのが妥当です。学習塾側の集客は「学習塾の集客|保護者向け資料で問い合わせを増やす」で扱っています。
学ぶ人はどれくらいいるのか?
過去1年間に学習・自己啓発・訓練をした人は、10歳以上の39.6%(4455万6千人)です。2016年の36.9%から2.7ポイント上昇しており、学ぶ人の割合は増えています。
出典は、総務省統計局の「令和3年社会生活基本調査 生活時間及び生活行動に関する結果 結果の概要」(2022年8月31日公表)です。約9万1千世帯の10歳以上の世帯員約19万人を対象に、2020年10月20日から2021年10月19日までの1年間の行動を調べています。5年ごとの調査で、この記事で確認できた範囲では2021年調査が最新の公表です。
男女差はほとんどなく、男性39.8%、女性39.5%でした。種類別に男女の数値を確認できた項目は次のとおりです。
| 種類 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| パソコンなどの情報処理 | 20.1% | 13.0% |
| 英語 | 13.5% | 12.2% |
女性については、上の2項目に加えて「家政・家事」が17.7%、「芸術・文化」が12.5%でした。男性は情報処理の20.1%、女性は家政・家事の17.7%が、確認できた項目のなかで最も高い数値です。
この数値は、10歳以上の全体を対象にしています。社会人の職場研修や、児童・生徒・学生が学業として行うものは除かれる一方で、クラブ活動や部活動は含まれます。大人だけの習い事の数字ではありません。また行動者率は、過去1年に何らかの学びをした人の割合であり、教室に通った人の割合ではありません。独学やオンライン学習も含まれます。
教室運営者への読み取りは、学びの需要が子どもに限らず、幅広い年齢層に存在するという点です。一方で独学や動画学習との競合も含めた数字なので、「学びたい人がいる」ことと「自分の教室に来る」ことは別の課題です。その間にある比較検討の段階に、教室が接点を持てるかが問われます。
分野別に見ると、どの教室に追い風・向かい風があるのか?
一次データから言えるのは、需要の裏づけは分野ごとに指標が異なり、教室の種類によって使える根拠の強さが違うという点です。語学は市場規模が維持されており、家政・家事や情報処理は学ぶ人の割合が高く、幼児のスポーツや学習系は家庭の支出が確認できます。分野別の市場規模の金額は有料の白書のため、扱いません。
| 分野 | 根拠になる一次データ | 読み取れること | 深掘り記事 |
|---|---|---|---|
| 語学・英会話 | 語学ビジネス市場7,906億円、英語の行動者率(男性13.5%・女性12.2%) | 市場が維持され、学ぶ人もいる | 英会話教室の集客 |
| 音楽・芸術・文化 | 女性の芸術・文化(音楽以外も含む)の行動者率12.5% | 女性に一定の学習需要がある | 音楽教室の集客 |
| パソコン・情報処理 | 男性20.1%、女性13.0% | 男女とも学ぶ人が一定数いる | パソコン教室の集客 |
| 家政・家事(料理教室に近い分野) | 女性17.7% | 女性の学びのなかで数値が高い | 料理教室の集客 |
| スポーツ・ダンス・ゴルフ | 幼児期のスポーツ・体操に限った指標。私立幼稚園でスポーツ・レクリエーション活動の支出が最多。幼児体育指導は2023年度に前年度を上回った4分野の一つ | 幼児期のスポーツ需要が支出に表れている。ダンス・ゴルフ自体の指標ではない | ダンス教室の集客、ゴルフスクールの集客 |
| 学習塾 | 補助学習費が小・中・高で最多 | 家庭の学校外支出の中心が学習系 | 学習塾の集客 |
行動者率は「過去1年に学んだ人の割合」で、その分野の教室に通っている人の割合や、教室市場の売上ではありません。深掘りは各教室別の記事に任せ、ここでは自分の分野に近い行を見つけて右端の記事へ進んでください。
市場データから、小規模な教室は何を判断すべきか?
市場データを踏まえると、一般的な傾向として、価格を上げて利益を戻す前に、体験を申し込む手前の接点を増やすことが有力な選択肢になり得ます。小規模な教室は、次の3点を踏まえて判断するとよいでしょう。
- 市場は横ばいで、比較される場面が増えると考えられる。 教育産業は2024年度が前年度比0.7%増、2025年度予測が0.6%増と小幅な動きです(矢野経済研究所)。新規の生徒は、市場の成長ではなく、近隣の教室との比較を経て決まる場面が多いと考えられます。
- 売上が戻っても利益は戻らない。 売上高は2019年比97.9%まで戻りましたが、最終利益は2019年の46.6%です(東京商工リサーチ)。広告費に大きな余力を持てない教室が多いと考えられます。これは調査結果を踏まえた一般的な傾向であり、個々の教室の状況とは異なる場合があります。
- 比較検討している人との接点を、体験の手前に作る。 調査対象399社の60.4%が従業員10人未満という業界では、広告で大量に集客するより、興味を持った人の連絡先を早く受け取る仕組みが有効な手段になり得ます。一般的な傾向として、体験レッスンの申込みはハードルが高く感じられやすく、そこまで進まない検討層に別の入口を用意する考え方です。
3点目の入口として使いやすいのが、料金・カリキュラム・選び方をまとめた資料の配布です。塾・スクール全般の集客の全体像は「塾・スクール集客 完全ガイド」にまとめています。
資料配布で、体験レッスンの手前にリードを作るには?
体験レッスンの手前でリードを作るには、料金・カリキュラム・教室の選び方をまとめた資料PDFを、連絡先と引き換えに配ります。体験に進まない検討層とも、資料を受け取った時点で接点ができます。
ここでいうリードとは、資料を受け取るために氏名やメールアドレスを入力した、見込みのある人のことです。体験レッスンの申込みより低い負担で連絡先を得られるため、比較検討の途中にいる人を取りこぼしにくくなると考えられます。
資料の中身は、値段の一覧だけにせず、比較検討中の人が知りたい情報を並べます。たとえば次のような構成です。
- 料金:月謝・入会金・教材費など、総額が分かる表
- カリキュラム:年間の流れと、レベル別の到達目標
- 選び方:教室を比べるときに見てほしい基準(通いやすさ・講師・振替の有無など)
- 体験レッスンの流れ:当日の所要時間と持ち物、申込みから入会までの手順
フォームの項目は、後から連絡するために必要な最小限に絞るのが基本です。氏名とメールアドレスに、教室側が知りたい1〜2項目(通わせたい子どもの学年、希望する曜日など)を足す程度が一般的な設計の考え方です。
DocLeadは、PDFを入れるとリード獲得フォーム付きの資料ダウンロードページを発行するサービスです。リードを獲得すると通知が届き、リード一覧の確認とCSV出力ができます。ページの閲覧数・リード数・CVRの分析や、UTMによる流入元の切り分けにも対応しています。手順は次の3ステップです。
- 料金表・カリキュラム・選び方をまとめた資料のPDFをアップロードする
- 氏名・メールアドレスなど、必要最小限のフォーム項目を選ぶ
- 発行された公開URLを、案内したい経路ごとに配る
案内する経路は、目的で使い分けます。教室のブログやSNSには資料のURLを載せ、チラシや店頭の掲示にはQRコードでURLへ誘導します。UTMで経路ごとにURLを分けておくと、どこから来たリードかを後で比較できます。スクール集客の考え方全般は「スクール集客の方法と体験レッスンの手前の受け皿」で、学習塾向けの進め方は「学習塾の集客|保護者向け資料で問い合わせを増やす」で詳しく扱っています。
よくある質問
習い事の市場規模は全体でいくらですか?
本記事の調査範囲では、習い事だけの市場規模を示す単独の公的統計は確認できませんでした。近い指標として、教育産業の主要15分野計は2024年度に2兆8,555億7,000万円です(矢野経済研究所、2025年9月25日公表)。学習塾・通信教育・企業向け研修なども含む金額です。
カルチャースクールの市場規模は公表されていますか?
カルチャースクール単独の最新の一次データは、この記事の調査では確認できませんでした。参考になるのは、東京商工リサーチが調べた教養・技能教授業(5期連続で比較できる399社)の2023年売上高合計1,389億6,100万円です。対象を絞った数字なので、業界全体の市場規模ではありません。
子どもの習い事にはいくらかかりますか?
文部科学省の調査では、学校外活動費は公立小学校で年間256,489円、私立小学校で年間709,667円です(令和5年度・子供1人当たり)。この金額には学習塾や通信教育も含まれ、習い事だけの金額ではありません。
学ぶ人はどれくらいいますか?
総務省の令和3年社会生活基本調査では、学習・自己啓発・訓練の行動者率は10歳以上で39.6%です。職場研修や学業は除かれ、クラブ活動や部活動は含まれる定義なので、大人の習い事だけの割合ではありません。
まとめ
- 習い事だけの市場規模を示す単独の公的統計は確認できず、近い指標の教育産業(主要15分野)は2024年度で2兆8,555億7,000万円と横ばい圏です
- 教養・技能教授業の調査対象399社は、売上が回復しても最終利益が2019年の46.6%にとどまり、約6割が従業員10人未満です
- 学びの需要は、子ども向けの学校外活動費にも、10歳以上の学習・自己啓発・訓練の行動者率39.6%にも表れています
まずは、体験レッスンの手前に置く資料を1本作り、比較検討中の人の連絡先を受け取れる入口を用意してください。
手元の PDF が、30秒後にはリード獲得フォームに。
- PDF をアップロードするだけで、フォーム付きの公開ページが完成
- ダウンロードした人の連絡先が、リードとして自動で貯まる
- 無料プランのまま公開もリード獲得も試せる
クレジットカードの登録は不要です。

