介護タクシーの集客|ケアマネ依存から抜ける営業先
作成日: 2026/09/05 10:00
執筆: DocLead 運営
この記事の結論
介護タクシーの集客は、ケアマネジャー以外の紹介元ごとに配布物を作り分け、反応を見て再訪先を決めると安定します。
介護タクシーの依頼はどこから来る?
依頼の多くはケアマネジャー経由ですが、病院の地域連携室・施設・福祉用具事業者・家族の直接検索という4つのルートもあります。どのルートも依頼の性質が異なるため、同じ営業の仕方では反応が変わりません。
紹介元ごとの違いを表で整理します。
| 依頼元 | 依頼の性質 | 単発か定期か | 意思決定者 |
|---|---|---|---|
| 居宅介護支援事業所(ケアマネ) | 通院・入退院の付き添い | 定期になりやすい | 担当ケアマネジャー |
| 病院の地域連携室 | 退院時の移送手配 | 単発が多い | 医療ソーシャルワーカー |
| 施設(デイサービス・入所施設) | 通院・外出支援 | 施設との契約次第で定期化 | 施設の生活相談員 |
| 福祉用具事業者 | 車椅子・リフト利用者の紹介 | 単発から始まりやすい | 担当の福祉用具専門相談員 |
| 家族の直接検索 | 冠婚葬祭・通院・外出全般 | 単発が多いが継続依頼もある | 利用者本人または家族 |
ケアマネジャーは開業直後に接点を持ちやすく、通院の付き添いは繰り返し発生するため定期利用に育ちやすいルートです。ただし、このルートに偏ると次の章で説明する不安定さが表面化します。病院の地域連携室や福祉用具事業者は接点自体が少ないぶん、依頼の性質を理解した案内が必要です。
病院の地域連携室は退院日が決まった時点で移送手段を急いで確保する必要があり、対応スピードを重視します。施設は通所や外出のたびに移動が発生するため、施設側の担当者と継続的な関係を築けるかが鍵になります。福祉用具事業者は車椅子やリフトを利用者に納品する際、移送手段の相談を受けることが多く、設備対応力が伝わっていないと紹介にはつながりません。家族の直接検索は、他のルートと違って利用者本人や家族が費用や対応内容を自分で比較検討する点が特徴です。
なぜケアマネ依存だと売上が安定しない?
担当ケアマネジャーの異動や利用者の入院・逝去が重なると、依頼が一度に途切れるためです。1人の担当者に依頼が集中している事業所ほど、この影響を受けやすくなります。
依存が起きるのは偶然ではなく、構造的な理由があります。開業時の挨拶回りで最初に接点ができるのがケアマネジャーだからです。ケアプランを作成する立場上、移動手段の相談を最初に受けるのも彼らです。
加えて、通院の付き添いは月に何度も発生する利用者が多く、一度依頼が入ると継続しやすい性質があります。この「回りやすさ」と「継続しやすさ」が重なることで、営業先が自然とケアマネジャーだけに集中してしまいます。
一方で、病院の地域連携室や福祉用具事業者、家族の直接検索は接点を持つ機会そのものが少なく、意識して営業しないと依頼元として育ちません。ケアマネ依存から抜けるには、まず接点を持つ機会が少ないルートに意図的に時間を割く必要があります。
さらに、担当ケアマネジャー1人あたりが抱える利用者数には限りがあります。1人の担当者からの紹介だけに頼っていると、その担当者が別の事業者を優先し始めた瞬間に依頼が減る、という受け身の状態から抜け出せません。紹介元を複数系統に分散させておけば、どこか1系統の依頼が減っても他の系統が下支えする構造をつくれます。
営業前に準備するものは?
営業を始める前に、対応できる状態像と依頼側が知りたい情報を整理しておく必要があります。準備が曖昧なまま訪問すると、依頼元は照会をためらいます。
事業所によっては車両を1台から2台に増やしたばかりだったり、リフト車を導入したばかりだったりと、対応範囲が変わった直後のタイミングで訪問することもあります。その場合は特に、現時点で対応できる内容を訪問前に書き出しておかないと、担当者との会話で説明が曖昧になり、せっかくの設備投資が伝わらないまま終わってしまいます。
対応できる状態像を書き出す
まず自分の事業所が何に対応できるかを言語化します。車椅子・ストレッチャー・リフト車のどれに対応するか、階段介助の可否、付き添いの範囲(受診中の同席や院内介助まで含むか)、対応エリアと対応可能な時間帯を書き出します。これらは口頭で説明するだけでは伝わりにくく、依頼元の記憶にも残りません。
書き出す際は、対応できる内容だけでなく対応できない内容も併記しておきます。「エレベーターのない建物の3階以上は対応不可」「予約は前日までにお願いしている」といった制約を先に伝えておくと、依頼元は事前に別の選択肢を検討でき、当日になって断る・断られるという双方の手間を減らせます。
依頼側が知りたい情報に絞った案内をつくる
依頼元が知りたいのは「この利用者を運べるか」の一点です。車両や設備の写真、対応可否の一覧が入った案内があれば、依頼元は自分で判断でき、電話で細かく確認する手間が省けます。案内が曖昧だと、依頼元は結局別の事業所に問い合わせてしまいます。
ケアマネジャーや相談員は日々多くの事業者と接しているため、案内を読む時間も限られています。文章で読ませるより、対応可否を○×で示した一覧のほうが短時間で判断してもらえます。事業所の強みを長々と説明するより、「何ができて何ができないか」を先に示す構成のほうが、依頼元にとって使いやすい案内になります。
対応可否一覧をつくる際は、可否だけでなく条件付きで対応できる範囲も書き添えておくと、依頼元は照会前に見当をつけられます。例えば「階段介助は2階までなら対応可、それ以上は要相談」といった記載があれば、依頼元は事前に判断でき、対応できない依頼を持ち込んで断られる、という双方の手間を減らせます。
配布物は紹介元によって見るポイントが異なるため、目的別に分けて用意します。
| 配布物 | 主な目的 | 主な配布先 |
|---|---|---|
| 事業所案内 | 事業所の信頼性を伝える | 全ルート共通 |
| 対応可否一覧 | 車椅子・ストレッチャー・リフトの対応範囲を示す | ケアマネ・施設・福祉用具事業者 |
| 料金の考え方 | 費用感の見当をつけてもらう | 家族・単発依頼元 |
| 依頼手順の1枚 | 依頼から乗車までの流れを示す | 病院の地域連携室・施設 |
介護タクシーの集客手順は?
紹介元を広げるための集客は、次の6ステップで進めます。
- 商圏の依頼元を4系統で洗い出す
- 依頼元ごとに伝える内容を変える
- Googleビジネスプロフィールと問い合わせ導線を整える
- 訪問して資料を置いてくる
- 依頼手順を1枚にして「迷わず呼べる」状態にする
- 定期利用に育てる
商圏の依頼元を4系統で洗い出す
居宅介護支援事業所・病院の地域連携室・施設・福祉用具事業者の4系統で、対応エリア内の候補を一覧化します。加えて、地域の葬儀社や自治体の福祉課も冠婚葬祭・行政手続きの移送で相談を受ける立場にあり、候補に加える価値があります。系統ごとにリストを分けておくと、次のステップで案内を作り分けやすくなります。
洗い出しの際は、事業所名だけでなく担当者名・連絡先・訪問済みかどうかも一緒に記録しておきます。訪問先が増えるほど「どこにいつ何を渡したか」があいまいになりやすく、後述する再訪の判断にも影響するためです。
依頼元ごとに伝える内容を変える
ケアマネジャーには定期通院への対応力を、病院の地域連携室には退院当日の急な手配への対応スピードを、福祉用具事業者には車椅子・リフトの対応可否を重点的に伝えます。同じ案内を全員に配ると、それぞれが本当に知りたい情報が埋もれてしまいます。
Googleビジネスプロフィールと問い合わせ導線を整える
家族が地域名と合わせて検索したときに見つかるよう、Googleビジネスプロフィールの対応エリア・対応可否・営業時間を最新の状態にします。電話番号だけでなく、フォームなど文字で問い合わせられる窓口も用意しておくと、電話をためらう家族の依頼を取りこぼしません。
訪問して資料を置いてくる
洗い出した依頼元を訪問し、系統ごとに作り分けた資料を置いてきます。訪問時は担当者の名前と役職を控えておくと、後日の再訪や連絡がスムーズになります。忙しい時間帯を避けて訪問することも、担当者にきちんと資料を見てもらうためには欠かせません。
依頼手順を1枚にして「迷わず呼べる」状態にする
依頼の電話番号・受付時間・必要な情報(利用者の状態・希望日時・行き先)を1枚にまとめ、依頼元がすぐ確認できるようにします。依頼する側が毎回考え込まずに済む状態を作ることが、次の依頼につながります。特に病院の地域連携室は、退院日決定から移送手配までの時間が短いことが多く、必要な情報を先に示しておくことで確認のやり取りを減らせます。
定期利用に育てる
単発の依頼で丁寧な対応ができたら、次回以降も同じ依頼元から声がかかるよう、対応後に一言連絡を入れるなどの関係づくりを続けます。特に通院の付き添いは、一度信頼を得ると定期利用に育ちやすい依頼です。
定期利用に育てる過程では、対応可否や料金の考え方が変わった際にすぐ最新の案内を届けられるかどうかも重要です。古い情報のまま放置すると、依頼元が別の事業所に切り替えるきっかけになりかねません。
置いてきた案内はいつ見られている?
病院の地域連携室に置いてきた対応可否一覧は、その病院が「介護タクシーで運べるか」を照会するタイミングで開かれているかもしれませんし、担当者の机の引き出しに入ったままかもしれません。紙で渡した案内はどちらなのか、外から知る方法がありません。
この分からなさは、車両を入れ替えたときに特に響きます。リフト車を増車した、対応エリアを広げた、といった変化があっても、依頼元の手元にある案内は訪問した日のままです。次に会う機会がなければ、依頼元は古い対応範囲で判断し続けます。
福祉用具事業者に置いてきた案内も同じです。車椅子やリフトを納品するたびに移送手段の相談を受ける立場なので、案内を渡した直後に見てもらえるかどうかで紹介の有無が決まりますが、いつの相談で開かれたのかは訪問側には見えません。家族に渡した名刺も同様で、通院や外出の車内で受け取った名刺を見て後日連絡が来ても、何がきっかけで連絡に至ったのかを事業所側は追えません。
- 案内が見られたかどうか不明なため、退院時期が近い利用者の相談が進んでいるのか、まったく検討されていないのかを区別できない
- 対応車両や対応エリアを変えても、依頼元の手元には訪問時点の古い版が残り続ける
- 再訪先を勘で選ぶため、担当者が異動して案内自体が引き継がれていない依頼元にも同じペースで再訪してしまう
対策は、案内を紙だけでなくURLでも渡すことです。URLで渡した資料であれば、いつ開かれたかが記録として残ります。病院の地域連携室に置いた翌週に閲覧があれば、退院時期が近い相談が進んでいる合図として受け取れますし、逆に閲覧が一度もなければ、訪問より先に担当者の在籍を確認したほうが早いと判断できます。名刺や車両にQRコードを載せておけば、家族が車内で受け取った案内をその場で開け、後日の連絡が来た際にも同じ資料を見た経緯だと分かります。
1人〜数人体制では訪問できる件数に限りがあるため、次にどこを回るかを勘ではなく閲覧の記録から決められるかどうかが、営業時間の使い方を大きく左右します。DocLeadのようにPDF資料をURL化して閲覧状況を残せるツールを使えば、紙の案内と同じ内容をそのまま配布物として使いながら、いつ・何回見られたかという記録だけを追加できます。
家族からの直接依頼はどう増やす?
家族は「地域名+介護タクシー」で検索するため、Googleビジネスプロフィールの整備と対応可否の明記が起点になります。紹介元経由の依頼とは違い、家族は事業所の情報を自分で調べて比較検討します。
検索から依頼につなげるには、次の要素を揃えておきます。
- 利用者や家族からの口コミ(対応の丁寧さが伝わる内容が特に有効)
- 車両や設備の写真(車椅子・ストレッチャーへの対応が一目で分かる)
- 対応エリアを示す地図
- 電話に加えて、フォームやLINEなど文字で問い合わせられる手段
電話しか窓口がないと、症状や希望をうまく言葉にできない家族は問い合わせをためらいます。フォームやLINEを用意しておくと、こうした家族の依頼を取りこぼしにくくなります。
また、家族が検索してたどり着くページには、対応可否一覧と同じ内容を載せておくと、紹介元向けの案内と矛盾が生じません。窓口を分けても内容を作り分ける必要はなく、依頼元向けに用意した資料をそのまま公開ページに転用できます。
家族からの直接依頼は、紹介元経由の依頼と比べて意思決定までの検討期間が長くなりがちです。冠婚葬祭や通院の日程が決まっていても、複数の事業所を比較してから連絡する家族が一定数いるため、初回接触から依頼までに数日空くことも珍しくありません。この間に問い合わせ先を見失われないよう、電話番号やフォームへの導線はページの目立つ位置に繰り返し配置しておきます。
口コミへの返信も、家族からの直接依頼を増やすうえで見落とされがちな要素です。丁寧な返信が並んでいるページは、対応の姿勢が伝わりやすく、比較検討中の家族が問い合わせに踏み切る後押しになります。口コミの件数そのものより、個々の口コミにどう向き合っているかが見られていると考えたほうが実態に近いでしょう。
つまずきポイント
介護タクシーの集客でよくあるつまずきは、次の4つです。
- 全ルートに同じ案内を配り、依頼元ごとに知りたい情報が伝わらない
- 対応可否の記載が曖昧で、依頼元が判断できず照会が来ない
- 窓口が電話しかなく、問い合わせをためらう家族の依頼を逃す
- 単発依頼で終わり、定期利用に育てる働きかけをしていない
これらはいずれも、依頼元の立場で案内を見直すことで防げます。訪問件数や配布物の量を増やす前に、既存の案内が依頼元の疑問に答えられているかを確認する価値があります。
なかでも「単発依頼で終わる」つまずきは見落とされがちです。1回の依頼を丁寧にこなすだけで満足してしまい、次につなげる働きかけをしないまま関係が途切れるケースが少なくありません。依頼が終わった後の一言連絡や、定期利用への案内を仕組みとして組み込んでおくことが、単発止まりを防ぐ最も確実な方法です。
「対応可否の記載が曖昧」というつまずきも根が深く、事業所側は「電話で聞いてもらえば説明できる」と考えていることが多いのですが、依頼元は電話で確認する前に候補から外してしまいます。特に病院の地域連携室は退院日までの時間が限られているため、確認の電話をかける余裕がある事業所から先に声がかかります。曖昧な記載のまま訪問を重ねても、依頼元の判断材料は増えません。
効率化のヒント
限られた営業時間を活かすには、案内の更新と依頼手順の管理を仕組み化しておくことが有効です。
案内の更新を1箇所に集約しておくと、対応車両や料金の考え方が変わったときに、古い版が現場に残り続ける事態を防げます。依頼手順も定型化しておけば、担当者が変わっても同じ品質で対応できます。訪問記録をスタッフ間で共有しておくと、誰がどの依頼元をいつ訪問したかが分かり、再訪の判断がしやすくなります。
1人〜数人体制では、こうした管理をExcelやノートで行っているケースも多く見られます。それ自体は問題ではありませんが、訪問先が増えるほど更新・共有・反応の記録を別々の場所で管理するのは負担になっていきます。案内をURLで渡す運用に切り替えると、この3つを1つの仕組みでまとめられ、管理の手間が減ります。
こうした運用は、介護施設の集客と紹介ルートや訪問看護の紹介依頼を増やす取り組みでも同様の考え方が使われています。紹介元との関係を資料の反応で可視化する発想は、業種を問わず応用できます。
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DocLeadでできることを見るよくある質問
開業直後はどこから回ればいいですか。
担当ケアマネジャーの異動や利用者の状態変化に左右されにくくするため、居宅介護支援事業所に加えて病院の地域連携室や福祉用具事業者にも早い段階で接点を持つのがおすすめです。
ケアマネジャーへの営業頻度はどれくらいが適切ですか。
頻度そのものより、対応可否や車両の情報が最新かどうかを都度確認できる状態にしておくことが重要です。訪問のたびに同じ案内を渡すより、反応を見て内容を更新した案内を届けるほうが記憶に残ります。
保険外の付き添いはどう案内すればよいですか。
対応範囲(院内介助や買い物同行など)を配布物に明記し、依頼元や家族が保険適用の可否を自分で判断できるようにしておくと、問い合わせ段階での行き違いを防げます。金額の断定は避け、「内容によって変わるため事前にご相談ください」といった案内にとどめておくのが無難です。在宅介護利用者を増やす取り組みや介護業界の集客ガイドも、依頼元との情報のすれ違いを防ぐ考え方の参考になります。
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