展示会出展の効果を数字で見る|商談化率と受注率の実態

作成日: 2026/09/16 21:43 ・ 更新日: 2026/09/16 23:00

執筆: DocLead 運営

展示会の記事一覧へ

この記事の結論

展示会出展の効果は商談化率10〜20%・受注率10%未満が最多で、KPIで測定できている企業は18.9%にとどまります。

展示会出展の効果とは

展示会出展の効果は大きく2種類に分かれます。1つは名刺獲得・商談・受注という「直接効果」、もう1つは認知拡大や既存顧客との関係維持という「間接効果」です。数字で判断しやすいのは直接効果ですが、多くの企業が「自社の商談化率は良いのか悪いのか」を比較する基準を持たないまま出展を続けています。

直接効果を正しく捉えるには、名刺獲得数だけでなく商談化率・受注率まで追う必要があります。効果測定の具体的な手順や指標設計は展示会の効果測定手順|KPI設計とROI計算で解説していますので、測定の型がまだ無い場合はあわせて確認してください。本記事ではその手前にある「そもそも世の中の相場はどれくらいか」という分布データに絞って解説します。

名刺獲得数は展示会の規模やブース位置に左右されやすく、単独で見ても効果の高低は判断しにくい指標です。一方、商談化率・受注率は接点の質を反映するため、規模の異なる展示会同士でも比較しやすい指標といえます。本記事で紹介する分布データを、自社の数字を当てはめる基準として活用してください。

なお、出展目的が「新規リード獲得」なのか「既存顧客との関係維持」なのかによっても、重視すべき効果は変わります。既存顧客向けブースを兼ねている場合はアンケート満足度や商談以外の接点数も確認が必要ですが、本記事は新規リード獲得を主目的とする出展を想定し、直接効果の実測データに焦点を当てて解説します。

展示会の商談化率はどれくらいが普通?

展示会出展で得た接点のうち、商談化率は10〜20%が最多です。

株式会社ハンモックが実施した「展示会出展の実態調査」(発行日2022年12月26日、調査対象:展示会出展経験のある営業・マーケティング担当者301名、調査期間2022年12月13日〜14日)では、「展示会出展で接点を得た顧客との平均的な商談化率」を次のように回答しています。

商談化率 回答割合
41%以上 4.0%
31〜40% 9.0%
21〜30% 17.3%
10〜20%(最多) 29.9%
10%未満 22.6%
0% 2.2%
わからない 15.0%

出典:株式会社ハンモック「展示会出展の実態調査」

一方、株式会社展示会営業マーケティングが2026年4月に実施した「展示会白書2026」(出展者536名〔2026年4月16〜20日〕・来場者1,089名〔2026年4月8〜9日〕対象、公表元)では「獲得リードが商談化する割合」は「10〜29%が最多、次いで30〜49%が26.3%」という傾向が示されており、調査によって区切り方は異なるものの、商談化率が10〜30%程度に集中する点はハンモック調査と共通しています。自社の商談化率が10%を下回る場合は、平均より低い水準にあると判断してよいでしょう。逆に30%を超えていれば、上位1〜2割に入る水準です。

なお、ハンモックの調査では「わからない」と回答した企業が15.0%存在します。これは商談化率を算出する仕組み自体がなく、感覚的にしか出展効果を捉えていない企業が一定数いることを示しています。分布と比較する以前に、まず自社の商談化率を数値として把握できているかどうかを確認することが最初のステップです。

自社の数字を当てはめる際は、単純に表の区分と照らし合わせるだけでなく、算出根拠を揃えることが重要です。例えば「名刺獲得数」を分母にするか「そのうち有効な連絡先が取れた件数」を分母にするかで商談化率は大きく変わります。ハンモックの調査は「接点を得た顧客との商談化率」を尋ねているため、自社で算出する際も名刺交換した相手全体を分母にすると、この分布とより近い条件で比較できます。

商談からの受注率はどれくらい?

商談化した案件のうち、実際に受注に至る割合は10%未満が最多です。

同じくハンモックの調査(n=301)のQ9「商談化した案件の平均的な受注率」では、次の分布が示されています。

受注率 回答割合
41%以上 1.7%
31〜40% 6.5%
21〜30% 11.6%
10〜20% 27.6%
10%未満(最多) 36.4%
0% 0.2%
わからない 16.0%

出典:株式会社ハンモック「展示会出展の実態調査」(n=301、2022年)

商談化率よりも受注率の方が「10%未満」の回答割合が高く、商談化した後の受注転換に課題を感じている企業が多いことが分かります。商談化率が平均的でも受注率が低い場合、原因は展示会そのものより商談後のフォローや提案精度にある可能性が高いといえます。

商談化率と受注率をかけ合わせると、名刺1件が受注につながる確率のおおよその目安が見えてきます。仮に商談化率15%・受注率10%の企業であれば、名刺100件のうち商談化するのは約15件、受注に至るのは約1〜2件という試算になります(実データではなく仮の数値による試算例です)。この掛け算で自社の実績を試算してみると、商談化率と受注率のどちらに改善余地が大きいかが把握しやすくなります。

比較として、商談化率20%・受注率20%という、両分布の上位層に近い水準の企業を仮定すると、名刺100件のうち商談化するのは約20件、受注に至るのは約4件という試算になります(こちらも仮の数値による試算例です)。同じ100件の名刺でも、商談化率・受注率がそれぞれ5〜10ポイント改善するだけで、最終的な受注件数は倍以上に変わり得ることが分かります。

効果を測定できている企業はどれくらい?

展示会の商談化率・受注率が一定の水準にあっても、それを裏付けるKPIを明確に測定できている企業はわずか18.9%にとどまります。

株式会社マーケライズが2026年6月11日に発表した「製造業界における展示会の実態調査」(PR TIMES発表、調査対象:製造業を主とする企業の営業・販促担当者180名、調査期間2026年4月1日〜4月30日)によると、効果測定の実施状況は次のとおりでした。

測定状況 回答割合
明確なKPIを設けて測定 18.9%
大まかな指標はあるが厳密には測定せず 50.6%
測定していない 29.3%

出典:株式会社マーケライズ「製造業界における展示会の実態調査」(n=180、2026年)

同調査では効果測定に課題を感じている企業が約8割にのぼり、測定を行わない理由として「受注までの期間が長すぎて因果関係が追えない」52.1%、「集計・追跡に割く時間・人員がない」33.3%、「計測・算出方法がわからない」31.3%が挙げられています。経済産業省が2026年3月に公表した「展示会産業の国際化のための実態把握等に関する調査研究」報告書でも、商談・マッチング成果を継続的に追跡・蓄積する仕組みが業界全体で未整備であることが指摘されており、個社の課題ではなく構造的な問題であることがうかがえます。

同調査では重視するKPIとして「名刺獲得数」71.9%、「見積依頼・アポイント獲得・引き合い数」70.2%が上位に挙がる一方、「成約金額(売上)追跡」は15.8%にとどまっています。多くの企業が名刺獲得数までは測っているものの、その先の商談・受注まで一気通貫で追えている企業は少数派だということが、この差からも読み取れます。効果測定の第一歩は、KPIを増やすことよりも、既にある名刺獲得数のデータを商談・受注の記録とひもづけることから始めるのが現実的です。

「大まかな指標はあるが厳密には測定せず」と回答した企業が50.6%と半数を占めている点にも注目が必要です。これは、まったく何も測っていないわけではないものの、名刺獲得数や商談数を担当者の記憶やExcelに散在した状態で管理しており、展示会ごとの比較や商談化率・受注率の算出まで手が回っていない状態を指していると考えられます。この層が仕組み化に踏み出せれば、測定できている企業の割合は大きく変わる可能性があります。

効果が出る出展と出ない出展の違いは何か?

商談化率・受注率が高い出展と低い出展の差は、フォロー体制の質に表れます。

展示会白書2026によると、来場者の71.6%が出展後のフォローに不満を感じており、43.2%が「強引な売り込み」を不満点として挙げています。一方で出展者側も34.5%が「獲得したリードの質が低い」と感じており、来場者・出展者の双方が同じフォロー体制のミスマッチに不満を持っている構図が見えます。

つまり、名刺を多く集めても、その後のフォローが画一的だったり、見込み度を無視した営業アプローチだったりすると、商談化率・受注率はどちらも伸びません。逆に、来場者ごとの興味関心を出展中または直後に把握し、フォローの優先順位と内容を変えられている企業ほど、同じ名刺獲得数からより多くの商談・受注を生み出せていると考えられます。

来場者が不満を感じる「強引な売り込み」は、見込み度の低い相手にも高い相手にも同じ営業トークで接触してしまうことが原因の1つです。展示会当日は多くの来場者と短時間で名刺交換するため、その場で興味の強さを正確に判断するのは容易ではありません。出展直後に何らかの形で興味関心の強さを可視化できれば、フォローの優先順位を来場者ごとに変えられ、結果として来場者側の不満も出展者側の「リードの質が低い」という不満も同時に減らせる可能性があります。

もう1つ見落とされやすいのがフォローのスピードです。展示会後、来場者は複数の出展社から連絡を受けるため、対応が遅れるほど記憶が薄れ商談化率は下がりやすくなります。名刺獲得数だけを記録して後日まとめて連絡するのではなく、関心の高い来場者から数日以内に連絡できる体制を整えておくことが、フォロー体制の質を左右する要因の1つです。

ここで課題になるのが、名刺交換した相手全員に均等な労力でフォローすることの非効率さです。営業担当者の人数と時間は限られているため、全員に同じ熱量で連絡すると、本来最も見込みのある相手への対応が薄まってしまいます。フォローの優先順位付けとは、連絡する・しないを決めることではなく、限られたリソースをどの順番で・どれだけ厚く配分するかを決めることです。次の章では、この優先順位を出展直後から判断するための具体的な指標の置き方を解説します。

展示会フォローアップ実践ガイド の表紙

全 18 ページ!展示会の名刺を商談に変える

展示会フォローアップ実践ガイド

  • 会期後 48 時間の動き方
  • 温度感別のメール文例
  • フォロー体制の作り方
無料でダウンロード

効果を上げるために出展前から準備すべきことは?

受注までの期間が長く因果関係を追いにくいという課題には、商談の手前に「測れる中間指標」を置くことで対処できます。

マーケライズの調査で最も多かった測定未実施の理由は「受注までの期間が長すぎて因果関係が追えない」でした。これは裏を返せば、受注という最終指標だけを見ていると効果測定自体が難しくなるということです。対策として、名刺獲得から受注までの間に、資料ダウンロード数や資料閲覧の有無といった中間指標を挟むと、出展直後から見込み度を数値で把握できます。

段階 指標の例 測定できるタイミング
1. 接点 名刺獲得数 出展当日
2. 関心の可視化 資料DL数・閲覧数 出展直後〜数日以内
3. 商談 商談化率 出展後1〜2週間
4. 成約 受注率 数週間〜数か月後

このように段階を分けると、受注までの期間が長い商材でも、資料DLや閲覧という早い段階の指標で「この名刺は見込みがあるか」を判断できます。名刺情報を配布した資料と紐づけて管理する方法や、フォローに使えるツールの比較は展示会フォローツール比較9選|名刺〜資料DLまでにまとめています。

このアプローチが有効なのは、資料DLという行動が「読みたいと思った」という意思表示だからです。名刺交換自体はブース前を通りかかった延長でも発生しますが、資料をダウンロードする、あるいは公開後に資料ページを再訪して読み返すという行動は、能動的な関心がなければ起きません。マーケライズの調査で最も重視されていたKPIが名刺獲得数だったことを踏まえると、名刺という「量」の指標に、資料DLという「質」の指標を組み合わせることで、受注までの因果関係を追いやすくなります。

具体的には、展示会で配布する資料をDocLeadのようなリード獲得フォーム付きのダウンロードページとして用意しておくと、誰がいつ資料をダウンロードしたか、どのページを見たかを出展直後から把握できます。名刺だけでは分からなかった「関心の強さ」を早い段階で可視化できるため、フォローの優先順位付けに使える中間指標が増えます。展示会後にすべての名刺へ同じ内容のお礼メールを送るのではなく、資料を実際にダウンロードした来場者から優先的に連絡すれば、限られた営業リソースを商談化・受注につながりやすい相手に集中させられます。

出展後の振り返りをフォーマット化しておくと、次回以降の商談化率・受注率の改善にもつながります。振り返りの書き方は展示会出展報告書テンプレート|次回改善に繋げる書き方を参考にしてください。準備から成果測定までの全体像は展示会出展 完全ガイド|準備から成果測定までで網羅していますので、初めて出展する場合はあわせて読むことをおすすめします。出展メリットの全体像は展示会出展のメリットをデータで検証|成果を出す条件、名刺獲得の具体的な手順は展示会で名刺を獲得する方法|集め方から仕分け・フォローまで、費用対効果の試算方法は展示会の費用対効果を計算する方法|試算モデルと改善策で解説しています。

中間指標を置く準備は、出展の直前でも始められます。既存の紙資料やパンフレットをPDF化し、名刺交換時に「詳細はこちらのページからダウンロードできます」と案内するだけで、来場者の関心の強さを記録する仕組みが作れます。展示会当日から準備を始めるより、事前に資料と配布導線を用意しておいたほうが、当日のブース対応に集中しつつデータも取得できます。

よくある質問

商談化率が10%未満なら失敗と判断していいですか?

一概には言えません。ハンモックの調査では商談化率10%未満と回答した企業が22.6%存在し、少数派ではあるものの珍しい水準ではありません。業種・商材・展示会の規模によって適正水準は変わるため、同条件の過去実績や同業他社の傾向と比較して判断することが重要です。単発の1回だけの数字で一喜一憂せず、複数回の出展データを蓄積して自社の平均値を作ることをおすすめします。

展示会の効果はいつ判定すればよいですか?

商談化は出展から1〜2週間程度、受注は商材によって数週間〜数か月かかるのが一般的です。受注のみを効果判定の基準にすると判定が遅れるため、資料DL数や商談化率といった早い段階の中間指標も合わせて判定に使うことをおすすめします。出展直後は資料DL数、1〜2週間後は商談化率、数か月後に受注率というように、段階ごとに判定タイミングを分けて振り返ると改善点を見つけやすくなります。

小規模な展示会でも同じ基準で判断できますか?

紹介した調査は出展規模を問わない全体傾向のため、目安として使えますが、来場者数が少ない展示会では母数が小さく割合が振れやすい点に注意が必要です。複数回分のデータを蓄積してから傾向を見るほうが精度が上がります。例えば名刺獲得数が10件程度の小規模展示会では、商談化が1件増減するだけで商談化率が10ポイント動いてしまうため、単発の数字だけで一喜一憂しないようにしましょう。

効果測定に最低限必要なデータは何ですか?

最低限、名刺獲得数・商談化数・受注数の3点を記録すれば商談化率・受注率は算出できます。加えて資料DL数や閲覧状況を記録できると、受注までの期間が長い商材でも早い段階で見込み度を把握でき、効果測定の課題として最も多かった「因果関係が追えない」状態を避けやすくなります。

まとめ

  • 展示会出展の商談化率は10〜20%(最多29.9%)、受注率は10%未満(最多36.4%)が最も多い水準で、自社の数字と比較する目安になる。まず自社の商談化率・受注率を算出し、この分布のどこに位置するかを確認する。
  • 効果を明確なKPIで測定できている企業は18.9%にとどまり、約8割が測定に課題を感じている。名刺獲得数だけでなく商談・受注の記録までひもづけ、まずは「大まかな指標」から一歩進んだ管理を始める。
  • 受注までの期間が長い商材ほど、資料DL数などの中間指標を置いて早い段階から見込み度を可視化することが、商談化率・受注率の改善につながる。次回の出展からは配布資料をダウンロードページ化し、フォローの優先順位を出展直後から判断できる状態を作っておく。

次に出展する展示会では、名刺獲得数・商談化率・受注率を記録するシートを1枚用意し、資料DLや閲覧状況まで追える仕組みを合わせて準備しておきましょう。

手元の PDF が、30秒後にはリード獲得フォームに。

  • PDF をアップロードするだけで、フォーム付きの公開ページが完成
  • ダウンロードした人の連絡先が、リードとして自動で貯まる
  • 無料プランのまま公開もリード獲得も試せる
無料で始める

クレジットカードの登録は不要です。

サービス紹介資料 の表紙

実物の公開ページで、フォームの体験もできる

DocLead サービス紹介資料

  • アップロードから公開までの3ステップ
  • リード一覧・CSV・ダッシュボードの実画面
  • 料金プランとよくある質問
資料をダウンロード