展示会パンフレットの作り方|台割表とチラシとの役割分担
作成日: 2026/09/23 21:53
執筆: DocLead 運営
この記事の結論
展示会パンフレットは、チラシと役割を分け、A4 4〜8 ページの台割で情報を絞ると持ち帰り後の検討につながります。
展示会パンフレットとは
展示会パンフレットとは、ブースで来場者に手渡し、持ち帰って社内で検討してもらうための冊子形式の資料です。会場でその場で読み切ってもらうチラシとは違い、製品ラインアップ・導入事例・会社概要など、意思決定に必要な情報をまとめて載せます。
配布物には他にノベルティやデジタル資料もありますが、パンフレットの役割は「持ち帰って社内稟議や上司への報告に使ってもらうこと」に絞られます。ブースで交わした会話の内容を、来場者が帰社後に別の担当者へ伝えるとき、口頭説明の代わりになるのがパンフレットです。展示会で配る物全体の種類と選び方は展示会の配布物とはで整理しているので、パンフレット以外の配布物も検討する場合はあわせて確認してください。
また、パンフレットは「その場で読み切ってもらう資料」ではありません。会期中は他にも多くのブースを回る来場者を想定し、帰社後に落ち着いて読める構成にすることが前提になります。読み手が社内で共有・回覧しやすいよう、要点を先に、詳細を後にまとめる順序を意識してください。
チラシとパンフレットはどう役割分担する?
チラシは会場での呼び込み用、パンフレットは持ち帰り検討用と、目的を明確に分けて制作します。同じ資料に両方の役割を詰め込むと、どちらの目的にも中途半端になります。
| チラシ | パンフレット | |
|---|---|---|
| ページ数 | 1 枚(両面可) | A4 4〜8 ページ |
| 主な目的 | ブースへの呼び込み・立ち止まらせる | 持ち帰って検討・社内共有 |
| 渡すタイミング | ブース前を通る全員 | ブースで話した相手・名刺交換した相手 |
| 掲載内容 | キャッチコピー・強み1点・QR | 製品ラインアップ・導入事例・会社概要 |
| 読む場所 | その場・会場内 | 会社に戻ってから・後日 |
チラシは軽く、一瞬で内容が伝わる作りが求められます。キャッチコピーと強み1点、QRコードだけに絞り込み、文字量を最小限にするのが基本です。一方パンフレットは、チラシで興味を持った相手がさらに詳しく検討するための情報を載せる位置づけなので、文字量や情報量をチラシより多く取っても問題ありません。
制作予算も、チラシとパンフレットで分けて考えるのが一般的です。チラシは大量部数を前提に単価を抑え、パンフレットは部数を絞って紙質やデザインにコストをかける、という配分にすると全体の予算感が立てやすくなります。チラシ単体の構成やキャッチコピーの作り方は展示会チラシの作り方で手順化しているので、両方をセットで用意する場合に参考にしてください。
パンフレットに何ページで何を載せる?
来場者が少ない小規模出展や単一製品の訴求であれば A4 4 ページ、複数製品や事例を載せる場合は A4 8 ページが目安です。パンフレットは中身を先に決めてからデザインに入ります。ページ数と掲載内容を一覧にした台割表を作ると、抜け漏れなく構成できます。
台割表(4 ページ構成の例)は次のとおりです。
| ページ | 掲載内容 | 掲載目的 |
|---|---|---|
| 表紙 | サービス名・キャッチコピー・ブースの世界観に合わせたビジュアル | 手に取ってもらう・記憶に残す |
| 2 | 課題提起・自社が解決できること | 自社ごととして読み進めてもらう |
| 3 | 製品ラインアップ(主力1〜2製品に絞る)・導入事例1件 | 具体的な検討材料を渡す |
| 裏表紙 | 会社概要・問い合わせ先・QR コード | 持ち帰った後の問い合わせ動線 |
8 ページ構成にする場合は、3 ページ目と裏表紙の間に「製品ラインアップの詳細(2〜3製品)」「導入事例2〜3件」「よくある質問」を追加します。全製品を網羅しようとせず、ブースで会話する見込み客層に合わせて載せる製品を絞り込むと、ページが増えても読み切ってもらいやすくなります。
導入事例は、写真と図解で「導入前の課題」「導入後の変化」を段階的に見せる構成にすると、初めて資料を読む人でも流れを追いやすくなります。文章だけで説明を詰め込まず、1 事例につき見開き半分程度に収めるのが目安です。
製品ラインアップの載せ方も同様に、全製品を並べるのではなく、ブースで会話する見込み客層に合わせて2〜3製品に絞り込みます。株式会社ニシカワ(ネクスメディア事業部)が2026年8月17〜20日に展示会来場経験者317名を対象に実施した「BtoB展示会で来場者に重視される情報に関するアンケート」によると、ブース来訪のきっかけとして「見たことのない技術」が46.1%と最多で、重視する情報は「特長や仕様」が38.8%、「費用感」が38.2%でした。製品ページには機能一覧だけでなく、他社との違いが伝わる特長と、おおよその費用感(価格帯や導入規模の目安)を載せておくと、持ち帰った後の検討がスムーズに進みます。
会期前・当日・会期後でパンフレットの役割はどう変わる?
会期前は事前送付で来場動機づけ、当日は名刺交換した相手への補足資料、会期後はフォローの再送資料と、配布タイミングごとに求められる役割が変わります。制作段階でこの違いを意識しておくと無駄がありません。
会期前は、来場予約者への事前メールに添付し、ブースに立ち寄る目的を作る役割を担います。この段階では、パンフレット全体ではなく表紙とキャッチコピーだけを見て「立ち寄る価値がある」と判断してもらえれば十分です。会期当日は、ブースで名刺交換した相手・具体的な商談ニーズがある相手に渡し、その場での説明を補足する資料として使います。会期後は、フォローメールに添付する再送資料として、検討中の相手の社内共有を後押しします。同じ1つのパンフレットでも、渡すタイミングによって読み手が求める情報の深さが変わることを意識しておくと、構成の優先順位が決めやすくなります。
パンフレットの内容がブースのパネル展示と一致していないと、来場者は「話を聞いた内容」と「持ち帰った資料」がつながらず、検討が進みにくくなります。パネルで使ったキャッチコピーや訴求ポイントをパンフレットの表紙・2ページ目にもそのまま反映させると、会場で見た内容と手元の資料が一致し、帰社後に思い出してもらいやすくなります。パネルの情報設計は展示会パネルデザインの作り方で解説しているので、パンフレットと合わせて訴求メッセージを揃えてください。
複数回展示会に出展する企業であれば、会期後にパンフレットの内容を見直すタイミングも決めておくとよいでしょう。製品情報の更新や事例の追加が発生するたびに全面改訂すると制作コストがかさむため、表紙と事例ページだけを差し替える部分改訂で対応できる構成にしておくと、次の展示会への準備が早まります。
ブースで重い冊子を渡さない工夫は?
チラシにQRコードを載せ、パンフレット本体はPDFでダウンロードしてもらう形にすれば、来場者全員に厚いパンフレットを持たせる必要はありません。多くの来場者は他社ブースも回るため、荷物が増えるほど後で読まれずに処分されるリスクが高まります。
このように、ブースで渡すのはチラシ1枚に絞り、パンフレット本体(PDF)はQRコードからダウンロードしてもらう形にすると、来場者の荷物を増やさずに詳しい情報を渡せます。紙のパンフレットを用意する場合も、部数を絞って希望者にだけ渡す運用にすれば、印刷コストと持ち帰り負担の両方を抑えられます。
具体的には、ブーススタッフが名刺交換した相手や、その場で商談ニーズを聞き取れた相手にだけ紙のパンフレットを渡します。それ以外の来場者にはチラシとQRコードで案内すると実務的です。この運用にしておくと、紙の印刷部数を最小限に抑えつつ、興味の度合いが高い相手には確実に詳しい資料を届けられます。
展示会出展全体の準備・当日運営・フォローアップまでの流れは展示会出展 完全ガイドにまとめているので、パンフレット制作を出展準備のどの段階で進めるか確認する際に参考にしてください。
部数はどう見積もる?
部数は「来場想定数」と「接触率」から仮の試算をしておくと、印刷コストの無駄を減らせます。
たとえば来場想定数が2,000名、ブースへの立ち寄り率を10%、立ち寄った人の半数にパンフレットを渡すと仮定すると、必要部数は2,000×10%×50%=約100部という計算になります。これは仮の数値による例であり、実際の部数は自社の過去実績やブース規模に合わせて調整してください。
初出展で実績データがない場合は、少なめに印刷して会期中の消化ペースを見ながら追加発注できる印刷会社を選んでおくと、余剰在庫を抱えずに済みます。逆に過去の出展実績がある場合は、前回の配布実績(配布数・残部数)を基準に増減させると、勘に頼らない見積もりができます。
なお、この試算はあくまで紙のパンフレットの部数を決めるための目安です。QRコードからのPDFダウンロードに誘導する運用であれば、紙の部数は「その場で渡す最低限の数」に抑え、詳しい資料はデジタルで補う考え方にすると、印刷コストと在庫リスクをさらに小さくできます。
制作フローと担当分けはどう進める?
パンフレット制作は次の手順で進めます。
- 企画:誰に何を伝えるかの目的を決める
- 構成:台割表でページごとの掲載内容を決める
- 原稿・写真の手配:製品写真・事例の許諾を取る
- デザイン:ブースの世界観に合わせたトーンで制作する
- 校正:社内の関係部署(営業・製品担当)に内容を確認してもらう
- 印刷・QR設定:入稿してダウンロードページのQRコードを発行する
つまずきやすいのは、校了間際の内容差し替えです。製品情報や価格は関連部署の最終確認が遅れがちなので、校正の締め切りを印刷会社の入稿期限より1週間前に設定しておくと余裕が生まれます。また、導入事例に使う顧客写真は、展示会用途での使用許諾を事前に取っておかないと、直前で掲載できなくなることがあります。
担当分けとしては、企画・構成は営業やマーケティング担当が主導し、原稿・写真の手配は製品担当や導入事例先とのやり取りができる担当者が受け持つと進めやすくなります。デザインを外部に依頼する場合は、台割表の時点で発注先に共有しておくと、デザイン工程での手戻りを減らせます。印刷会社を選ぶ際は、納期だけでなく、会期直前の部数追加やデータ修正に対応できるかも確認しておくと安心です。
配ったパンフレットを商談につなげるには?
パンフレットは配って終わりにせず、誰が興味を持ったかを把握できる形にしておくと、会期後のフォローの優先順位がつけやすくなります。
具体的には、ブースでは薄いチラシだけを手渡し、パンフレット本体はチラシに載せたQRコードから PDF をダウンロードしてもらう流れにします。DocLead では、パンフレットの PDF をアップロードすると、フォーム付きの公開ページを作成できます。ダウンロードした人の情報が届き、閲覧数も確認できるため、会期後に「誰が資料を読んだか」を手がかりにフォローする相手の順番を決められます。
株式会社デザポケが現役ビジネスパーソン20〜60代300名を対象に2025年11月11〜18日に実施した「企業展示会やイベントで用意されているパンフレットに関するアンケート」によると、パンフレットを保管した理由の1位は「デザインがシンプルで見やすい」(46.67%)、処分した理由は1位「興味が薄れた」(44.7%)、2位「Webで同じ情報が見られた」(38.7%)でした。情報を詰め込みすぎず要点を絞る構成にすること、そして紙とデジタルの情報を使い分けることが、パンフレットを手元に残してもらう上で有効だとわかります。
会期後のフォローの具体的な手順は展示会後のフォローアップ手順で解説しているので、パンフレット公開後の動きはそちらも参考にしてください。
この流れの利点は、印刷しただけのパンフレットでは分からなかった「誰が興味を持ったか」が、ダウンロードの動きとして見える点にあります。会期中に名刺交換した相手が多く、全員へのフォローに優先順位をつけられずに困る出展企業は少なくありません。閲覧数や資料をダウンロードした人の情報を手がかりにすれば、まず連絡すべき相手から順にフォローを進められます。
PDF をアップロードするだけで資料DLページができます
DocLeadでできることを見るよくある質問
パンフレットとカタログは何が違う?
カタログは製品ラインアップの網羅的な一覧を目的とし、パンフレットは特定のテーマや訴求に絞って持ち帰ってもらう資料です。展示会では、来場者の検討段階に合わせて情報を絞ったパンフレットの方が読み切ってもらいやすくなります。カタログは既存顧客への定期送付や商談後の詳細資料として使うことが多く、展示会当日の配布物としてはパンフレットの方が向いています。
何ページが標準?
A4 4〜8 ページが目安ですが、ページ数を先に決めてから台割表を作るのではなく、載せたい内容を洗い出したうえで必要なページ数を逆算する順番で進めると過不足のない構成になります。載せたい製品や事例が多いからといって安易にページを増やすと、結局読み切ってもらえなくなる点に注意してください。
制作は外注と内製のどちらがよい?
デザインの完成度を重視するなら外注、スピードとコストを優先するなら内製が向いています。初めての展示会出展であれば、構成(台割)だけ自社で決め、デザインをデザイン会社や印刷会社のテンプレートサービスに依頼する折衷案も選択肢になります。過去のパンフレットや会社案内のデザインデータが手元にある場合は、それをベースに改訂する形で内製化するとコストを抑えられます。
英語版は必要?
海外からの来場者が見込まれる展示会や、海外展開を検討している場合は英語版の用意を検討してください。国内向け展示会で海外来場者がほとんど見込めない場合は、無理に多言語対応せず国内向けの内容に集中する方が制作負担を抑えられます。英語版を作る場合も、ページ構成は日本語版と揃え、翻訳のみを差し替える形にすると制作の手間を最小限にできます。
会期ごとに作り直す必要がある?
製品ラインアップや事例に変更がなければ、同じパンフレットを複数の展示会で使い回して問題ありません。展示会のテーマや来場者層が大きく異なる場合は、表紙や訴求メッセージだけを差し替える部分改訂で対応すると、制作コストを抑えられます。
まとめ
- パンフレットはチラシと役割を分け、持ち帰って検討してもらうための資料として設計する
- A4 4〜8 ページの台割表で掲載内容と目的を先に決めてからデザインに入る
- ブースでは薄いチラシを渡し、パンフレット本体は QR から PDF でダウンロードしてもらうと、会期後のフォロー順を資料の閲覧状況から判断しやすくなる
パンフレットは作って配って終わりではなく、会期後に「誰がどこまで読んだか」を確認できて初めて営業活動に活かせる資料になります。次の展示会に向けて、まずは台割表を作るところから始めてみてください。
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