就労移行支援の集客|相談支援専門員と医療機関からの紹介
作成日: 2026/09/05 10:00
執筆: DocLead 運営
この記事の結論
就労移行支援の集客は、相談支援専門員・医療機関・特別支援学校など紹介元の開拓と、そこに置く資料の設計が要になります。
この記事は、就労移行支援事業所の管理者・サービス管理責任者を対象にしています。求職者向けの事業所選びの情報は扱いません。
就労移行支援の利用者はどこから来る?
就労移行支援の利用者は、相談支援専門員・医療機関・ハローワーク・特別支援学校からの紹介と、本人・家族による直接検索の2系統から来ます。紹介ルートは意思決定に関わる人と必要な情報がそれぞれ異なるため、ルートごとに伝え方を変える必要があります。
紹介元ごとの違いを整理すると、次のようになります。
| 紹介元 | つながる利用者像 | 意思決定に関わる人 | 必要な情報 |
|---|---|---|---|
| 相談支援専門員 | サービス等利用計画の対象者 | 本人・相談支援専門員 | 訓練内容、対応する障害特性、通所実績 |
| 医療機関(精神科・リワーク) | 復職・新規就労を目指す通院患者 | 主治医・精神保健福祉士 | 通所ペース、体調配慮の実績、就職後の定着支援 |
| ハローワーク | 就労意欲があり訓練を経て就職したい求職者 | 職業相談窓口の職員 | 就職実績、企業実習の有無、対象業種 |
| 特別支援学校 | 卒業後に一般就労を目指す生徒 | 進路指導担当教員・保護者 | 実習受け入れ企業、卒業後の定着支援 |
| 地域障害者職業センター | 職業評価を経て訓練が必要と判断された求職者 | 職業カウンセラー | 訓練プログラムの詳細、対応可能な特性の範囲 |
このように紹介元は5系統に分かれ、それぞれが利用者に提示する判断材料も異なります。相談支援専門員は本人のサービス等利用計画に沿って複数の候補を提示する立場のため、他の事業所との違いが伝わる情報を求めます。医療機関の場合は、主治医や精神保健福祉士が体調面のリスクを見極めながら紹介先を選ぶため、無理のない通所ペースを維持できるかどうかが重視されます。
本人・家族による直接検索は、紹介を受けた後に事業所名で調べ直す場合と、紹介を待たずに地域名で検索を始める場合の2パターンがあります。どちらの場合も、紹介元から聞いた話とWeb上の情報に食い違いがあると、比較検討の段階で不安材料になります。
地域障害者職業センターからの紹介は、職業評価という手続きを経ているため、訓練の必要性がある程度明確になった状態で紹介が来る点が他のルートと異なります。そのため配布物では、職業評価の結果をどう訓練プログラムに反映できるかを具体的に示せると、職業カウンセラーの判断材料になります。次の章で就労継続支援との違いを整理したうえで、営業前の準備と具体的な集客手順を解説します。
就労継続支援・就労定着支援と何が違う?
就労移行支援は一般就労への移行を目的とし、原則2年の利用期限がある点が、雇用契約や工賃を伴う就労継続支援と異なります。就労定着支援は、就労移行支援などを経て就職した後の定着を支える別サービスで、集客対象そのものが異なります。就労継続支援の集客手順は就労継続支援の利用者を増やす方法で解説しているので、対象サービスが異なる場合はそちらを参照してください。
3つのサービスの違いを整理すると、次のようになります。
| 項目 | 就労移行支援 | 就労継続支援(A型・B型) | 就労定着支援 |
|---|---|---|---|
| 目的 | 一般就労への移行 | 就労の場の提供・工賃の獲得 | 就職後の定着支援 |
| 利用期限 | 原則2年 | 期限なし | 原則3年 |
| 賃金・工賃 | 原則なし | A型は雇用契約・B型は工賃 | 対象外(利用者は既に就職済み) |
| 対象 | 一般就労を目指す方 | 一般就労が難しい・準備中の方 | 就労移行支援等を経て就職した方 |
この違いが集客に直結する理由は、紹介元が「今すぐ働きたい人を見ている機関」に寄るためです。ハローワークの職業相談窓口や特別支援学校の進路指導担当は、就労を前提に本人と接しているため、就労移行支援の紹介先として選ばれやすくなります。一方、就労継続支援は日中活動の場を探している支援機関からの紹介が中心になり、営業先の性質が変わります。
また、利用期限が原則2年と決まっていることは、事業所側の説明資料にも反映すべき点です。何年で一般就労を目指すのか、期限内にどこまで訓練が進むのかを明示しておくと、紹介元は本人の現状と照らし合わせて紹介の可否を判断しやすくなります。期限のないサービスと同じ説明の仕方をしていると、紹介元が就労移行支援特有の検討ポイントを見落とす原因になります。
営業前に準備するものは?
営業前に準備するものは、訓練内容を外部が読める形にすること、就職実績の示し方を決めること、配布物一式をそろえることの3点です。準備が整わないまま訪問すると、紹介元は判断材料が足りず紹介を保留します。
支援プログラムを外部が読める形にする
紹介元が判断に使う情報は、訓練内容、企業実習の有無、対応する障害特性、通所形態、送迎や昼食の有無です。これらが口頭説明だけだと、紹介元の担当者が本人や保護者に正確に伝え直せません。
訓練内容は「PCスキル」「ビジネスマナー」のような大枠だけでなく、週あたりの実習時間や対応可能な特性(発達障害・精神障害・身体障害など)まで具体化しておくと、紹介元が個々の利用希望者と照合しやすくなります。通所形態(週数日から開始できるか)や送迎・昼食の有無も、体調に配慮が必要な利用希望者にとっては通所継続の判断材料になります。
企業実習の有無は、特に特別支援学校やハローワークからの紹介で重視されます。実習先の業種や受け入れ実績を具体的に示せると、卒業後・退職後の就労イメージが伝わりやすくなり、紹介元も本人に説明しやすくなります。実習先が固定されていない場合は、これまでの実習先の傾向(事務系・軽作業系など)を示すだけでも判断材料になります。
就職実績の示し方を決める
就職実績は率だけで示すと事業所間で比較されにくいため、職種・雇用形態・定着期間で示す方法を決めておきます。同じ「就職率」という言葉でも、算出の母数や対象期間が事業所ごとに異なるため、数字単体では紹介元の判断材料になりにくいのが実情です。
代わりに、どのような職種・雇用形態(正社員・契約社員・パートなど)で就職につながったか、就職後どれくらいの期間定着しているかを具体的な事例として示すと、紹介元は利用希望者の状況と照らし合わせやすくなります。個人が特定されない範囲で、業種や職種の分布を示すのも有効です。
事例の見せ方は「訓練内容→就職先の業種・職種→定着期間」の順で1件ずつカード形式にまとめると、紹介元が短時間で照合しやすくなります。たとえば「事務職志望・PC訓練を6か月受講→一般事務職(契約社員)で就職→就職後1年以上定着中」のように、訓練から就職・定着までを一続きで示す形です。件数は多く並べる必要はなく、紹介元が担当する利用希望者の障害特性や希望職種に近い事例を数件そろえておくほうが、実際の紹介場面では使われやすくなります。
障害特性別に事例を分けておくのも有効です。発達障害の特性がある方には作業手順の明確な職種での定着事例を、精神障害で通院を続けながら働く方には勤務時間や休憩の配慮がある職種での事例を示すと、相談支援専門員や医療機関の担当者が本人の状況に近い先行事例として説明しやすくなります。実習先の企業名を出せない場合でも、業種・職種・配慮事項の3点は伏せずに示しておきます。
定着支援の実績も合わせて示すと、紹介元の判断材料が増えます。就職して終わりではなく、就職後にどのようなフォローを行っているかまで示すことで、医療機関の担当者が特に気にする「無理のない就労が続けられるか」という懸念に応えられます。定着支援の頻度(月1回の職場訪問、随時の電話相談など)や、体調悪化時に事業所側がどこまで介入するかも合わせて示しておくと、紹介元が本人・家族に説明する際の安心材料になります。
配布物の一覧
紹介元に渡す配布物は、目的別に分けてそろえておくと訪問時に迷いません。1回の訪問で全種類を渡す必要はなく、初回は事業所案内とプログラム表、関係ができてきた段階で実績サマリを渡すといった使い分けも可能です。
| 配布物 | 目的 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 事業所案内 | 初回訪問での概要説明 | 対応特性、通所形態、送迎・昼食の有無 |
| プログラム表 | 訓練内容の具体的な説明 | 週間スケジュール、企業実習の頻度 |
| 実績サマリ | 就職実績の提示 | 職種・雇用形態別の就職事例、定着期間 |
| 見学申込の1枚 | 見学・体験利用への誘導 | 申込方法、見学できる曜日、問い合わせ先 |
就労移行支援の集客手順は?
就労移行支援の集客は、紹介元の洗い出しから通所開始後の関係継続まで、次の6ステップで進めます。
- 商圏の紹介元を5系統で洗い出す
- 紹介元ごとに伝える内容を変える
- 訪問して資料を置いてくる
- 見学・体験利用の導線を整える
- 本人・家族向けに検索接点をつくる
- 通所開始後の報告で紹介を継続させる
商圏の紹介元を5系統で洗い出す
まず商圏内の相談支援専門員・医療機関・ハローワーク・特別支援学校・地域障害者職業センターをリスト化します。市区町村の障害福祉課や自立支援協議会の名簿を使うと、抜け漏れなく洗い出せます。訪問先の数が多い地域では、通所エリア内に絞ってから優先順位をつけると、初回の訪問計画を立てやすくなります。
紹介元ごとに伝える内容を変える
洗い出した紹介元ごとに、前章で整理した「必要な情報」を中心に説明内容を組み立てます。医療機関には体調配慮の実績を、特別支援学校には実習受け入れ企業の情報を厚めに伝えるといった具合に、資料の見せ方を変えます。同じ事業所案内でも、渡す相手によって強調するページを変えるくらいの調整で十分です。
訪問して資料を置いてくる
紹介元への訪問では、事業所案内・プログラム表・実績サマリを一式で渡します。一度の訪問で全ての紹介元と関係を築くのは難しいため、定期的な再訪問を前提にスケジュールを組んでおきます。初回訪問では担当者の名前と関心を持ったポイントを記録しておくと、次回以降の会話がスムーズになります。
見学・体験利用の導線を整える
紹介を受けた後、見学や体験利用にすぐつなげられるよう、申込方法をあらかじめ紹介元に伝えておきます。電話のみの受付だと、紹介元の担当者が代理で連絡する手間が発生し、紹介が滞る原因になります。見学できる曜日や時間帯を配布物に明記しておくと、紹介元がその場で本人に提案しやすくなります。
本人・家族向けに検索接点をつくる
紹介経由だけでなく、本人・家族が地域名で検索した際に事業所情報にたどり着けるようにします。紹介を受けてから検討する本人・家族は、紹介元の説明だけでなく自分でも事業所を調べ直す傾向があるため、Web上の情報が紹介元の説明と食い違わないようにしておくことも重要です。具体的な設計は後の章で解説します。
通所開始後の報告で紹介を継続させる
利用者が通所を開始した後、紹介元に通所状況を簡単に報告すると、次の紹介につながりやすくなります。報告を怠ると、紹介元は「その後どうなったか分からない」まま次の紹介先を探すようになります。報告は電話やメールで数分程度の内容で構わず、通所を継続できているかどうかが伝わればよいものです。
相談支援事業所に置いた資料は使われている?
相談支援専門員は、本人・家族に複数の事業所を提示する場面で手元の資料を使います。渡した実績サマリやプログラム表がその場で開かれたのか、机の引き出しにしまわれたまま次の面談を迎えているのか、事業所側からは確認しようがありません。
医療機関ではさらに経路が長くなります。事業所案内は精神保健福祉士が受け取った後、主治医との情報共有や本人への説明の場面を経て初めて使われるため、渡した資料がどの段階まで進んだのか、そもそも本人まで届いているのかが訪問した側には見えません。この経路の長さは、他の紹介元にはあまりない就労移行支援特有の事情です。
もう一つの問題は更新のタイミングです。就職実績や企業実習先は半年〜1年単位で変わりますが、紙で配布した実績サマリを回収して差し替える運用は現実的ではありません。結果として、相談支援専門員の手元には開設当初の実績しか残らず、直近の就職事例を紹介材料として使ってもらえないまま時間が過ぎていきます。
見学につながった経路が追えないことも見落とされがちです。ある月に見学申込が増えても、それが特定の相談支援専門員への再訪問の成果なのか、医療機関の担当者交代のタイミングによるものなのか、紙の配布記録だけでは切り分けられません。振り返りができないため、次の訪問先の優先順位づけも勘に頼ることになります。
対策として、配布物を紙の現物ではなくURLで渡す方法があります。相談支援専門員や医療機関にはダウンロードページのURLを共有し、閲覧の有無と時期を記録します。実績や企業実習先を更新した場合も、同じURLの中身を差し替えるだけで、紹介元が最後に見た情報を最新のものに保てます。
この「紹介元に置く配布物の運用」は、Web集客(SEO・広告・SNS)に寄った既存の集客ノウハウでは扱われていない領域です。DocLeadはPDFをアップロードするだけでダウンロードページを発行でき、誰がいつ資料を開いたかを確認できます。紹介元ごとにURLを分けておけば、相談支援専門員経由と医療機関経由のどちらで閲覧が続いているかも把握でき、再訪問の優先順位を勘ではなく実際の反応をもとに決められます。
本人・家族向けの発信はどう設計する?
本人・家族は「地域名+就労移行支援」で検索するため、見学申込までの導線を最短にすることが起点になります。検索してからページを見つけても、申込方法が分かりにくいと離脱してしまいます。
掲載すべき情報は、1日の流れ、支援員の体制、通いやすさ(最寄り駅からの距離や送迎の有無)、費用の考え方(自己負担上限月額の仕組み)です。これらは本人・家族が見学を検討する際に不安を感じやすい点であり、事前に明示しておくことで問い合わせのハードルを下げられます。
体験談を掲載する場合は、個人が特定されない範囲で、通所開始時の不安と、実際の生活リズムの変化を中心に扱います。就職実績と同様、体験談も具体的な状況を示すことで、閲覧者が自分の状況と重ねて判断しやすくなります。
見学申込のフォームは、氏名・連絡先・希望日時程度の最小限の項目にとどめます。項目が多いと、通所への不安を抱えたまま検索している本人・家族が入力を途中でやめてしまう可能性があります。申込後の連絡方法(電話かメールか)も選べるようにしておくと、電話でのやり取りに抵抗がある方でも申し込みやすくなります。
つまずきポイント
集客がうまくいかない事業所には、共通するつまずきポイントがあります。
- 全ての紹介元に同じ資料を配ってしまい、紹介元ごとに必要な情報が伝わらない
- 就職実績を率だけで示し、比較検討の材料にならない
- 見学申込が電話のみで、紹介元の担当者が代理連絡する手間が発生する
- 訪問が単発で終わり、関係が継続しない
これらは個別に見ると小さな問題ですが、積み重なると紹介元との関係が徐々に薄れていきます。特に「訪問が単発で終わる」は見落とされがちです。初回訪問で好感触があっても、その後の再訪問や報告がなければ、紹介元の記憶から事業所名が薄れ、次に本人を紹介する機会が来ても候補に挙がらなくなります。
効率化のヒント
限られた人員で紹介元開拓と発信を両立させるには、運用の負担を減らす工夫が有効です。
資料の更新は1箇所に集約し、紙で複数箇所に配布した版を個別に差し替える手間をなくします。紹介元ごとの訪問記録は担当者間で共有し、誰がいつどの紹介元を訪問したか把握できるようにします。見学申込はフォーム化し、電話対応の負担と代理連絡の手間を減らします。
これらはいずれも特別なツールを新たに導入しなくても、既存の表計算ソフトや共有ドライブの運用ルールを少し変えるだけで着手できます。まずは訪問記録の共有から始め、資料の集約・見学申込のフォーム化へと段階的に広げていくと、現場の負担を抑えながら定着させられます。
PDF をアップロードするだけで資料DLページができます
DocLeadでできることを見るよくある質問
開設直後はどこから回ればいい?
まずは商圏内の相談支援専門員から訪問を始めると、比較的短期間で複数の利用希望者につながりやすくなります。相談支援専門員は日常的に複数の利用希望者の候補を検討する立場にあり、開設したばかりの事業所でも訓練内容が明確であれば紹介の対象に加えてもらいやすいためです。
広告は必要?
紹介元開拓と並行して、本人・家族向けの検索接点(地域名での検索対応)は必要ですが、開設直後から広告費をかける必要はありません。紹介元からの流入が安定してから、検索接点の強化に予算を振り向ける順番のほうが、限られた予算を無駄にしにくくなります。
医療機関への営業は誰が行く?
サービス管理責任者や管理者が、精神保健福祉士やソーシャルワーカーと面談する形で進めるのが一般的です。医療機関側の窓口は精神保健福祉士であることが多く、通所ペースや体調配慮の実績について具体的に説明できる担当者が同行すると、信頼関係を築きやすくなります。
なお、介護・福祉サービス全体の集客の考え方は介護・福祉サービスの集客ガイド、放課後等デイサービスの集客は放課後等デイサービスの集客方法で解説しています。あわせてご覧ください。
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